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英語の発音:騙されないで!!!

巷でよくある<説明>:

子音が連続した場合(e.g. […tt…])、最初の子音は消えます

どうでしょう。この手の安易な<説明>は、本当に嫌になるほど横行・跋扈しています…。

けれどもみんさん、決して騙されないでくださいね!
上のような場合、子音は消えたりはしていませんよ

例えば:

that time というような形で […tt…] と子音が連続して並んだ場合、最初の [t] は発音されません

というような形で説明をしている教師・解説者が、ネット上でもリアルの世界でも、
ものすごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーく多い。
けれども、この説明は誤解に基づく全くの<誤謬>です!

以下の動画をご覧ください。
https://templatematching.jp/tt.mp4

これ↑は筆者の提案しているある枠組(ひな形方式という枠組 ← そのうち少しづつ正式に紹介していきたいと思っております)を解説した動画シリーズ中の一動画です。

動画はやや専門的で若干難しい内容であるので、かつ英語で解説されているので、とっつきにくい!と思われるかも知れません。

しかし、図を見ながら、とにかく内容をざっと取る、という程度で結構ですので、どうか気後れせずにご覧ください。

言わんとする趣旨は極めて明快な筈です。即ち:

that time の that の [t] や can’t take の can’t の [t] は発音上決して<消える>わけではありません

というのが伝えたい結論です。
差し当たりこの結論だけでもご理解いただければ、それで結構です。

繰り返します。
消える」とか「発音しない」とかというような形で説明をしている教師・解説者が、ネット上でもリアルの世界でも、
ものすごーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーく多いけれども、
この説明は全くの誤解に基づく<誤謬>です。

こうした点に関してはゆめゆめ騙されないようにしましょうね
せっかく英語の発音を学ぶのですから。


さて、今回指摘した点以外にも、世の中、実は誤謬先入観で溢れかえっているとさえ言っていいというのが、残念ながら実情・現状なのです。

発音に関しても然り、文法に関しても然り、発想法に関しても然り、学習法に関しても然り、言語観に関しても然り、…です。


今後、こうした点に関して、少しづつ少しづつ記事として採り上げつつ、気長に指摘をしていこうと思っております。

みなさま、お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いします。

ps
以下のご質問をいただきました。

ありがとうございますが「あざす」となるのも、
途中の音が省略されたのではなく、
そのように聞こえるのである、とか?


これに関してお答えします。

  1. ありがとうございます
      ↓

  2. あざす

1→ 2. の場合は実際に「削除」が行われています。

しかしながらこれは「歴史的な変化」(=通時態)ですから、
いま論じている現象とはまた別のレベルの話となります。

  1. → 2. のような歴史的変化の結果、それ以降は

 1. ありがとうございます
 2. あざす

この2つの言い方が<併存>することになります。そして、

⚪︎ 両者は<文体に応じて使い分けられる>

ことになるわけです。
換言するなら、両者は意味は類似しているものの、
文体の違いに応じて使い分けられる<別物>という扱いになります。

つまり、例えば砕けた<文体>である「あざす」は、(上記の歴史的変化の後は)<初めから>「あざす」と発話するのであって、決して

  1. ありがとうございます
      ↓

  2. あざす

といった過程を<発話のたびにいちいち繰り返す>のではもはや<ない>、ということです。

この記事で述べている that time の場合は、歴史的な話(=通時態)ではなく、いまの英語の話(=共時態)なわけです。

まとめると、

・通時態:理論的に変更規則を想定
 (そうしないと、そもそも<言語変化>自体が説明できない)

・共時態:理論的に変更規則を想定しては<ならない>
 (発話の度に歴史的変化もどきのことを脳内でしている<わけがない>)

ということです。

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