読書の秋に読みたい本 -小説以外編-
今回は「読書の秋に読みたい本-小説以外編-」と題して、
おすすめのエッセイ、ビジネス書を紹介します。
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凡者の合奏 / 片岡健太
最初はsumikaの片岡さん著の「凡者の合奏」です。
この本には片岡さんの生い立ち、音楽との出会い、sumikaの出来事など
片岡健太とは?ということを深く知ることができます。
でも、sumikaのファンが読んで面白い、という点にとどまらないところが
この本の魅力だと思います。
特に印象深いのは「信用」と「信頼」の違いについての話です。
「信用」はお金などをもとに得ることができますが、
「信頼」は人の気持ち以外で替えがきかない。
片岡さんがこういう人で、sumikaがこういうバンドだから
信頼しているんだな、と思いました。
愛がある人には愛が集まってくる。
素敵な人の周りには素敵な人が集まってくる。
そして改めて片岡さんの紡ぐ言葉が大好きだな、と思いました。
読書間奏文 / 藤崎彩織
二冊目はSEKAI NO OWARIの藤崎彩織さん著の「読書間奏文」です。
この本は彩織さんが経験した出来事に本の感想・内容を絡めて書かれているのですが、
出来事と本の内容の接点を切り取る感性がすごいと思いました。
題材として取り上げられている本の中には
私も前に読んだことがあるものも数冊ありました。
その中で、又吉直樹さんの「火花」を題材にした章が印象的でした。
この章では彩織さんが「ふたご」を執筆する過程が書かれていて、
最後にその経験があったから真に理解できたという
「火花」の一節が引用されています。
私は正直「火花」を読んだときにあまり話にピンときませんでした。
でも彩織さんの経験を通してこの一節を読んだときに、
なんて大事な感覚をとり逃していたのだろう、と、
自分の感性や何かにもがきながら進む経験の浅さにヒヤリとしました。
「読書間奏文」は彩織さんのことを知れるだけでなく
気づきも多い作品でした。
ナナメの夕暮れ / 若林正恭
三冊目はオードリーの若林正恭さん著の「ナナメの夕暮れ」です。
といいつつ、「社会人大学人見知り学部卒業見込み」、
「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」も含め、
若林さんのエッセイが好きです。
若林さんの視点はナナメといわれることが多い(多かった)ですが、
私は他の人がまっすぐに見立てているだけの現実を
ありのままで見たものではないのか、という風に思いました。
おこがましいですが共感する部分も多々ありました。
なぜ三冊のエッセイの中から「ナナメの夕暮れ」を選んだかというと、
前書きから心奪われたからです。
なぜ、校則では第一ボタンを閉めないといけないのか、
という理由をぐちゃぐちゃ頭で考えてしまう。
実はそこに深い意味なんてない。
でも、納得のいく理由がないと従順にできない。
自分でもめんどくさいなあ、と思ってしまうこの感覚を
他の誰かが、しかも好きな若林さんが持っていると思うと
ちょっとは嫌じゃなくなるかも。
「言葉にできる」は武器になる / 梅田悟司
四冊目は「「言葉にできる」は武器になる」です。
文章を書くことについてのビジネス書ですが、とても面白いです。
同じような題材を扱うビジネス書の多くは「どのように伝えるか」
(ex. 倒置法、比喩など)ということにフォーカスが置かれています。
一方この本ではいかにして自分の伝えたいことを「言葉」という形にして
伝えたいことをそのまま伝えられるようになるか、
ということにフォーカスが置かれています。
想いの詰まった文章はたとえ訥々とした語り口でも
想いが伝わって心が動く、というような経験はあると思います。
ただ相手に理解させるだけでなく、共感・共鳴を生む伝え方のヒントが
この一冊には書かれています。
そんな文章を書く際の「想い」にフォーカスした本だからこそ、
ビジネス書なのに著者の伝えたい、という想いが伝わってきます。
(凡者の合奏を読んだsumikaのファンの皆さん、
「カニクリームはもうカニじゃない」を「心の言葉」にする本です。)
人の動かし方 / カーネギー
五冊目はカーネギーの「人の動かし方」です。
世界的ベストセラーのビジネス書です。
昔の本なのでタイトルは少し強烈ですが、
書かれていることとしては
「自分も相手も心地よく過ごすためにはどうすればよいか」
というようなことです。
・相手の批判はしない
・挨拶をする
・相手の話をじっくり聞く
など、一見誰でもできるなんてことないことですが、
いざ突きつけられると自分はできているのか?と自信がなくなります。
「○○ハラ」という言葉が蔓延るようになって久しいですが、
この本に書いているような誰でもできることをみんなができるようになれば
世の中はちょっと良くなるのでは?と思います。
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