私たちの3人代表体制
私はいつか代表になって事業をつくりたいと思っていた。
28歳、セプテーニの入社面接のときも、佐藤さんや七村さんに「3年後には事業経営したい」とお話した。経営者だった母の影響も大きい。でも内心は、しっくり来ていなかったのが事実で、そのときなぜそう言って歩きまわっていたのか、もはや謎。そこから14年経って今になる。
これまでの12年、私はオーバーチュア、ヤフーに在籍し、最後の1年はPayPayの立ち上げに関わっていた。オーバーチュアは外資の超プロフェッショナルの集まり。ヤフーはものづくりが中心、経営陣もものづくりの経験者で非常に現場に近い。PayPayはソフトバンクとヤフーの合弁+PayTM+孫さんという強烈な連合体で非連続な成長を創る。この経営の中で濃密な時間を過ごした。
企業の一員として、朱に交われば赤くなりまくっていた私は今回、一歩踏み出すことにした。これまでの経験を踏まえ、いまなぜ共同代表なのか、共同代表を実現するために大事にしたいことを共有したい。
私たち3人はカヤックLivingの代表としてスタート
カヤックLivingはSMOUT事業を中心に、多様な暮らし方、多様な働き方、多様な地域を応援するライフスタイル事業。私自身幼いころから、能動的な暮らしの選択とともに生きてきた。
代表の松原はポートランド、土屋は宮崎、私は鎌倉という3拠点から経営し事業をつくるというおもしろい取り組み。多様な暮らし方、働き方からの経営を私たちが実践する。
松原、土屋、私(中島)は、3人ともそれぞれの場所で育ち、経験し、得意領域も様々で、それぞれ経験に基づいたスタンダードを持つ。
松原は広報、経営の経験のクールな側面とハンパない情熱の人、なんともうすぐポートランドへ移住しちゃうほどのジャンプ力を持つ。土屋はビジネスやマーケティング、圧倒的なコミュニケーション力を持ちながら、宮崎大学でディープに研究、実践する人。まさに個性の交響曲。
いまなぜ共同代表なのか
共同代表の強みとは、急速な市場変化への対応力だと思う。技術もビジネスも既存の延長とは違う軸で発展し増幅するいま、多様なバックグラウンドを持つ経営体制は、生き物としての生存能力も高い。そして私たちは3拠点、3つの地域資本の中で暮らし、1つの事業に関わる。東京一極集中のいま、様々な地域からの経営や働き方を可能にし、自由自在な社会を作りたい。日本全国を世界を元気にしたい。
共同代表を有効するために大事にしたいこと
守備範囲を含めたゲームのルール化と、継続的な言語化を大事にしたい。先日、松原・土屋と3人でミーティングした際に、それぞれの守備範囲について話をした。ここでカバーできないところは、継続的な言語化(話す、示す)でフォローする。私たちは場所も時差も違うけれど、同じピッチに立っている。多様な経験を積んでいるからこそ、言語化(話す、示す)が必要であり、この濃度が事業を強くする鍵になる。変化への対応力が高まる。
多様な暮らし方、多様な働き方、地域への移住はまさに変化の連続であることは間違いない。私たちは受け入れるひと含め、変わろうとするひとを応援している。そして受け入れるひと、変わろうとするひとにとっても、言語化(話す、示す)は何より大事なのではないかと思う。
私はこれまでの経験を活かして、言語化(話す、示す)に注力し、わからないことはわからん、とハッキリ言っていこうと思う。3代表体制だからこそ。
シンプルだけど、これが14年間目にわかったことだ。
私はこれらを実践してみて、うまくいくようだったら、またどこかでみなさんに共有したいと思う。