【黄泉の世界より舞い戻った男④】
〜〜これまでのまとめ〜〜〜〜
・ロスでUCLA付属の専門学校で広告とマーケティングを学んで、現地のTV局へ出勤途中に交通事故にあう
・50日間意識不明から生還
・ただ意識が回復しても、記憶もくっきりちゃんと戻っているわけではない
・Ronald Regean UCLA Medical Centerという大学病院を経て、
New Vista Post-Acute Care Centerにてリハビリへ移る
・同室のおじさんのテレビ音がうるさくて、訴え続けたら病室を変えてくれた
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今回は《アメリカの病院での食事編ver.1〜感動編》話を書いていきたいと思います。
実は、私は車で事故にあった際に、顎が骨折、というか砕けて右側の顎のところにボルトも入れて、ガチガチに固定されていたので、もちろん固形物を噛んで食べる事が出来ませんでした。
固形粒が噛んで飲み込めるように、食べられるようになったのは3月中旬に差し掛かって、固定している器具が取れてから
4ヶ月間自分はどうやって生きていたかというと、喉に管を通して、その管に栄養を注射で刺し入れることで栄養を取っていました。
今ももちろん管を通していた後が喉にあります。パッと見は目立ちませんが
その時は何か食べたいという食欲みたいなものは、全くわかなかったです
ただ覚えているのは、管に栄養素をチューブに入れる時、当時の黒人の身体の大きい陽気なおばちゃま(バーバラ)がえらくご機嫌でテンションが偉い高かったことです。
まぁー私自身食欲というものがなかったのですが、普通の食事ではない分、テンションだけでもバーバラが上げていこうとしたのでしょう
直接喉に栄養素を入れているので、もちろん舌を使って味わえません。つまり、美味しいという感覚がわかりません。
でも、バーバラのおかげで味気ない食事も楽しかったです。
余談ですが、
私はそのバーバラにすごく助けてもらいました。同室のおじさんに苦情を言った翌朝にバーバラが「昨日も寝られなかったんだって?私も早く部屋を移動できるようにボスに言ってみるわ」など優しい声をかけてくれました
もしかしたら、
早く部屋を交換してくれたのもバーバラのおかげかもしれません
顎の骨がくっついて、ボルトも馴染んできたときに、担当医から「明日Chewing Test (噛むテスト) をしてみよう」って言われました。
「Chewing Test」
つまりちゃんと噛んで、ものを飲み込めるかのテスト
4ヶ月ぶりに食べるといっても、すぐにステーキを食べられるかというとそういうわけではありません。
固形粒を噛んで、誤飲せずにちゃんと食道へと飲み込めるかどうかというテストを行いました。
その際にメキシカンビーズ (大豆) を食べたんですが、約4ヶ月ぶりに固形物を口にしました。
大げさではなく本当に下記のような漫画のような味がしました。
4ヶ月ぶりの固形物ですよ!!
それになんも変哲もない味付けしていない大豆です
その感動たるや破壊しれません!!
なんて言ったて、大豆の生命を感じることができたんですから!!
Chewing Testの結果はもちろんクリア!!このときは豆だけだったんですが、その晩からちゃんとした食事を食べることができました。
バーバラもChewing Testの結果を聴いたのか晩御飯を持ってくる時、私と同じくらい嬉しそうでした
ですが
このときは、その大豆がゆくゆくは悪魔へと変貌をとげるとは思っていませんでした。。。
それはver.2で
《ここから学んだこと》
・食事は動物という生けるものに限らず植物から命を頂いて、代わりに生きているということ
・「食べられる」ということは当たり前ではない
・あの瞬間の豆の味を超えるものはまだ出会ってない
・私と同じように喜んでくれたりしてくれたバーバラという存在が大きかったので、家族以外の親しい人がいると嬉しい、安心する