詩『迷宮』
優しさを口にしたら 偽善的に聞こえた
苦労を口にしたら 安っぽくなった
偽りを口にしたら 心が悲鳴を上げて
本音を口にしたら しらけた顔が散って行った
どうしてだろう
ここで出会った人達に
心は敏感に反応するのに もうこれ以上
言葉を口にしてはいけない気がする
友達と交わす言葉はいつも
見えていなかった自分自身を映してくれる
それがたとえ 美しくても 醜くても
それはつまり 自分なのだと
気付かせてくれる
どうしてだろう
共通の目的を持った人の群れは
目的外の出来事に こんなにも不自然になる
笑いも 会話も 空間も
明日が来るのかさえ 不安になるほど
そこは 不可思議な共通の場でしか無い
ここは迷路か 迷宮か
自分を取り戻す場所を
しっかり覚えておかなくちゃ
この迷宮に取り残されないように
入口からは もう出られない
どんなに気が遠くなってしまいそうでも
迷路の出口の存在だけは
信じて 進まなくては
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