詩『あなたコレクター』
こう見えて、
私はちょっとしたコレクター。
高校時代は洋楽集めて、
短大時代は香水集めて、
社会に出たら、ブランドバッグを身に付けた。
見てみて、この部屋。
分かるかな、このコレクション。
洋楽CDはクローゼットの中で眠ってるし、
香水は色が変わって元の香りを失って、
ブランドバッグは流行遅れ、使えない。
そんなんじゃないよ、このコレクション。
カタチあるものは、壊れるし、
放たれた香りは、薄れていく。
私は、『あなたコレクター』。
この部屋中に溢れてる。
脱ぎ捨てたパジャマもスリッパも、
毎日違う位置にある。
飲みかけのグラスのミルクも、
減っていく麦茶のボトルも、
あなたがこの部屋にいる証。
一人で帰りを待ってても、
毎日違う顔を見せるコレクションに、
こんなに心がほぐされる。
私は、『あなたコレクター』。
ギネス記録も、夢じゃない。
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