「買う」をアップデートしたい──フリースタンダードの創りたい未来、そしてその現在地
こんにちは。フリースタンダード CEOの張本です。前回はフリースタンダードがなぜリコマース事業に取り組んでいるのかについてお話しさせていただきました。今回は私たちの「創りたい未来」と、その現在地についてお話ししたいと思います。
「買う」をアップデートしたい
消費のあり方というのは長らく「買う」「使う」「捨てる」というシンプルなものでした。技術や文化の進化に伴って、人の行動もまた進化、アップデートしていきます。最近はメルカリさんのおかげもあって、「捨てる」の代わりに「売る」も多くの人の選択肢に入ってくるようになりました。では、「買う」についてはどうでしょうか。
私は「買う」にもアップデートの余地があると考えています。人々は日々欲しいものが生まれていく一方で、その熱が冷めるタイミングもやってきます。あんなに欲しくて買ったのに、いつの間にか使わなくなっている。そういうものに対して「必要なときだけ使える」消費のあり方が作れないだろうか。「捨てる」だけではなく「売る」が普通になったように、ものを「買って所有する」のではなく「使いたいときに一定の期間で所有する」も普通にならないだろうか。
前職でものを買ってもらうためにセールを行い、売上を伸ばすために在庫を作るという負の循環に悩まされた経験のある私は、いつしかそんなことを考えるようになりました。
たとえばダウンジャケットのように半年だけ使えればいいというものもあるわけです。1着10〜20万円するような高級なものになると買うのも大変ですし、半年しか着ないというのももったいない。期間限定で必要なときだけ所有するという新たな消費の選択肢があってもいいと思うんですよね。
この「0.5次流通」とも言える消費の選択肢をもっと世の中に普及していきたい。新たな消費を自由に発想して、自由な考え方で、たくさんの人たちの当たり前になっていきたい。会社のミッションである「新たな消費のフリースタンダードを創造する」には、そういう思いを込めています。
ポイントは「オペレーション」
時代の流れもあってサステナブルな取り組みに対する意識は高まってきてはいますが、ブランド側からすると、リコマースへの参入はオペレーション的にも非常に面倒ですし、コストもかかります。営利団体である以上、収益性が担保できる見込みがないと参入できません。
eコマースはバリューチェーンがとても長く、商品の撮影、在庫管理、出荷など煩雑なオペレーションも多岐に渡ります。その上リコマースへの参入となると、リユースされた商品は状態も様々になるため、1点ごと管理しなければならなくなります。パートナー会社にお願いしようと思っても、すべての流れをワンストップで提供可能な会社はほぼありません。
リコマース普及のためにはオペレーションの効率化が非常に重要です。そしてこれは前職のSHOPLIST時代から、ファストファッションを扱い続けてきたメンバーを経営層に抱える私たちの得意分野でもあります。
ファストファッションは商品単価が低いので、オペレーションをどこまで効率的にできるかは生命線となります。私たちはすべての生産性を管理して、いかに0.3%、0.5%の利益を捻出できるかを考え続けてきました。
ロジスティクスにかかるコストは1,000円のものも10万円のものも同じです。単価の高い商品を扱うブランドだと、売上に占める割合が小さいので「そんなものだろう」と受け入れているケースも多い。でも高効率なオペレーションを導入できれば売上を積み上げることができるんですよね。
これまで培ってきたノウハウによって、ワンストップでのオペレーションを、高い効率で提供できるようにしたことで、参入いただけるブランドも徐々に増えてきています。
リコマース文化の普及のために
買ったものを自分で終わらせず、次の人に繋げていける社会は理想的だと思う一方で、その道はまだまだ半ばです。消費者と生産者ともに啓蒙していくことも非常に重要ですし、下取りの仕組み、安心してものを買える環境づくり、破損した商品のリペアなどなど取り組まなければならないことはたくさんあります。新しい消費のフリースタンダードを創造するため、引き続き邁進していきますので、これからも応援よろしくお願いいたします。
■Free Standardについて
Free Standardは、ブランド、メーカーが自社リコマースを立ち上げることを支援するサービス『Retailor(リテーラー)』を提供しています。リコマースを本格的に立ち上げる上で必要なスキームの設計からオペレーションの運営に至るまで、シンプルでローリスクな形で実現可能です。
事例も豊富にございますので、お気軽にお問い合わせください。
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