Autumn song
9月29日(日)
群馬の空は曇り模様だった。どこまでも同じように重たい雲が重なり、時折雨が降ったり止んだりしていた。明け方はわずかに窓を開けたままだったので、寝室にひんやりした風が通り思わず毛布に包まった。隣に寝ていた6歳の息子も猫のように丸くなっていて、これはいかんと慌てて同じ毛布に包み込むようにして小さな身体を温めた。そんな肌寒い朝、秋の気配を感じて私は嬉しく思った。
私はどちらかと言えば冷えた空気や長い雨音、静かにするほうが好きだ。こころが暗くなってしまうような天気にほど安心を感じたりする。それは根っからの根暗だからなのかもしれないし、雨の日はみんなに対して「平等」な感じがするからだ。どの人もみんな少し浮かない顔をしていたり、出掛けられずに退屈そうにして、そんな中で自分の気分が多少落ちていようとも「まぁそんなものか」と言えたりするのが良い。
あの夏の光は私にとって眩しすぎるから、秋の始まりはいつも良い。
そんな曇り空の日曜日だったので今日は家族3人、ショッピングモールに出かけたり、バッティングセンターに出かけたり、ゲームセンターに行ったり、カフェでご飯を食べたり、町のお祭りに出掛けたりした。ずっと遊んでいた気がする。
ゲームセンターでやってみた遊びの途中、山ほど「トミカ」が取れて息子は大興奮だった。数えてみたら14個のトミカだった。雪崩のように落ちてくる瞬間は大人でも興奮する見栄えが合った。3人でよく笑った。その「トミカ」を走らせたり、競争させたり、並べたりして沢山遊んだ。
その間に思ったのは
こんな風に息子が私たちと遊んでくれるのは多くてあと3.4年だろう。ということ。それから先はきっと友達との時間が彼を作っていく。それはとても寂しくて、嬉しいことだねって、私が私に言い聞かせていた。こうして私にとって大切な日曜日が今日も終わっていく。こうして季節が進んでいく。何もないように見える一日が実は1番、平和でありがたいものなのだろう。
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