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レイとわたし


私には4歳の息子がいる。名前はレイ。
レイは今日、4歳最後のいちにちを過ごした。そして明日、5歳の誕生日を迎える。

そんな特別な時にはどうか「喜んで欲しい」と。親心を一心に前夜祭だった。今日は夫婦して仕事の休みをとり、家族旅行に出かけたんだ。

ただまぁ行先、行先、結果は想定外。息子は動物園でも、ホテルでもひたすらに興味が薄く、兎にも角にも親の気合いは三振空回りしたのだった。

たとえば暑い中、動物園で「ペンギンに餌やりしようよ!ペンギン村で!」と息子を誘ったら「また?あそこに戻るの?まだやるのか〜」って残念そうに返されたし。
やっとの思いで予約した恐竜モチーフのホテルも。到着してすぐ「とりあえず早くシールやりたいな〜」と持参した昆虫のシールブックを楽しんでいた。息子にとっては「好きなものが好き」なんだろうね。「興味のないこと」は親がどう足掻いても「興味ない」だった。無念。

まぁこれが子供なのか?はたまた、彼の良さなのか?って。「それはそれ、これはこれ」のバリエーション理解が大事だなって。母は自分に言い聞かせたよ。
「好きなこと」とか「自分の個性」ってだんだん大人になるほど崩れていく。長所は引き出しにしまわれ、奥の奥で気まずそうにしちゃったり。反対に見せかけだけ上手くなっていく。そうやって「自分」を崩していくし、好きがつまらなくなったりもするから。
彼はそのまま忖度なく育っても面白い人になりそうだなと。博士系?って、ことで脳内理解。
まぁ母は、疲れちゃったけどね。
ただ、やっぱりあとから振り返れるとき。親の空回りほど、面白いことはないじゃん。大変だったことほど、懐かしいよな。珍しい動物なんかよりもシールが好きな息子が、私の息子だよね。って。笑うことにした。

話は逸れたけど。そんな訳で今日が誕生日旅行のお出かけだと知って。動物園に向かうまでの車内。私とレイは最近、流行っている「インタビューごっこ」をしたんだ。

「5歳になったら何がしたいですか?」と母。「スイミング!」息子。

「好きな場所はどこですか?」と聞くと、
「ジョイフルホンダ!」と息子。

「好きなバンドは何ですか?」と聞くと、
「ゴールデンボンバーと、オーラル!」

「大人になったらどんなお仕事したい?」
「保育園の先生!」

「5歳になって頑張りたいことは?」
「絵を描くこと〜」


そして、最後に一つ。
「4歳は今日で最後だね。
4歳のれいくんはどうでしたか?」と聞くと



「楽しかった」



と。もうそれだけで、母は胸がいっぱいになった。その言葉が聞けて、何よりも嬉しかった。



レイはこの一年で、ズルを覚えたり、反抗を覚えたり、嘘を覚えたり、YouTubeにいろいろ教わって、母を傷つけたり、友と喧嘩をしたり。かと思えば、忖度はしなくて、人の心を知っていて、素直で、誰よりも幸せをよく知っている。誰よりも、幸せを教えてくれる子供だった。そう思います。

今日までのレイにありがとう。
明日からも母も、頑張ります。
旅行先からは以上です。
グッナイ。

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