見出し画像

伝えられる言葉がある幸せ~ドラマ「silent」感想~

あけましておめでとうございます。今年はnoteでの活動を昨年以上に大切に取り組んでいきたいなあ、と思っています。今年もどうぞよろしくお願いします。

新年最初の投稿は、昨年出会うことができた印象深いドラマについて感想をまとめてみることにします。

毎シーズン、見るドラマをストーリーへの興味ではなく出演俳優さんで選んでいるわたし。
昨年も夜の一時間を充実させてくれる素敵なドラマにたくさん出会えましたが、中でも毎話毎話、楽しみで仕方なくて、わたしの感情を大きく揺さぶってくれた「何度でも観たいナンバーワン」を挙げるとすれば、木曜22時に放送されていた「silent」です。

あらすじ
ある日駅で偶然に再会した青羽紬(川口春奈)と佐倉想(目黒蓮)。高校時代に付き合っていた二人は、紬がイヤホンを落としたことをきっかけに再び会うようになる。想の耳が聴こえなくなってしまっていたことを知った紬は、手話教室に通いながら想とコミュニケーションを取り、歩み寄っていくが、想は変わってしまった自分が紬と一緒にいることについて思い悩む。

初回を見たとき、なんて美しいドラマなんだろう、という感想を第一に抱きました。
全体に流れる空気感に惹き込まれ、気付けば画面に身を乗り出して見ている自分がいました。

冬の早朝にしんしんと雪が降り続いていくような、あるいは広い野原で草花がそっと揺れているような。そんな静かで美しくて優しい映像が、紬ちゃんと想くん、彼らを取り巻く家族や友人達の言葉と一緒に、わたしの胸の奥まですっと染み込んでくる、そんなドラマでした。

official髭男dismが歌う主題歌、「Subtitle」もとても綺麗な曲。毎回、曲が流れるタイミングで胸がいっぱいになりました。

わたしの一番印象に残っている「Subtitle」シーンは、湊斗くん(鈴鹿央士)がLINEで送った「想!」のメッセージに気付き、笑顔で振り返る想くん。(何話だったかは忘れてしまいましたが……。)
親友の声がちゃんと聴こえていた高校生の頃と変わらない、嬉しそうな想くんの笑顔が見られたのがわたしも嬉しくて、泣いてしまいそうになりました。

想くんと紬ちゃんの、お互いを大切に想い合う関係ももちろん素晴らしいのですが、わたしの心には、戸川湊斗くんの存在が一番心に刻まれています。

高校時代には想くんの親友で、紬ちゃんに片想いをしていた湊斗くん。
想くんが何も告げずに紬ちゃんのもとを去った後で湊斗くんは紬ちゃんと付き合い始めますが、紬ちゃんと想くんが再会した後、自分から紬ちゃんに別れを告げるのです。

二人がお別れしてしまう回は、まるでわたし自身が湊斗くんにフラれたかのように「嫌だ」「別れないで〜」と画面に向かって訴えてしまいました。紬ちゃんを「ぽわぽわさせる」湊斗くんの纏う柔らかい空気と笑顔の優しさに、わたしはすっかり惚れてしまったのでした。

大好きな人の幸せを願うからこそ、大好きな人の隣を手放した湊斗くんは、どこまでも優しくて、自分よりも他人を大切に想える人。このドラマの主人公は紬ちゃんと想くんですが、優しい笑顔で二人を見守り続けた湊斗くんがいたからこそ、二人は大切なことを見失わず、もう一度お互いを見つめることができたのだと思います。

名前を呼んだら振り返ってくれること、
大好きな人の声が聴けること、
大好きな音楽が聴けること。

全部わたしにとっては当たり前で、でもそれがどれほど幸せなことなのか。気付かないままたくさんのワガママを言ってしまっている自分に気付けてよかった。

覚えたての手話を使って懸命に伝えようとする紬ちゃんの姿を毎週見ていて、「わたしはこんなに一生懸命、誰かに言葉を伝えようとしているだろうか、」と何度も考えさせられました。

伝えられる自由、聞こえる贅沢を、わたしは無駄にしているのではないか。そう思えて、「もっとたくさん伝えよう」と決意しました。拙くてもいい。間違えてもいい。せっかく使えるこの言葉を、文章だけじゃなく自分の声で、大切な人達にもっともっと伝えよう。そう思わせてくれるドラマでした。

今まで注目していなかった素敵な俳優さんを知ることができたり、笑ったり泣いたりと心を動かしてくれたり、忘れかけていたことを思い出させてくれたり。ドラマを見るようになってよかったなと思うのは、得られるものがすごくたくさんあるからです。

一人でいても、笑ったり、泣いたり、画面越しの誰かを応援したりできる。学生の頃はあまり触れてこなかったドラマはいつの間にか、わたしにとって大切な娯楽の一つとなっています。

今年も素敵なドラマにたくさん出会えますように!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?