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起業で成功するのは○○で決まる。

今回はワークスアプリケーションズ創設者の牧野正幸氏が「成功するキャリア」について語った様子をまとめます。


20代は成長、30代は成果、40代は?| 牧野正幸


ベンチャーにおける人材採用の重要性

ワークスアプリケーションズという会社の時に一番最重要視していたのは人材だったんです。

そうじゃないと新しいエリアで新規事業を生み出すのは無理があるので。

ワークスっていうのは実は日本で一番有名だったのは製品ではなく、インターンで有名だったんです。

学生のインターンシップを1か月間受け入れて実務を模した実務じゃないことをやらせてたんですね。年間に2000~3000人受け入れてたんですよ。

それでインターン専門のビルを借りて、それぐらいインターンに力を入れてた。そうするとワークスに就職する気なんかまったくないよっていう人たちでも給与を払ってたんですよ。

つまりは勉強して給与をもらえる状況だったんです。

それは夏休み1か月を確保するんで、彼らは大体夏休みの間にバイトしてどっか旅行に行きたいとかもあるんでその期間の間は確保する代わりにお金をあげますという形でやっていて。

そうすると日本中の大学生で「俺様」みたいなのがいっぱい来るんですよ(笑)

こんな会社には就職する気まったくないけれども優秀な先輩たちがお金も貰えるからいいぞって言ってたから、そんな難しいなら俺もやってやろうていう人たちが集まってきて。

多分日本で一番有名なインターンだったのは間違いじゃないと思うんですけど。


そうするとそこで集まってくる日本でトップクラスの大学生。

しかもその中から問題解決型の人材っていうことで勉強ができるだけじゃない、自分でものを考えられるタイプの人材を1か月の間に選抜していくんです。

それで実は毎年上位に2割に対しては「いつでも入社してかまいません」というパスを発行してたんです。「何なら今すぐにでもいいし」「大学卒業しなくてもいい」「どっかに就職してからでもいいし」「大学院出てからでもいいし」もう好きにやってくださいといつでもこのパスがあれば「はい、私入社します」って言ったら入社できるという事をやってた。

これが結構すごかったんですが。


日本と世界のエリートの圧倒的な実力の違い

何が驚愕したかというと実は同じことを中国とインドでやったんです。

要は中国とインドで同じ制度でインターンを集めてやったんです。そのインターン生とグローバルで戦わせたんですね。

日本のトップの奴は世界の中でいうと50位に入れない。

1~10位の8割は中国人。

2割がインド人。

そこから中国人とインド人が入り混じってその下に日本人のトップがやってくる。

これは言語の問題ではないんです。全部言語抜きでやらせたんで。

これはすごい差だなと...

正直言ってこんなんだったら勝てるわけないと。

ましてやインドの方なんてその優秀な層はみんなGAFAに行っちゃうわけですよね。アメリカにわたって。

中国の方も中国の優秀な企業に。

こりゃこの人たちがベンチャー起こしたら勝ち目ないよねって。


実際それもあって実はもう言語関係ないから「中国人とインド人ばっかりとるぞ!」って言って中国人とインド人ばっか採用したんですよ。

またそれがすごい優秀なんですよ。

まあ言語の問題は若干あるものの特に中国の人なんかはほんとに優秀で、もう活躍しまくるんですよ。

それが実はものすごく感じてたので(販売はともかく難しさはありますけど)採用は海外を見据えてどんどん取らないと。日本だけでとってたらもう勝てない。

っていうのを1つ感じたんですね。


日本の大学生は勉強してない

学生の数だけでいうと中国で同じ時期に学生で卒業してくる人の数って1000何百万人なんですよ。それで日本は60何万人ですから。

25倍違うんですよね。

インドでさえ300万人なんでいんどでも日本の5倍いるんですよ。

(母数が違うから優秀な人材の数も変わってくる)

だからそこでまず違うのと、もう1つ大きな違いは。

日本の大学生は勉強してない

無駄に過ごしてるんですよ。

4年間を。

だからそこがもったいないなっていうのがすごいあって。

中国の北京大学とかの優秀な学生を集めていた時に彼らと議論してて、

学生時代に昔の華僑制度(中国国籍を持ったまま海外に居住するひとたち)からきてるんですごい勉強しないと高校のエリートにはなれないし、いい大学にも入れないからめちゃくちゃ勉強してたんだって話をしてて、

「じゃあ今までで一番人生で勉強したのは大学受験の時?中学受験の時?」って聞いたら

「いやそれは大学に入ってからですよ」

ってそっちのほうがよっぽど勉強しないとならないんで毎日毎日ずっと勉強してたと。働いた時に役に立つようなことをうんと勉強しないと。って

だから就職の予備軍なんですね


「大学」という昭和型ビジネス

ところがその話を中央教育審議会にしたときに全員からの反発があったのは、「大学っていうのは、研究する場所なんだ」

いや研究する場所なんだって本当に思ってる人なんか本当にいます?

それって大学院生だけじゃないですか?

大学生はそんなことないでしょ。明らかに就職するためにみんな行ってるんだからって。

だからこの差がやっぱりあるんじゃないですかね。


ベンチャーの成長に最も必要なのは人材

ポイントになってるなと思ってるのが、日本のベンチャーが成長するために一番大きな問題としてやはり人材が足りてないんですよ。

何か新しいことをやろうと思ったら、慣れてきた旧来型のビジネスをやっている間はキャリアを積んでいるので社員ができますけど。

じゃあ新しいことキャリアのあるやつがういきなり人材が足りてないんです。

やっぱりそこには地頭がいい優秀な奴らが必要なんですけど、多くなってきたとはいえそういう人っていうのはみんな大企業に流れていくんです。

これはもうしょうがないんですよ。

だって選びようがないからベンチャーってどれがいいのか?みたいな議論になっちゃうんで。

だからそれよりも僕は今多くのベンチャー企業に言ってるのは「勝敗は人材で決まる」と、これはアメリカだったらお金払ったらをたくさん集められるじゃないですか?キャリアのあるやつを。

でみんなキャリアのある人材を取りたいんですよ。でも今IT系の人材なんていうのはバグってますからキャリア人材とろうなんて思ったらとんでもない世界なんですよ。

しかも人が動き辛い。

それだったら私は新卒もしくは経験がない第2新卒の人たちでITに乗り遅れた文系の人たちっていっぱいいるんですね。その中にもITの素養がある人は山ほどいるんで、そういうところからとにかく積極的に採用にお金をかけて人材を取るべきだ。と


営業と同じくらい採用に力を入れる

とにかく僕は営業部門とリクルーティング部門は同じくらい規模があってもいいんじゃないかと思うくらい。

ちなみにワークスの時は営業部門150人くらいだったんですけどリクルーティング部門は100人いました。

それぐらい、そのおかげで優秀な人材を取れて。結果いま人財排出業になっちゃってますけど(笑)

まあ、昔のリクルートみたいにですね。それはそれでいいことだと思うんです。多くの人がベンチャー企業を自分たちで作りましたし。

多くの企業に私がずっと話しているのはとにかく採用に全部力を入れるべきだ。

という風に言っています。


優秀な人材が大企業でダメになる。

大企業に入って10年、15年たつと能力が落ちてる落ちてないとかではなく少なくともそこから脱却できない。

仕事のやり方も組織の力をうまく使うやり方になって個人の力で何とかしようっていうやり方じゃないんで

その仕事のやり方で自分でベンチャー作ったらうまくいくわけないじゃないですか。組織の力がないんで。

それがうまく出来ていて多くの専門家が専門的な部門がある中でそのリソースをうまく使っていくのが大企業で成果を出す最大の方法論なんですけど。

それがベンチャーだったら自分で会社作ったらそんなものがないので、そうなった瞬間にうまくできないんですよ。


20代にどう働くかでその後の人生が決まる。

うまく組織力を使えるようになる30歳を超えるとだんだん厳しくなるんですよ。とくに30後半くらいになると。

もう一つのポイントは

20代のうちに「問題を自分で解決する仕事の在り方」と「組織の力と知恵を使って解決するやり方」どっちで過ごすかによってそのあとのキャリアが変わっちゃうんですよね

だからどんなに地頭が良くても、地頭がよければいいほど20代のときにベンチャー系で自分で何でもやらざるを得ない。自分でその代わり0からやるしかないっていう状況で育った人っていうのは

絶えず0からものを考えられるんです。

なんで環境の変化に強いんです。

ところが組織の力が強いところで20代を過ごしてしまうといかに組織力を使うかっていうほうに能力を使っちゃうので、そうすると30歳越えてからスピンアウト(企業が特定の部門を分離して新会社として独立させること)してもまた0から始めないといけないんで

だから転身しづらいんだと思うんですよ。

大規模な企業にいる場合には30代前半くらいまでには転身しておかないと

でもまたそこからある意味もちろん組織をうまく使うっていう能力はついてるんですよ、ただ組織をうまく使える部門、会社って規模がもう大きい会社じゃないと使えないんで

だからそれだけにもう1回0からやると、その人は20代やり直しになっちゃうんですよ。


最近の大学生の大企業志向について

自分のポジションっていう意味でいうと学歴ポジションと同じように最初のポジションを高く持ちたいっていうのはわかります。

ただいまの日本のベンチャー企業に求めている人ってのはそういうタイプの人を求めてないですよね。

私自身が本当に採用するんだったらベンチャー系でそこそこメジャーなベンチャー系が安心感がある。

結局それだったら0からやった経験があるんですねってことで安心してとれる。っていうのはあるんで

多分今後はそうなっていくんじゃないかと思うんですよね。


20代はとにかく自己成長のために励むべき

20代はとにかく自分の都合のいい...その都合てのはタイプ2つありますけど。

会社の中に入るといいプロジェクトに入りたいってのは多いんですよね。華々しくていいから。あと仕事でも一番うまくいきそうな仕事に就きたがる。

一方でそれだと成長することができない。なぜならそこには優秀な先輩とかもいっぱいいるんで彼らがリードしますからその駒働きなんですよ。

ろくでもないプロジェクトなんていっぱいあるんですよ。

入った瞬間に破裂してるみたいな。

そういうところに僕は大チャンスだと思って飛び込んでいったんです。

これって失敗したときにまったく怒られないですから、なんせもう最初から終わってるんで。(笑)

そのうえにぐちゃぐちゃなプログラムで優秀な先輩たちも疲弊してるから「もうどうでもいいから勝手にやってくれ」みたいになってるんでもう自由にできるんですよ。

そういう「苦労を買え」ってよく言いますけど、これ苦労って給与で買えるんですよ。もらったうえで買えるんでものすごくラッキーなんで次から次へとトラブル系のものばっかりやってました。


30ぐらいからは成果を見せていかないと会社のなかだったら評価されないです。

20代は評価なんて正直どうでもいいです。

それよりも30代でやっと自分の力が身に付いてきたときに成果であらわさないとダメなんで。



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