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ベンゾジアゼピンの減薬方法_24_考え過ぎや精神的ストレスで症状が悪化する時
(この記事は、私の経験とそれに基づく個人的な考えについて書いています。一口にベンゾジアゼピンの離脱症状や減薬と言っても、人によって経験する内容は異なりますし、物事の受け止め方も異なります。それぞれの状況によって必要な情報も異なります。減薬される方お一人お一人がご自身について考えるための参考としてご覧いただけましたら幸いです。)
この記事では、ベンゾジアゼピン減薬時の不眠の原因のうち、⑥「ベンゾジアゼピンの離脱症状や、それによって起こった環境の変化、減薬がうまくいかない事などについて色々と考えたり、それらに伴って様々な感情を感じるなどの精神的なストレスが原因で不眠になっている場合」について書きたいと思います。
ベンゾジアゼピンの離脱症状自体が離脱症状の悪化因子になることに関しては別の記事に書きましたが、ここでは主に精神的なストレスが原因で眠れなくなるという点に関してです。
ベンゾジアゼピンの離脱症状はとても苦痛のあるものですし、予測が難しく、いつ治まるのかも分からないものです。ベンゾジアゼピンの離脱症状以外の病気であれ、人は何かの症状があるとそれ自体の不快感によるストレスも感じますし、いつまで続くんだろう、ちゃんと治るのかな・・などと様々な考えに伴って不安な感情やストレスを感じる事があると思います。ベンゾジアゼピン離脱症候群は医療関係者から治療方法や見通しについて説明してもらう事すらできない場合も多く、そのストレスは、治療法が存在していて説明が得られる他の一般的な病気の程度をはるかに超えるものになります。
これらに加えてさらに、不安などのネガティブな感情そのものが離脱症状として起こってきますし、症状や環境の変化から生じる精神的ストレスも普段よりも感じやすい状態であると思われます。
減薬中にはさらに、強い離脱症状が出たらどうしよう、ちゃんと断薬できるだろうか?と考えて何かと不安になりますし、自分で調剤する場合には、自分で調剤方法を考え、毎日欠かさず何百日、何千日と調剤し続けなければならないというプレッシャーが加わることになり、さらに精神状態が悪化します。
これらの相乗効果によって、他の疾患における精神的なストレスの何倍ものストレスを感じられておられる方も多いと思いますし、それが睡眠やその他の離脱症状に影響している方もいらっしゃると思います。
これについては、今に集中して過去や未来についてあまり考え過ぎないようにすることも大切かもしれませんが、減薬が上手くいかない時、不眠の症状で眠れない夜などにはなかなか難しいことも多いと思います。
私自身、減薬中のみならず現在も、今に集中して無駄に考えないようにすることにチャレンジしていますが、以前よりはできるようになったものの、達成できているとは言えません。
また、自分で調剤して減薬する場合には、ある程度ベンゾジアゼピンの離脱症状や減薬方法について理解し、自分に合った減薬方法を見つけていくことが不可欠になりますので、本当に何も考えないわけにもいきません。心身の負担にならない程度に考えられるに越したことはありませんが、なかなか思うようにならないこともあると思います。
そこで今回は、今に集中し切れず、あれこれ考えてしまって眠れなかった私の話をいくつか書いていこうと思います。
自分の症状がベンゾジアゼピンの離脱症状だと気付いた当初、私は、自分に起こっている現象と、それまで自分がベンゾジアゼピンについて持っていた知識との間に、あまりに大きな違いがある事に激しく動揺し、どうして自分に様々な症状が起こっているのかが分からず、なんとか理解しようと頭がグルグルして眠れなくなりました。
他の方のブログを見ていても耳にされた方が多いようでしたが、「ベンゾジアゼピンは安全な薬である」、「ベンゾジアゼピンは簡単な薬である」、「ベンゾジアゼピンに副作用は無い」、「ベンゾジアゼピンに依存性なんてあるわけがない」、「ベンゾジアゼピンは処方される100倍の量を飲んでも大丈夫」、「ベンゾジアゼピンは一生飲んでも問題ない」といった言葉を私は何度も聞いてきました。そしてそれを信じていました。なので、自分に何が起こっているのかが分からなくなってしまったのです。
その後改めてベンゾジアゼピンやその離脱症状についてよく考えてみると、GABA受容体が脳のほぼ全領域に多少なりとも分布していることを考えれば、ほとんどの症状がある程度説明可能であると感じるようになりました。むしろ、ベンゾジアゼピンに副作用が無い理由の方が、論理的には説明不可能だと感じます。
私のブログでは、ベンゾジアゼピンに依存性があることや私自身の症状について、多少の説明を交えながら書かせて頂いています(まだ書けていない症状もあります)。私はかなり多彩な症状が出ているタイプだと思いますので、私の症状の一部と同じような症状を経験していらっしゃる方には、「ベンゾジアゼピンの離脱症状が出るとこんな事が起こり得るんだな、自分だけじゃないんだな」と思って頂けるかもしれません。何が起こっているのか少し分かるだけでも多少落ち着きが得られて眠りやすくなるかもしれません。
ただ、残念ながら私は今もブレインフォグや視覚症状がかなり残っているため、論文などを読む能力がありません。ですので、私が書いているのは主に、予め私が持っていた知識と、減薬を進める中でかろうじて得られた情報に基づく推論であり、私なりの解釈になっています。もっと正確性が高いのは、論文そのものや論文に基づいて書かれている情報だと思いますので、私のブログだけではなく、様々な情報を見て頂いて、自分なりに理解を深めて頂けたらと思います。
ただし、論文になっているからといって、そこに書かれていることが必ずしも全て正しいわけではありません。「副作用など存在しない」と言われていたお薬ですから、研究が尽くされていて全ての現象や仕組みが明らかになっているわけではないと思います。ですので、このブログを含め、どの情報も過剰に信じ込んでしまうことには注意された方が良いと思います。
もう一つ、私がグルグル考えて眠れなくなった理由は、ベンゾジアゼピンが症状の原因だと分かったにも関わらず、その止め方が分からないということでした。
私の周囲には一気断薬を勧める人がたくさんいました。徐々に減薬する話をするとあからさまに馬鹿にする人達もいました。そんな中、一気断薬をできるような状況では無いことを説明すると、有難いことに、私のためにわざわざ考えてくれたり調べてくれる人もいたのですが・・3日かけて徐々に中止する方法、1/4錠ずつ減らす方法など色々な事をせっかく教えてもらったにもかかわらず・・いずれも10%の減薬で寝たきりになった私の状態を考えると、その方法では体がもたないという事だけが分かるばかりで、非常に焦りました。
0.1%/日の減薬で寝たきりになった時には、もう私は一生ベンゾジアゼピンを止めることができなくて、このまま症状が悪くなっていく一方なんじゃないかと思って非常に落ち込みましたし、自分の状況に合う情報がまったく見つけられず、ものすごい危機感を感じました。
いろいろと調べてから慎重に減薬を始められる方もいらっしゃると思いますが、私は重い離脱症状が出て初めてベンゾジアゼピンの依存性に気付き、様々な症状が続く中で、減薬しながら色々と学んでいく状態になりましたので、減薬方法に関しては本当に暗中模索という感じでした。まるで、両脚を骨折した状態で、地図も持たずに森の中に放り込まれて、自力で脱出しろと言われているかのようでした。
幸いにも、減薬方法を調べてくれたり一緒に考えてくれる人達に恵まれたおかげで、マイクロピペットを使って0.01%単位で調節できる減薬方法を見出すことができ、結果的には断薬することができましたが、減薬を始めた頃の私は非常に厳しい精神状態が続いていました。
外から得る情報として最も必要なのはこの減薬方法になると思いますので、このブログも、まずは減薬する際の調剤の具体的な方法から書き始めることにしました。
私が考え得る限り最も少量ずつゆっくり減薬できる方法になっていると思いますので、特に、少し減薬しただけでも重い症状が出てしまって、他で紹介されている方法に行き詰って困っておられる方のお役に立てる部分があるかもしれないと思っています。
主に初めの方の記事に具体的な調剤方法を書いていますので、もし宜しければ減薬の参考にしていただければと思います。
このように、情報を調べることである程度解決できる部分もあるのですが、私自身、離脱症状が強く出ている時に、論理的な文章を読んで理解したり考えたりする事は不可能でした。
なので、「何でこんな事が起こるんだー!」と自分の症状が理解できなくて苦しくなったり、「どうやったらこの薬が減らせるんだー!」と悩んで眠れないような時には、少し情報を見て理解して落ち着く方向に行動してみて、一方、読むと疲れてしまって体調が悪くなるというような時には、むしろ読まないようにして頭や体を休める方向に舵を切るような感じで、自分の体調と相談しながら向き合っていくのが良いと思います。
さて、ここまで、情報を得ることが何らかの解決につながる可能性のある問題について書いてきましたが、減薬中は外から情報を得るだけではどうにもならない苦しさに直面する機会も多いのではないかと思います。
そこで次の記事では、自分自身の感情や観念そのものに向き合うことについて書いていこうと思います。