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【詩】核となるもの

「待って。ねえ、置いていかないでよ。」
「僕も連れて行ってよ。ねえ、僕はここからどうやって動いたらいいの」
「ねえ、だれか、おしえてよ」
 
他人の言葉を聞き、動きを見て、焦りを感じる。
 
一体自分は何をしているんだろう。
もっと動きたいのに。
動き方が、わからない。
 
 
ふと、重さを感じて手放した。
これで動けると思ったけれど、今度は動き方が分からなくなった。
 
手放したものは、今まで自分が大切にしていたもの。
それが有ったから、生きてこられたのに。
 
 
焦りを感じる。
何かがおかしい、今までと何かが違う。
でも、それが何なのか分からない。
 
生き辛さを感じる。
前はあんなにも楽しんで出来ていたのに、歳を重ねただけでは無い、何かがある様に感じる。
 
 
あれ、この人こんな顔だったっけ。
シワやシミだけでは無くて、何か根本から変わってしまった様に感じる。
 
ここに居たくない。
大好きな場所だったのに。
空気が綺麗で、ここに居るだけで幸せになれたのに。
 
 
疲れ果てて立ち止まった時に、鏡が見えた。
自分が全く知らない人間の様に見えた。
 
一体、今まで自分は何をしていたのだろうか。
手放したあの瞬間から、全てが変わってしまっていた。
 
 
手放したもの。
それは「核」だ。
 
自分の支えとなるもの。指標となるもの。
 
それは時に、とてつもなく重く感じる。
だが、それがあるから、自分らしく生きていく事が出来る。
 
 
今、この世界で、自分らしく生きていく為に。
本当に必要なものは、そう多くないのかもしれない。
 
自分らしく生きたい、変わりたい、成長したい。
 
その為には、まず「核」を大切にする事。
 
 
貴方にとっての「核」とは?

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タマラ rawi 晃佑
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