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オリジナル小説

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SF多めです。
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#掌編小説

はらつづみ【掌編小説】

 秋の終わりの、霧雨がけぶるように降る朝。  傘をさすべきか迷いながらも結局、一度もささ…

190

ラビリンス【掌編小説:カラスver】

 小さな息子は、ひとりぼっちで泣いているに違いない。  早く帰ってあげないと、と気持ちは…

53

彼女と僕は、まじわらない【ショートショート】

「先にお飲み物お伺いしましょうか」  お冷を置きながら、そう尋ねてきた店員さんに、ナズナ…

78

夜に啼く【超短編小説#夏ピリカ応募】

 山深きに小さな村がありました。  村のはずれに湖がありまして、季節には赤い花が湖のほと…

115

春空とタコ焼き【#ひと色展〜Horizonblue】

 葉桜の向こうに漂う、沁みるような水色。  この時期になると思い出す。  彼は「ソラ」と…

81

盲目【短編小説/ #うたスト】

 放課後、tiktokの画面を確認する。自撮り動画のイイねが20k越えた。  鞄を抱えたユズが近づ…

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勝利する瞬間【掌編・スピンオフ】

 金城樹貴(きんじょうたつき)の葬儀からニ年後。  病院の待合室で、一人の男の子がソファに座り、彼のマスターを待っていた。ここは一般の患者ではなく、特別な検査が必要な患者専用の待合室だ。男の子はロボットだったが、見た目で人間の子供と判別するのは難しい。  しばらくすると、彼は立ち上がり、ドアを開けて出てきた女性のところへと歩み寄った。黒い服を纏った女性は、彼の頭に手を置いて優しく撫でると、おかしそうに笑い出した。子供はきょとんとしている。彼女はなおも笑いながら 「ふっふふ…

OTM【掌編小説】

「スッケスケだな」「確かに」「カッチカチやな」「確かに」  俺とT郎は、小洒落たカフェのテ…

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灯り【掌編小説】

 びゅうびゅうと荒れ狂う雪嵐の中。視界は360°オール真っ白。おれは両手で体を抱きしめるよ…

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広岡メアリー【#2000字ドラマ】

「俺が高校卒業すれば……って問題じゃないんだよ、ね」 「うん……ごめん」  十二月二十日。…

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