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オリジナル小説

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記事一覧

おばさんと電車と死体【リレー小説/⑯ : 終】

第⑮話はこちら  カフェ・アリスの厨房の近くの床に、ダンボールがうずたかく積まれている。…

闇夜のカラス
10か月前
29

おばさんと電車と死体【リレー小説/⑮】

第⑭話はこちら  ぼくは立ち上がって、騒ぎが起きている方向を眺めた。  ぼくと同じように…

闇夜のカラス
10か月前
26

おばさんと電車と死体【リレー小説/⑭】

第⑬話はこちら  井上吐夢は突然、音もなく地面に吸い込まれた。CATはとっさに手を伸ばした…

闇夜のカラス
10か月前
32

おばさんと電車と死体【リレー小説/⑬】

第⑫話はこちら  色とりどりの紙吹雪がきらめきながら舞っている。  飾り立てた巨大な山車…

闇夜のカラス
10か月前
38

おばさんと電車と死体【リレー小説/⑫】

第⑪話はこちら  尻の下の、椅子の固い感触はいつの間にか消え失せて、ぼくはなすすべなく、…

闇夜のカラス
10か月前
36

おばさんと電車と死体【リレー小説/⑪】

第⑩話はこちら  CATの頭をみておばさんは歓声をあげた。 「わっ!なにその黒猫頭、かっこい…

闇夜のカラス
10か月前
34

おばさんと電車と死体【リレー小説/⑩】

第⑨話はこちら  先ほどと同じ場所で、中嶋とおばさんは向かい合った。おばさんはまた尋ねた。 「どうする?」  中嶋は肩をすくめて質問で返した。 「どうすりゃいいと思う?……最近ますます、死を実感しにくくなってんだよ、困ったことに。腹を刺される程度じゃ全然ダメ、首吊りもダメ、水で溺れてもダメ。やられた瞬間はいけたかな、と思うんだけど、やっぱダメなんだよなあ。死にすぎたのかな」  おばさんは首を傾げて、軽く息をはいた。 「慣れもあるかもしれないけど、性格の問題なんじゃない。マイ

おばさんと電車と死体【リレー小説/⑨】

第⑧話はこちら  数十分後。  ぼくとCATはホテルを出ると、パラソルのところまでゆっくり…

闇夜のカラス
10か月前
29

おばさんと電車と死体【リレー小説/⑧】

 ぼくは、刃渡り20センチほどの赤く染まったナイフから目が離せない。ナイフを持って目の前に…

闇夜のカラス
10か月前
29

順番にリレーをまとめ「おばさんと電車と死体」

秋さんの主催するリレー小説企画に参加しています。 #電車にゆられて こちらに「おばさんと…

闇夜のカラス
11か月前
40

おばさんと電車と死体【リレー小説/③】

 ひよこ初心者さまの第②話はこちら↑  ぼくはおばさんの服の胸元、返り血が描いたまだら模…

闇夜のカラス
11か月前
43

おばさんと電車と死体【リレー小説/①】

 大昔の殺人事件の物語みたいだ。  一両編成の電車の車内に横たわる男の死体。窓の外の景色…

闇夜のカラス
11か月前
55

フライングパン屋【ウミネコ文庫応募/おはなし】

とある町がありました。町のひとびとは、まずまず楽しくすこやかにくらしておりました。という…

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恋愛小説家【短編小説/ネムキ】

「……れんあい」  と、ぼくはオウム返しに言った。  ノートパソコンの液晶モニターの向こうで、担当の佐々木さんが頷いた。そして、はげますように「音無さん、ある意味でこれはチャンスですよ。実際に行動すれば絶対になにか発見があります。やっぱりねえ、ものごとって何でもそうですけど変わるには挑戦が必要ですよ。いうでしょピンチはチャンスって。いいモノ書けたら『孤高のハードボイルド作家、溝の口譲はじめての恋愛小説』って文藝夏冬に入れますよ。ね、短編いっぽんお願いします」といった。  ど