おばさんと電車と死体【リレー小説/⑩】
第⑨話はこちら
先ほどと同じ場所で、中嶋とおばさんは向かい合った。おばさんはまた尋ねた。
「どうする?」
中嶋は肩をすくめて質問で返した。
「どうすりゃいいと思う?……最近ますます、死を実感しにくくなってんだよ、困ったことに。腹を刺される程度じゃ全然ダメ、首吊りもダメ、水で溺れてもダメ。やられた瞬間はいけたかな、と思うんだけど、やっぱダメなんだよなあ。死にすぎたのかな」
おばさんは首を傾げて、軽く息をはいた。
「慣れもあるかもしれないけど、性格の問題なんじゃない。マイ