第十二話
穴埋め
我が家では雨戸のことを、戸ぼうを閉める(しまう)という
今夜は障子の向こう側で月夜に照らされ明るい
私は身体の下に組敷いた陶器のような女の顔を見る
触れるとしっとり冷たく心地よい
先頃庭にいた女の名は『万代』
家系の辻褄合わせに貰い受ける
埋める穴などないのだが

いいなと思ったら応援しよう!