「週末のアリス新聞」
そこはね
ピンク色の壁の縦長のビル
近づいて見てもちょっと恥ずかしくなるピンク色
今は雨で黒いシミを流したような年月の跡
淡々と自分たちを生きて来た風情
そうだね
4、5階はあるだろうね
2つの表札
入り口のドアを開けると
すぐ左手に倉庫のような薄暗い部屋
普段、電気のスゥイッチは入らないような
隠れたスペースに、大型のカンヴァスが何重も立て掛けられている
右手のカウンターには店主が立ち
会計などする場所
天井すれすれの棚に隙間なく置かれている
手のひらサイズのから人の背丈ま