第二十六話
縛り曼陀羅②
《ジー‥ワワ‥ ジー‥ワワワ》
うだりかけた夏
私と万代は連れ立つ
「腹は空きませんか」
私は万代に聞いてみた
暑いので要らぬだろうが、水菓子でも
万代は顔を上げて古本屋を指す
なぜか『氷』の垂れが
なんとも
私と万代は顔を見合せて、入り口をくぐる

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