第三十話
縛り曼陀羅⑥
襖障子を開けると曼陀羅布は人の形をなして座している


大体の所ではた結びされた紐を区切りに、丁度良く膨らんでいる
畳の目を手繰ってもぐり込んで来たのだろう
御堂と言う男が新しい硯屏風を持ってきた
「頼んではいないが」
男はまあまあ怪しいが
縁であろう

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