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無花果について思うこと

「無花果」
読めるだろうか。
正解は、「いちじく」。
花が咲かないように見えることからこの字が当てられているとの説もあるが、実際の所は実の中に花を付けるらしい。
が、植物の生態について僕はあまり興味が無いのでここでは割愛する。

子どもの頃はいまいち好きではなかったのだが、妻の好物なのでここ数年秋頃になると甘露煮を作っている。
不思議なもので、自分で作るようになると次第に食べられるようになり、今となっては自分自身の好物にもなっている。

この甘露煮、どうやら東北地方で盛んに食されているらしく、全国的なものではないらしいが実際の所はどうなのだろうか。
「は?知ってるし」という方が多いのか、「見たこともなければ食べたこともない」方がほとんどなのか、興味があるところではある。

当記事では調理工程を紹介するので、いちじくが手に入る方はお試しいただきたい。


【用意するもの】
・いちじく(今回は1kg)
・砂糖(好みにもよるが、僕の場合はいちじくの重量の25%程度。今回は三温糖250g)
・レモン汁(こちらも好みだが、今回は小さじ3杯)

以上、3つだけ。
人によってはレモン汁ではなく酢やリンゴ酢を入れる方もいるようだ。
甘酸っぱい感じになれば良いので、酸味があれば何でもいい。


【工程】
至ってシンプルだが時間がかかるので、僕の場合は仕込みまで終えて火にかけたら洗い物をしつつタブレットで動画を観る。
これが至福の時間。

●いじちくを洗う
これで約1kg。
仙台だとこれで700円~1,000円くらい。
若干キズがあったり見た目が完璧ではないが、生食用ではなく加工用のため安価に手に入る。
砂糖で煮込んでしまうので見た目は気にならない。

比較対象を並べ忘れたため、
このあともサイズ感の分からない写真が続く。
だいたいゴルフボールくらいのサイズ。

●ヘタを切り落とし、下茹でする
ヘタと、明らかに傷んでいる部分を切り落とし、大体2分くらい下茹でし、えぐみを取る。

開口の狭い鍋だと最後に煮詰める(=水分を飛ばす)工程で時間がかかる。
賛否両論ありそうだが、時間短縮のため僕は水分の蒸発が早い、開口の大きなフライパンを使用することが多い。


フライパンは30cm、深型、サーモス。
このフライパンは本当にオススメ。
コーティングが剥がれないこと山の如し。

●ザルに上げ水を切り、再びフライパンへ
ゾッとするような量の砂糖とレモン汁とともに、いちじくをフライパンに戻す。


ゾッとする量の砂糖250g
レモン汁。
計量はセリアで買ったミニ計量カップ。超便利。
見えにくいが、10~50ccの刻みもある。
おびただしい量の糖分にゾッとする。

●煮る
水は入れずに、ひたすら火にかける。
実から水分を出しつつ砂糖が溶けて液状になったら、落とし蓋をし弱火で1時間ほど煮込む。
途中、ターナー等で上下をひっくり返し、まんべんなく火を通す。
基本的には放置でいいので他のキッチン仕事をしつつ、錦鯉・渡辺氏がみりちゃむに罵倒される動画を数本鑑賞。
僕自身は罵倒に対する耐性も性癖も無いが、渡辺氏の姿勢は尊敬に値する。
ド変態すぎて、もはや恰好良さすら感じる。
このシリーズ、何度観たことだろう。


一回り小さいフライパン用の蓋を落とし蓋代わりに。
シナモンに似た甘い香りが漂い始める。

●煮詰める
落とし蓋をしているので過剰に水分が飛ぶことはない。
1時間ほど煮込んで柔らかくなったら、蓋を取り水分量が半分程度になるまで煮詰める。
多少火を強めても良い。


先ほどの砂糖が全て溶け込んでいるので一見ヤバそうだが、
「カロリーは熱に弱い」とサンドウィッチマン伊達氏が言っていたので、
おそらく0キロカロリーだと思う。

●完成
熱々をツマミ食いしつつ、自分の労をねぎらう。

弾力はあるが、箸先で触った感触は梅干しみたいな感じ

それなりに日持ちはすると思われる(経験上、1週間くらいはもつが自己責任で)ので、消毒したタッパーウェアに入れつつ、冷まして冷蔵庫に投入。


これで4~5日程度、妻の機嫌を保てるであろう。

甘く煮込まれた柔らかい果肉とプチプチとした食感のコントラストが良い。
そして、砂糖とレモン汁で煮ただけとは思えないほどに風味が豊かだ。
一部の地域ではご飯に乗せて食べる所もあるとかないとか。
(僕はしないが。)
ヨーグルトに混ぜたりするのもおすすめだ。

東北の秋の味覚。
よろしければ、ぜひお試しを。

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