かなしい気持ち
かなしい気持ちは、おくびょうもの。
意外と 奥に、かくれてる。
襖(ふすま)の陰(かげ)。
壷(つぼ)の奥(おく)。
心の、中の 中の いっちばん中。
ちっちゃくなって、だんご座りになって、
顔を隠して、静かに泣いてる。
「怒り」や「失望」にかくれて、
全然見えなくなってる。
たまーに、
完全に安心安全な場所を作ってあげて、
「今なら大丈夫だよ」
って、そっと手ですくってあげる。
そして、「大きな声で、泣いていいよ」って
囁いてあげる。
そうすると、頷いて、
少しの時間をおいて、
大きな口を開けて、
これでもかというくらい大きな声をあげて、
きれいな涙をいっぱい流して、
泣き始める。
その時に、一緒に泣いてあげる。
そして初めて、自分も、悲しかったことに、気づく。
「悲しかったよね」
「うん、悲しかったね」
ひととおり大泣きした後、悲しい気持ちは、
少し楽になったような顔をして、
また奥に戻っていく。
影に隠れて、
丸くなって、
ホッとした顔で寝始める。
今日も、おつかれさま。
また、頑張ろうね。
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