バンコク旧市街地をゆるく撮り歩いた日、2人は同じ服を着ていた。
タイ > バンコク
ベトナム出身の彼女と初めて会った日、私たちはたまたま似た服装をしていた。約束なしにこんなことある?と大笑いした日から2年。彼女は相変わらず、私のバンコク生活に彩りをもたらしてくれる存在だ。
初対面
彼女との出会いはInstagramだった。バンコク在住、写真が趣味。彼女は日本語を勉強し、私はベトナムに住んだことがある。そんな2人が「写真を撮りに行こう」と意気投合するのに時間はかからなかった。
「どこにいる?私の服装は白シャツにジーンズ、白いスニーカーだよ」
初対面の日、集合場所でメッセージを送る。
すると「私も同じ。白いシャツにジーンズだよ」と返事がきた。
同じ格好?それとも英語の読み間違い?、ふとスマホから目を離した瞬間、同じ服装の女の子と目が合う。
私たちは互いに「本当に同じ服装だね」と大笑いした。
Natthaphon Coconut Ice Cream
まずは腹ごしらえ。王宮周辺に行くと必ず寄りたくなるアイスクリーム屋さん、Natthaphon Coconut Ice Creamへ。
お店はいかにも "昔ながらのアイスクリーム屋さん" といった風貌。テーブルは外の席のみ。周辺は中葡様式の建物で統一されており、王朝の歴史やタイの文化を感じずにはいられない。
私たちが行った日は、定休日だった。
店の前で井戸端会議をしていた店のおばちゃんは、定休日にがっかりする私たちに「テーブルはないけどアイスは売れるよ」と言ってくれた。
南国の暑さでバテた体に染みわたるアイスクリーム。味は、濃厚かつ爽やか。初めて来た日、すっかり心を掴まれた私は、近くに来るたびに寄ってしまう。
国防省とラーチャボピット寺院(ワット・ラーチャボピット)
アイスクリームを食べ終え、国防省・ワット・ラーチャボピット方面へ向かう。
この辺りはワット・プラケオ(エメラルド寺院)はじめ寺院観光がメインになりがちだが、実はその風景に溶け込んでいる洋館や中葡建築も政治の中心地だったことを物語っている。
中でも、私の推しは国防省本部。(夕日が差すとより一層美しい!)
国防省の壁を少し撮ったあと、橋を渡りラーチャボピット寺院《วัดราชบพิธสถิตมหาสีมารามราชวรวิหาร》(ワット・ラーチャボピット)へ。
フランス、ベルサイユ宮殿に影響を受けたこちらの寺院。
敷地の外から見る限り地味な寺院のように感じるが、寺院の門をくぐり中へ進むと、その美しさに息をするのを忘れてしまった。
何度も足を運んでいるが、ゴシック調の装飾が施された本堂、そして天井を彩る美しいシャンデリアはまだ目にしたことがない。もちろん、この日も本堂は開いていなかった。
(※運が良いと見ることができるが、写真NGの可能性あり)
大理石寺院と美しき仏像の秘密
ワット・ラーチャボピットからトゥクトゥク配車アプリを使って大理石寺院(ワット・ベンチャマボピット)へ。
トゥクトゥクのおじさんに「タイに住んでるの?海には遊びに行った?明日は何するの?」と聞かれたので、すかさず友達が「明日は仕事だよおじさん!月曜日は嫌い。遊びに行きたいー!」と仕事中のおじさんに言う。
イタリアの白大理石で造られていることから、外国人からは大理石寺院(Marble temple)とも呼ばれるこちらの寺院。
本堂には、タイで最も美しい仏像と言われるピッサヌロークのプラ・プッタ・チンナラートの模造品が安置されている。
私たちが訪れたのはコロナ渦真っ最中だった。チケットブースは閉鎖、時刻はすでに夕方。本堂を覗くと、僧侶たちが夕方のお勤めの最中であった。
これは!と思い、決してお勤めの邪魔にならないよう、外からその神秘的な空間を覗かせてもらった。