美味しい、幸せ、お母さんの朝ごはん。朝散歩、蓮と遺跡と大きな廟|友達の実家に行ってみた(2) チャイヤプーム県
タイ > イサーン地方 > チャイヤプーム
友達の実家に行ってみた ◇ チャイヤプーム編 1 / 2 / 3 / 4
ー 昨晩はキンキンに冷えた友達の部屋で長袖を着込み布団にくるまった。それを見て「なんで日本人なのに寒いの!」と笑う半袖の友達。朝になり、"あぁ眠れたんだな" とほっとするところから1日は始まった。ー
朝シャワーの後は朝ごはん、長い1日がはじまる
タイ人は最低でも1日2回シャワーを浴びる。エアコンがなかったころの名残りだろうか、朝シャワーを浴びないと不潔、汗臭い、と言われることが多い。
普段は日本人夫とバンコクに住んでいるため、1日1回のシャワーだが、タイ人の家に泊まる時は私も2回浴びる。汗なんてかいてないのに…などと考えず、郷に従うまでだ。
ごはんを食べたら近くを散歩しよう、そしてバイクで旧市街地を通って中華廟に連れて行くよ、と言う友達の話を聞きながら身支度をする。お昼からはお父さんがお寺に連れて行ってくれるそうだ。長い1日がもうすぐ始まる。
私の経験上、タイ人と遊ぶ時は “予定通りに行けばいいし、行かなくてもいい“ としなやかな気持ちを持っておくとより楽しい。後の予定を考えて動くより「今、この瞬間を楽しむ」、に尽きる。
◇
「お母さんはお寺に行ったからいないよ。朝食を食べよう」
お母さんが用意してくれていた朝食を食べながら何度「おいしい」を言っただろう。特にカイパロー(タイ風角煮) は絶品だった。(バンコクに帰った後、そう言えば持って帰ればよかったね、と言われた。遅いよ!笑)
醤油と砂糖(パームシュガー)をベースに、ニンニク、パクチーの根、シナモン、中華系のスパイスを加え、豚肉と卵をじっくりコトコト6時間ほど煮込む。唐辛子の入っていない中華系タイ料理食べやすく、どこか馴染みのある味付けだ。心を掴まれた日本人も多いのではないだろうか。
角煮は口の中でほろほろに解け、味が染みた卵は食べ出すと止まらない。
慣れ親しんだ醤油が口の中に広がると、追ってニンニクとパクチーの香りが「もっと、もっと」と食欲をそそる。
朝散歩、蓮の池
まずは家の周りをスクーターに乗ったり、走ったりしてお散歩。
どこまでも続く広い空、並ぶ一戸建ての家。スクンビットのコンドミニアムとは違う景色を見ながら、田舎出身の私はどこか懐かしい気持ちで満たされていた。きっと彼女を地元に連れて行ったら同じ気持ちになるはずだ。
少し歩くと目の前に蓮の池が現れた。驚いて写真を撮る私を見て友達は笑っていた。彼女にとって当たり前の風景も、私にとって新鮮そのもの。撮らずにはいられない。
道中、クメール遺跡に出会う
家に帰りバイクに乗り換える。目的地は中華廟。私が中華系タイ人や中華廟に興味があることを知ってる友達は、地元の廟に連れて行きたいと言ってくれた。
「乗ってみなよ」とバイクを渡されるも相変わらず上手く運転できない。
東南アジアを愛して病まない私。困ったことにバイクの運転技術は破滅的。いつものポジション運転手の後ろに座り、運転は友達に任せた。
道を走っていると突然クメール遺跡に出会う。
クメール遺跡というとカンボジアの印象が強いが、当時クメール王朝の影響は大きく、タイにも多く遺跡が残っている。ナコーンラーチャシーマー県(通称コラート)のピーマイ歴史公園が有名だ。(アンコールワットと現在のタイ東北部にあった小国家を繋ぐ宗教的な意味合いがあったと言われている)
立派な中華廟。中華系タイコミュニティーの大きさを感じる
チーク材で作られた木造建築が並ぶ旧市街に差し掛かった。
その時不意に「地方都市のほとんどは中華系タイ人(客家・潮州)が街づくりをした」と何かで読んだのを思い出す。きっとここもそうなんだろう、とぼんやり考えながら、タイムスリップしたような気分に浸っていた。
廟に到着した。表には「壇善道明」裏には「楽最善為」と書かれた立派な門をくぐり中へ入る。この地域の中華系慈善団体本拠地のようだ。
友達のお父さんは中華系タイ人だ。
曾祖父母がまず潮州からタイに移り、生活の基盤を固めたのち、子供である祖父も移住してきたそうだ。また、時を同じくして祖母も船で中国から渡ってきたそうで、2人はバンコクのヤワラートで出会い、友達のお父さんもまたヤワラートで育った。
屋外の大仏を拝んだ後は廟内でお参りをする。様々な仏様や仙人が祀られており、中華廟に慣れない私は、装飾の鮮やかさ煌びやかさに少し委縮しながら、友達の後をついて行くだけでいっぱいいっぱいだった。
1階に戻ると彼女は寄付をした。ありがたいことに、私の名前と連名にして。黄色い紙に寄付者の情報を書き、カウンターで寄付金をお渡しする。そして最後にこの紙を棺桶に糊で貼り終了だ。
中華系タイ人の父とタイ人の母を持つ彼女は、タイ文化・中華系タイ文化の中で育ってきた。きっと幼い頃からこの廟に通っていたのだろう。そんなタイ人であり、中華系タイ人としてのアイデンティティを持つ彼女といると、ついあれこれ質問する "面倒くさい友達" になってしまう。
場所:遺跡◆Prang Ku Chaiyaphum
場所:中華廟◆Sawang Khunnatham Foundation
(3)ではタイ寺院に行ったお話を。
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