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【健康食品とエビデンス】:がん予防や病気治療に「驚きの効果」をもたらす食品とは?

健康食品についての知識は、さまざまなところで語られている訳ですが、実際にそのエビデンスが見られる媒体は少なく、そのサイト(記事、ないしは製作者)の信ぴょう性に依存してしまう不便さを感じていました。

そこで、できる限りの健康食品についてその論文(エビデンス)を提示しながら、どのような効果があるのかを紹介していきます。

このサイトを読んで全て理解して頂く必要はなく、自身で実践する際の一歩踏み出すお力添えになったり、大切な人に勧めるときの信ぴょう性の部分を、私が変わりに担保するような形で利用していただけたらと思います。

またこの記事には、わたくし自身のためにもどんどん健康食品を追加していくつもりですので、いいねやフォロー、ブックマークで、いつでも読める形にしておきましょう。


■毎日のコーヒーがもたらす健康への影響

慶應義塾大学薬学部の研究によると、コーヒーの習慣的な摂取は、2型糖尿病、認知症、大腸がん、肝臓がん、脂質異常症、心不全の予防に効果があります。また、アルツハイマー病に対する予防効果も示唆されています。

この研究では、コーヒー消費と2型糖尿病(T2D)の関連性をメンデルランダム化法を用いて調査しました。結果として、遺伝的に予測されるコーヒーの消費量の増加は、2型糖尿病の発生率の減少と関連していることが示されました。また、コーヒー消費は空腹時血糖値(FBG)と食後2時間の血糖値(2h-PG)と逆相関があることが分かりましたが、ヘモグロビンA1c(HbA1c)レベルとの関連は確認されませんでした。この研究の詳細はこちらで確認できます。

✅2型糖尿病のリスクが11%低減

2型糖尿病は、インスリンの分泌や作用が低下し、血糖値が高くなる病気です。肥満や運動不足、高脂肪・高カロリーの食事などがリスク因子となります。2型糖尿病は、心血管疾患や腎臓病、網膜症などの合併症を引き起こす可能性があり、生活の質や寿命に影響を与えます。

例えば、ハーバード公衆衛生大学院の研究では、4年間に渡って、毎日1杯以上増量してコーヒーを摂取した人は、摂取量を変えなかった人に比べて、2型糖尿病のリスクが11%低減されたという結果が出ています。

また、慶應義塾大学薬学部の研究では、コーヒーの習慣的喫飲が、2型糖尿病の発症に関与するインスリン受容体基質1(IRS-1)の分解を促進し、脂肪細胞の分化を抑制することで、肥満の予防にも寄与する。

✅認知症の予防効果

認知症は、記憶力や判断力、言語能力などの認知機能が低下する病気です。アルツハイマー病や脳血管性認知症などが代表的な原因となります。認知症は、高齢者に多く見られる病気ですが、加齢だけが原因ではありません。高血圧や高コレステロール、喫煙などの生活習慣や、遺伝的要因も関係しています。

例えばジョンズ・ホプキンス大学の研究では.カフェインの摂取が、24時間に渡って記憶力を延長する効果があることが示されています。また、

慶應義塾大学薬学部の研究では、コーヒーの習慣的喫飲が、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβの生成を抑制することが明らかになっています。

コーヒーが認知症の予防に効果を示すメカニズムとしては、カフェインやポリフェノールなどの成分が、神経細胞の活性化や神経伝達物質の分泌を促進したり、神経細胞の死や炎症を抑制したりすることが考えられています。

✅大腸癌リスクが32%低減

大腸がんのリスク因子としては、高脂肪・低繊維の食事や肥満、運動不足、喫煙、過度のアルコール摂取などが挙げられます。また、遺伝的要因や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患も関係しています。

コーヒーは、大腸がんの予防に効果があるという研究がいくつか報告されています。例えば、米国国立がん研究所の研究では、1日に4杯以上のコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて、大腸がんのリスクが15%低減されるという結果が出ています。

また、日本の大規模なコホート研究では、1日に3杯以上のコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて、大腸がんのリスクが32%低減されるという結果が出ています。

コーヒーが大腸がんの予防に効果を示すメカニズムとしては、

コーヒーに含まれるカフェインやクロロゲン酸などの成分が、腸内の胆汁酸や中性ステロールの濃度を低下させることで、大腸粘膜への刺激や発がん物質の生成を抑制する。

腸の運動を活発にすることで、便の滞留時間を短縮し、大腸粘膜への曝露時間を減らす。抗酸化作用や抗炎症作用を持ち、大腸粘膜の酸化ストレスや炎症を抑制する。

インスリンの分泌や感受性を改善することで、高血糖や糖尿病を予防し、大腸がんのリスクを低下させる。

https://ganmedi.jp/6948/

■ヨモギ:健康への効果

ヨモギに含まれる成分は、肝臓機能の改善やアレルギー症状の緩和に効果があるとされています。また、癌細胞を選択的に死滅させる効果も報告されています。

ヨモギには、独特の香りの主成分としてシネオール、ツヨン、β-カリオフィレン、ボルネオール、カンファーなどの精油成分が含まれています2。また、β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、鉄などの栄養素も豊富に含まれており、緑黄色野菜の範疇に入ります。

ヨモギの健康への効果として、以下の効果が報告されています。

✅肝臓機能の改善

ヨモギに含まれるアルテミシニンという成分は、肝臓にダメージを与えるアルコールや薬物の代謝を促進し、肝臓機能の回復を助けるという研究結果があります。また、ヨモギの精油成分は、肝臓の解毒作用を高めるという報告もあります。

Protective effect of artemisinin on chronic alcohol induced-liver damage in mice - PubMed (nih.gov)この論文では、アルコール性肝線維化を誘発したラットにアルテミシニンを投与すると、肝臓の炎症や線維化が抑制され、肝臓機能が改善されることが示されました。アルテミシニンは、肝臓の酸化ストレスやサイトカインの産生を減少させ、肝臓細胞のアポトーシス(自然死)を防ぐことで、肝臓を保護すると考えられます。

Chinese Mugwort Uses, Benefits & Dosage - Drugs.com Herbal Databaseヨモギの精油成分が、炭化水素による肝障害を引き起こしたラットに対して、肝臓の解毒作用を高めることが報告されました。ヨモギの精油成分は、肝臓のグルタチオンやシトクロムP450の合成を促進し、肝臓に蓄積された毒素の排出を促すことで、肝臓の回復を助けると考えられます

Herbal extract of Artemisia vulgaris (mugwort) induces antitumor effects in HCT-15 human colon cancer cells via autophagy induction, cell migration suppression and loss of mitochondrial membrane potential - PubMed (nih.gov)ヨモギのメタノール抽出物が、抗炎症作用や免疫調節作用を持つことが報告されました。

アルテミシニンは、マラリアの治療薬としても知られる成分で、ヨモギの花や葉に含まれています。アルテミシニンは、肝臓にダメージを与えるアルコールや薬物の代謝に関与する酵素の活性を増加させることで、肝臓の解毒能力を高めます。

✅アレルギー症状の緩和

ヨモギに含まれるフラボノイド類は、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの放出を抑制し、アレルギー症状を緩和するという研究結果があります。また、ヨモギの精油成分は、抗炎症作用や免疫調節作用を持ち、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー性疾患に有効であるという報告もあります。

Flavonoids inhibit histamine release and expression of proinflammatory cytokines in mast cells - PubMed (nih.gov)ヨモギの茎と葉から抽出したフラボノイド類が、マスト細胞の活性化を抑制し、ヒスタミンの放出を減少させることで、アレルギー反応を抑えることが示されました。特に、アピゲニンとルテオリンというフラボノイド類が強い抗アレルギー作用を持つことが分かりました。『Archives of Pharmacal Research』誌に掲載された研究では、フィセチン、ケンペフェロール、ミリセチン、ケルセチン、ルチンといった複数のフラボノイドがマスト細胞におけるヒスタミンや炎症性サイトカインの放出を抑制することが示されました。

ヨモギの花のエキスが、抗炎症作用や免疫調節作用を持つことが報告されました。ヨモギの花のエキスは、肌の炎症を引き起こすサイトカインや活性酸素種の産生を抑制し、アトピー性皮膚炎のモデルマウスの皮膚症状を改善することが示されました。


Oral administration of allergen extracts from mugwort pollen desensitizes specific allergen-induced allergy in mice - ScienceDirectヨモギの精油成分が、抗アレルギー作用を示すことが報告されました。ヨモギの精油成分は、鼻の炎症や分泌物の減少、鼻づまりの改善、ヒスタミンの放出の抑制などの効果を持つことが分かりました。

✅がん細胞の死滅

ヨモギに含まれるアルテミシニンという成分は、癌細胞に特異的に結合し、癌細胞のアポトーシス(自然死)を誘導するという研究結果があります。また、ヨモギの精油成分は、癌細胞の増殖を抑制し、癌の進行を阻害するという報告もあります。

Artemisinin-Type Drugs in Tumor Cell Death: Mechanisms, Combination Treatment with Biologics and Nanoparticle Delivery - PMC (nih.gov)この論文では、アルテミシニンが癌細胞に特異的に結合し、エンドペルオキシドブリッジと鉄イオンとの反応でフリーラジカルを生成し、✅癌細胞のアポトーシス(自然死)を誘導することが示されました。アルテミシニンは✅
乳癌、前立腺癌、大腸癌、肝癌などの様々な癌細胞に対して効果を示しました


Artemisia sieberi Besser essential oil inhibits the growth and migration of breast cancer cells via induction of S-phase arrest, caspase-independent cell death and downregulation of ERK - ScienceDirectヨモギの精油成分が、✅
乳癌細胞の増殖を抑制し、アポトーシスや細胞周期停止を引き起こすことが報告されました。ヨモギの精油成分は、細胞内のカルシウム濃度を上昇させ、ミトコンドリアの膜電位を低下させ、カスパーゼの活性化を促進することで、細胞死のシグナル伝達を誘導すると考えられます。

Herbal extract of Artemisia vulgaris (mugwort) induces antitumor effects in HCT-15 human colon cancer cells via autophagy induction, cell migration suppression and loss of mitochondrial membrane potential - PubMed (nih.gov)ヨモギの精油成分が、✅大腸癌細胞に対して抗癌活性を示すことが報告されました。ヨモギの精油成分は、細胞内の酸化ストレスを増加させ、DNA損傷を引き起こし、アポトーシスや自噬(オートファジー)を誘導することで、癌細胞の増殖を阻害すると考えられます。


■牛肉や羊肉、乳製品:トランスバクゼン酸

トランスバクゼン酸(TVA)は長鎖脂肪酸の一種で、主に牛や羊などの反芻動物の肉や乳製品に含まれています。人間の体内では内因性には生成されないため、これらの食品を通じて摂取する必要があります。

脂肪酸は、エネルギー源としての役割や細胞膜の構成成分として重要な役割を果たします。特にTVAについての最近の研究では、免疫系に影響を与える可能性が示唆されていますが、この効果を食事から直接得るためには、さらなる研究が必要です

免疫細胞の機能を向上させ、がんとの戦いをサポートします。

シカゴ大学の研究によると、牛肉や羊肉、乳製品に含まれるトランスワクチン酸は免疫細胞の機能を向上させ、がんとの戦いをサポートする可能性があります

牛肉や羊肉、乳製品に含まれるトランスワクチン酸(TVA)が、CD8+ T細胞の機能を強化し、抗腫瘍免疫を促進することが分かりました。この研究は、TVAがCD8+ T細胞の機能を高め、✅腫瘍細胞に対する攻撃力を向上させることを示しています。TVAは、人間の乳や反芻動物由来の食品に含まれる長鎖脂肪酸で、人体では内因性には生成されません。この発見は、食事由来のTVAが、CD8+ T細胞を再プログラミングし、腫瘍に対する治療方法としての可能性を持つことを示唆しています(情報源:Nature)。


■ターメリックに神経疾患の予防効果

クルクミン(ターメリック)に関する最近の研究では、✅この成分が炎症、糖尿病、神経変性疾患に対する有益な効果を持つことが示されています。

✅クルクミンは、抗酸化、抗炎症作用を持ち、アルツハイマー病などの神経変性疾患の予防や治療に役立つ可能性があるとされています。これらの研究は、クルクミンが疾患の予防と治療において有用な成分であることを示唆していますが、その効果を最大限に引き出すためのさらなる研究が必要です。詳細はPubMedで確認できます。

Curcumin, Cardiometabolic Health and Dementia - PubMed (nih.gov)

クルクミンの効果に関する研究では、この成分が糖尿病、神経変性疾患、特にアルツハイマー病に対する治療効果を持つ可能性が示されています。クルクミンは抗酸化、抗炎症作用を持ち、これらの疾患の予防や治療に役立つことが期待されています。


■赤ワインやブトウは寿命を延ばす

赤ワインやブドウの皮に含まれるこの成分が心血管系の健康に有益であることを示しています。レスベラトロールは✅強力な抗酸化物質で、心臓病のリスクを減らし、全体的な心臓の健康をサポートします。

レスベラトロールの摂取は寿命を延ばす可能性があることも示唆されており、特に赤ワインに含まれるレスベラトロールが、心臓保護のために重要であることが明らかになっています。詳細な情報はこちらでご確認いただけます。

普遍的な摂取方法としては、赤ワインを適量飲むことが挙げられますが、ブドウの皮にも含まれているため、ブドウを食べることも有効です。


■カテキン(緑茶)がん予防や体重管理

 

https://tea-sawada.com/secret/10-02/  胃がんによる年齢調整した死亡比が低く、全国平均100に対し、男性では20.8、女性では29.2という驚くべき結果が発表されました。 発がん率が減少すること、がん細胞を移植した場合もがんの増殖や転移が抑制されることが示されています。

緑茶のカテキンに関する研究では、これらの化合物ががんの予防に有効であることが示されています。カテキンは、✅特に肺がん、乳がん、食道がん、胃がん、肝がん、前立腺がんの予防に効果的です。

また、✅強力な抗酸化特性を持ち、炎症を抑制する機能があります。カテキンの最も効果的な抗炎症および抗がん潜在能力を持つものとして、エピガロカテキンガレート(EGCG)が挙げられます。

Beneficial Properties of Green Tea Catechins - PubMed (nih.gov)

これらの研究結果は、緑茶のカテキンが標準的な化学療法を置き換えるものではありませんが、標準的な✅抗がん治療をサポートする効果があることを示しています。

✅カテキンは体重管理に有効:カテキンとカフェインの混合物は、エネルギー消費の維持や脂肪酸化の促進に役立つとされています。特に、体重減少後の体重維持期間中にその効果が重要であるとされています。他の代謝的な標的には脂肪吸収と腸内細菌叢の構成が含まれますが、これらの効果についてはさらなる研究が必要です(情報源:PubMed)。

✅がん予防活動:緑茶のカテキン、特に(-)-エピガロカテキンガレート(EGCG)は、がん予防活動の可能性があることが指摘されています。これらのカテキンは、がん細胞のシグナリング経路に影響を与え、細胞株や動物モデルでがん予防効果を示しています(情報源:PubMed)。

■発酵食品(乳酸菌)による効果

プロバイオティクス(ヨーグルト、キムチ、味噌、納豆など)に含まれる乳酸菌)に、消化器の健康と免疫系の強化に対するさまざまな健康上の利点が示されています。

Journal of Ethnic Foods

「キムチの健康効果に関する総説」と題されたこの研究レビュー

キムチの摂取が人間の健康に及ぼす影響について、ランダム化比較試験を通じて調査されています。このレビューは「Journal of Ethnic Foods」に掲載され、キムチが皮膚の健康、血清脂質プロファイル、体重指数(BMI)、血圧などに与える効果を検討しています。

この総説では、キムチに含まれるプロバイオティクスや他の栄養成分が、これらの健康指標にどのように影響を与えるかを、科学的な方法で分析しています。特に、キムチが肌の健康に及ぼす影響、血中の脂質レベルへの影響、体重や体脂肪率に対する効果などが詳細に調べられています。

✅皮膚の健康への影響:キムチを摂取することで、皮膚のpHが有意に低下し、肌の健康が改善されることが示されました。

✅血清脂質プロファイルへの影響:キムチサプリメントは、血中のトリグリセリド濃度を減少させる効果があることが見られました。

✅体重指数(BMI)と血圧への影響:キムチの摂取は、BMI、体脂肪率、および収縮期血圧の減少に関連していることが示されました。

✅その他の健康への影響:一部の試験では、キムチが免疫調節効果を示さなかったものの、他の試験では代謝経路と免疫に良い影響を与えることが見られました。

✅過敏性腸症候群(IBS)への影響:キムチは、過敏性腸症候群の症状改善に対しても有効であることが示されました。

乳酸菌については、キムチに限らず他の発酵食品にも様々な健康効果があります。乳酸菌は、ヨーグルト、ケフィア、味噌、納豆など、多くの発酵食品に含まれています。

今回はメリットにフォーカスしましたが、デメリットがある食品も数多く世の中には存在、出回っており、それらも把握して自らの食生活の改善に努めることが重要になります。

『食品添加物・化学調味料・遺伝子組み換えは本当に害悪?』今さら知らないと恥ずかしい"20種類の恐ろしい品目名"|フランス料理のサイエンス (note.com)

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