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🔶私の好きな奈良 アーカイブ① ~2024/8/11

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奈良のいろいろなところを訪れた記録です。あまり馴染みのない人が読んでも魅力が伝わる様、わかりやすく紹介できればと思います。
「🔶私の好きな奈良」シリーズは、月3本ぐらいのペースで新作を公開しています。公開してしばらくは無料…
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#一度は行きたいあの場所

🔶私の好きな奈良:日の沈む山に埋葬された悲運の大津皇子 鳥谷口古墳

タイトルの写真は何だかご存じでしょうか? いかつい鉄格子の様な扉で閉められており、監獄か何かの様にも見えてしまいますが、実は二上山(にじょうさん)麓にある鳥谷口(とりたにぐち)古墳です。 歴史好きの人なら、イケメンヒーロー大津皇子が、非業の死を遂げたあと、二上山の頂に葬られたという話を聞かれたことがあるかも知れません。宮内庁により、大津の墓は山頂の二上山墓と治定されていますが、近年の調査で、この鳥谷口古墳が真の墓ではという説が有力になっています。 今回は、二上山と大津皇子

🔶私の好きな奈良:弱者救済に尽力した僧 忍性 聖徳太子信仰から奈良と鎌倉への分骨まで

ほぼ完全な形で残る鎌倉時代の石造五輪塔群 タイトル写真は、奈良県大和郡山市にある、石造五輪塔群「鎌倉墓」です。 インドが発祥と言われる五輪塔ですが、日本では平安時代以降、供養塔として考案され広まったと言われています。 この鎌倉墓は8基の五輪塔から成りますが、一部に永仁五年(1297年)の銘が刻まれています。中世の五輪塔がこれほど完全な形で残っている例は珍しく、国の重要文化財に指定されています。 1982年に行われた修理事業の際、第一塔の内部からは鎌倉時代を代表する高僧

🔶私の好きな奈良:夏の村屋神社に壬申の乱を想う

村屋神社ってどういう神社? 奈良県田原本町にあるこの村屋神社、もしかすると地元の方以外にはあまり知られていないかもしれません。 平安時代、律令の細則をまとめた法典である「延喜式」内に、官社として指定されている格式のある神社で、正式には、村屋坐弥冨都比売神社(むらやにいますみふつひめじんじゃ)です。主祭神は弥冨都比売(みふつひめ=三穂津姫命、みほつひめ)で、大神神社の祭神である大物主命の妃神にあたるため、大神神社の別宮とも言われ、両方お参りすることでご利益が増すとされます。

🔶私の好きな奈良:空海の遺した足跡

奈良国立博物館で、2024年4月13日から6月9日まで、生誕1250年記念特別展をやっています。 私も行ってきました。 偉人だとは習っていたけれど… 小学校から教科書に出てくる歴史上の偉人で、「弘法も筆の誤り」の言葉にあるように、弘法大師として知られています。ところが、弘法大師というのは諡号(生前の業績に対し死後に与えられる名)の様で、筆を誤った時は「弘法」ではなかったということでしょうか。 まあそんなことは枝葉末節ですが、つまりは空海のどんなところが偉人と評される理由な