ハーシーチョコレートの物語 揺れ動くアメリカン・ドリーム
ギブ・ミー・チョコレート!のHERSHEY'S
ハーシーチョコは敗戦直後の日本で進駐軍が配ったエピソードでもわかるように、日本人にとってアメリカ文化の象徴でもあります。
軽くてカロリーが高いため戦場での携帯食料だったのです。
とても有名な商品を作っている会社ですが、意外にどのような会社なのか知らないですよね。
古き良きアメリカの企業文化を育んだ会社
ハーシーは十九世紀から続く古い会社ですが、地域や社会への貢献、そして孤児たちに教育を与え大学進学をサポートする育英事業などに、真摯に取り組んできた会社だったようです。
21世紀になるとその理想と新自由主義経済とのはざまで揺れ動いていきます。古き良き時代が去っていく様が見えてきます。
ただ今もアメリカ企業が時にみせる正義や良心に基いた行動の根っこにあるものが感じ取れました。
単なる企業本ではありません。読みやすく筆者の広い知見がうかがわれます。
2006年の初版、実用本というより社会史としての面白さ。
小口にシミがでています。