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グラスホッパーを読んでみて
こんにちは。お久しぶりです。
書く度にお久しぶりですって言ってる気がする…。
今回は日記とは違って、読んだ本の感想を書いていこうと思います。
今回は伊坂幸太郎さんの『グラスホッパー』という小説です。
伊坂幸太郎の秀逸な文章を読んだ後に自分が書くと、驚くべきほどの雲泥の差に目眩がしそうですが、どうか暖かい目で読んでください。
伊坂幸太郎の小説。
元教師の鈴木は、妻をある男に轢き殺された。
その轢き殺した男が更に轢き殺されたところを目撃する。
男の死は、「押し屋」と呼ばれる殺し屋によるものだった。
鈴木はその押し屋の正体を突き止めるために追う。
自殺の専門家「鯨」、ナイフを扱う殺し屋「蝉」も押し屋を追う。
3人それぞれ別の思いを持って押し屋を追っていく。
暗そうで重そうでそういうの苦手な自分は読めるか心配でした。
ですが、軽快なリズムで進むからそんなこと気にしてられなかったです。
もちろん、登場人物の独特な言い回しとかで焦れったい時もあったけど。
主要人物の1人、鈴木にヤキモキしましたねー。どこまでマジの純粋な気持ちでいるのか分からなかったです。
押し屋と確認するまで仲間に教えない!…それって、本当に純粋に思ってる?
自分の立場危ういの分かってるかと言いたくなるけど、それも策略の内なのか…?!とも言いたくなりました。
この本を読んでると、今の自分の世界が恐ろしく平和でそれが余計に怖くなります。
こんな世界があるんですねってほんとに言いそう…というか、読みながら言いました。
そして戦うシーンが生々しい!
リアル!
格闘技やってたのかという程動きの描写がリアルで、どう動いてるのか詳しく書かれてて単純にすごいなぁと思いました。
余談で恐縮ですが、私も戦うシーン書いたことありました。
全部手刀で終わりました。
描写が生々しくて凄いうわぁってなる程です。
でも続きが読みたくなって顔を背けたくてもページをめくる手が止まらなーい!
後半辺りの怒涛の展開に、ページをめくりたいと手が言い、行を追う目が先へ先へ行きたいと言う!
正直、前半部分は生々しいところで胃がもたれて読むのも辛くて読んでなかった…
でも、中盤からラストまで駆け巡ってしまった…!
伊坂幸太郎さんって怒涛の巻き返しというか、展開が中盤から後半辺りにあってそれが面白いと個人的にはそう思います。
残り全部バケーションもそうだったけど、人物達の仲があまり良くないと言っても、ぜーんぶ見捨ててる訳でもない微妙な関係っていうのが、くそーっ!てなりますね…!
お前らここでそういう所見せるのー!?
応援したくなるだろうがー!!
今回で言うと蝉と岩西ですな…。
しかも、後半でそういうところ見せてくるからさぁ…。
伊坂幸太郎ってそういう人物同士の微妙な関係、やり取りとか感服せざるを得ない。
この人たちの関係、後になってから大事って思わされるんだよなぁ。
蝉、鯨、鈴木の3人それぞれが思想を持ってて、それぞれの思想を分かってる気がする読書からすると、「いや、蝉にもこういう思いがあるんだよー!」「鯨だってこう思ってるんだよ!」「鈴木もな、こういう所があってだな…」と説明したくなる…!
きっと、比与子も色々あるんだなろうなあと勝手に考えてしまいます。
スピンオフあったりして?
前半部分にも伏線はあったんだろうけど、伏線拾うのめちゃくちゃ下手だから、勘弁してください
単行本の裏のあらすじに、「物語が唸りをあげて動き出す」とありました。
まさにその通り!
この本は、サラサラとストーリーが展開していくのでなく、ウゴウゴ蠢き、うぐあああっと声を出してページをめくる感じ。
軽快なリズムで進むが、何だろうこの蠢く感じは。
バッタのように跳ねる軽快な感じはあるけど、集団になったバッタは蠢いてる感じ
伝わらないですね!!ごめんなさい😭
本編でも、バッタの話とか昆虫の話はいくつか出てきて、そういうのが伏線になってたりするのかな…って思いました。
暗に示してる事なのかなーって。
「蝉」も「鯨」も集団から逸れてきた生き方をしてきたんじゃないかなって勝手に思います。
実際の蝉も鯨も集団性がある気がする。
ネタバレが怖くて全然上手く書けない…!
ネタバレしたくない!
読んだら何だったんだ今までの話は…ってなります!
それぐらい怒涛の展開でサッッッと終わった。
唸りを上げて、そっとバッタはどこかへ飛んで終わった。
最後上手いこと言おうとしてできませんでしたが、ぜひ読んでほしい!と思わせる素晴らしい小説でした。