花房観音/くちびる遊び
森鴎外「舞姫」
泉鏡花「高野聖」
太宰治「駆込み訴え」
江戸川乱歩「人間椅子」
与謝野晶子「みだれ髪」
最初に最後まで読んだものがあるだろうか。
まあ毎度のことだけれど、
内容をしっかり覚えているのは1作もない。
「人間椅子」と「駆込み訴え」は、
読んではいると思うのだけれど。
いずれも日本文学史に名を残す名作。
いつの日か一度は読んでみたい。
文学作品というと敷居が高い。
高尚でズシリと響く重さ。
気楽に読むことはできず、
心して、正座して読まなくてはいけない。
そんな気がしてしまう。
そんな人にお勧めなのがこの1冊。
「愛しの舞姫」
「女禁高野」
「タレコミ訴え」
「悦楽椅子」
「みだら髪」
と名を変え、官能小説へとオマージュされている。
いったい何をもって文学といい、
何をもって官能小説というのか。
巻末裏表紙には、官能小説とは書いてなく、
欲情短編集となっている。
もちろん欲情を呼び起こすのだけれど、
それ以上に滑稽味にあふれる。
人間の欲情とはいくところまでいくと、
面白おかしく滑稽なのかもしれない。
作者もそれを意図しているところがある。
高潔高尚なんてクソくらえ。
無様にまっすぐに正直に生きろ。
そんなメッセージが聞こえて来る。
さあ、どっちを選ぶ!?
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