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Webがわかれば仕事が変わる! 社会人のための「インターネット&Web技術」超入門

この記事は、日常業務や生活のなかで「なるほど、インターネットやWebサイトの仕組みってこうなっているのか」とイメージできるようにわかりやすく解説しています。ところどころに具体例を挙げることで、なるべく読みやすくするよう努めました。仕事やプライベートで役立つWebの基礎知識が少しでも身につけば嬉しいです。

この記事の目的は、私自身の学習内容を整理し、理解を深めることにもあります。みなさんの疑問を解決するきっかけになれば嬉しいです。

はじめに:なぜ社会人にWeb技術が必要なのか?
「Web技術」という言葉を聞くと、プログラマーやエンジニア、IT部門の人が関係する専門的な分野だと感じる方は多いかもしれません。しかし、現在はどのような仕事をしていても、パソコンやスマートフォン、インターネットを使わずに過ごすことはほとんど不可能です。

  • オンライン会議ツールでの打ち合わせ

  • クラウドサービスを使っての資料共有

  • 社内ポータルサイトでの情報収集

  • 社外向けWebページの確認や広告出稿

  • テレワーク時のリモートアクセス

    こうした業務の一つひとつが、Web技術を前提として成り立っています。たとえば「会社のホームページをちょっと修正したい」「SNS上でキャンペーンをやりたい」「外部のサービスとデータを連携したい」といった場面に出会ったときに、まったく仕組みがわからないと不安になるかもしれません。

    一方で、Web技術の基礎を少しでも知っておけば、「これはWebサーバ側で設定が必要なのかな?」「この機能を使うにはJavaScriptが関係していそうだ」などのイメージがわき、スムーズに社内の担当者や外部のエンジニアと話ができるようになります。

本記事では、難しい専門用語をなるべくかみ砕いて、「どうしてこの画面が見えるのか」「どんな仕組みでインターネットを使っているのか」を中心に解説します。IT初心者の方でも、日常業務やプライベートで「なるほど!」と思えるようなヒントを得られると幸いです。

インターネットとWebの違いをざっくり理解する
インターネットとは?

まず押さえておきたいのが、「インターネット」と「Web」は同義語ではないということです。インターネットは、世界中にある無数のコンピュータ(パソコンやサーバなど)を結んだ大規模なネットワークそのものを指します。イメージとしては、電車や道路のネットワークが国内外をつないでいるように、インターネットという“情報の道”が全世界をつないでいるのです。

Webとは?
一方、「Web(ワールド・ワイド・ウェブ)」は、そのインターネットの上で動いている“サービス”の一つで、Webブラウザ(Google ChromeやSafari、Edgeなど)を使ってページを見たり、画像や動画、文章などを閲覧する仕組みを指します。
たとえば「動画配信サービス」とか「SNS」なども、インターネットを利用しているという点では同じですが、「ブラウザを使ってページを見る」という点で特に“Web”と呼ばれます。要は、インターネットという“情報の道路網”の上をWebという“車”が走っているというイメージですね。

この違いを理解すると、「インターネットはとにかくすべてをつなぐ基盤」「Webはその上でページのやり取りをする仕組み」と整理できます。

Webページが表示されるしくみを知ろう
Webブラウザの役割

みなさんが普段、会社のパソコンで「インターネットを使う」と言うとき、まずWebブラウザを開きませんか? Microsoft Edgeのアイコンをクリックしたり、Google Chromeをダブルクリックしたりして、アドレスバーに「https://www.○○○.co.jp」と入力した経験があるはずです。
このブラウザこそが、「Webサーバ」から情報を取りに行って、それを画面に表示するための道具です。ブラウザはみなさんが入力したURL(後で説明します)をもとに、「○○というサーバに行って、このページのデータをください!」とリクエスト(要求)を送っています。

URLで住所を指定する
自宅や会社に郵便物を送ってもらうには正確な住所が必要ですよね。Webでも同じように、「どこ(サーバ)にある、どのページを表示するか」を示す住所が必要になります。それがURL(ユーアールエル)です。
例えば「https://www.example.com/index.html」というURLなら、「https://」は暗号化通信を使うプロトコル、「www.example.com」はドメイン名、「/index.html」はページ名を示しています。実際にはコンピュータ同士が数字のIPアドレス(例:93.184.216.34)を使って通信しますが、人間が覚えやすい文字列にするためにドメイン名を使っているわけです。

Webサーバからのレスポンス
ブラウザはURLをもとに「ここでページをください!」とサーバにリクエストを送り、サーバはそれに応じてHTMLファイルや画像、スタイルシート、JavaScriptなどを返します(これをレスポンスと呼びます)。ブラウザは受け取ったファイルを読み込んで画面に表示し、私たちは初めてWebページを見ることができます。

Webページの3大要素:HTML・CSS・JavaScript
みなさんがよく目にするWebサイトやホームページは、大きく3つの要素が組み合わさって作られています。

HTML(エイチティーエムエル)
ページの構造や文章の大枠を記述するものです。見出しや段落、画像の配置、リンクなどを「ここは見出し」「ここは文章」「ここに画像を置く」という形で定義します。

CSS(シーエスエス)
ページのデザインやレイアウトを指定するスタイルシートです。文字の色や背景色、フォントサイズ、画面全体の配置などを決めます。もしCSSがなければ、ページは文字と画像がただ並ぶ質素な見た目になります。

JavaScript(ジャバスクリプト)
ページを動的に動かすためのスクリプト言語です。ユーザがボタンをクリックしたときに、メニューが開閉したり、データを送信したりといった操作を実現します。最近はJavaScriptで本格的なシステムを作るケースも多く、注目を集めています。

会社のWeb担当の方が「HTMLを修正しました」「CSSでデザインを調整中です」「JavaScriptのエラーをデバッグします」などと会話しているのを聞いたら、こうした役割分担が頭に浮かぶと理解しやすいでしょう。

サーバとクライアントとは?
クライアント(利用者側のコンピュータ)
「クライアント」という言葉は、お客さんという意味だけでなく、ITの世界では「情報を受け取る側の端末」を指します。私たちが使っている会社や自宅のパソコン、スマホなどは、Webサーバに「見たいページをください」と要求する立場なので「クライアント」と呼ばれます。

サーバ(情報を提供するコンピュータ)
一方、「サーバ」はリクエストを受け取って、必要な情報を返すコンピュータです。会社で例えるなら、資料室のように必要な書類が保管されている場所で、要求があれば対応する人が書類を渡してくれるイメージです。
多くのWebサービスは、世界中のどこかに設置されたサーバが24時間休むことなく動いていて、利用者がアクセスしてきたらページを返しているのです。オフィスに置いてあるサーバもあれば、大手クラウドサービス(Amazon Web Servicesなど)を利用して世界中のデータセンターで管理されているケースもあります。

インターネットの通信はどのように行われるのか
HTTPとHTTPS

クライアントとサーバが情報をやり取りするときの“ルール”を「プロトコル」と呼びます。Webページの通信では「HTTP」というプロトコルが最も基本となります。たとえば「GET」という方法を使って「HTMLファイルをください」とサーバに要求したり、「POST」という方法でフォームに入力したデータを送ったりといったやり取りを行います。
最近はセキュリティ面の配慮から、ほとんどのサイトで「HTTPS」(HTTPに暗号化をプラスしたもの)が使われるようになりました。URLが「https://」で始まっていたら、ブラウザとサーバの間の通信内容が暗号化されているということです。万が一通信が盗み見られても、暗号鍵がないと中身を読めません。

DNSとドメイン名の変換
先ほどURLの話をしましたが、「www.example.com」という文字列をコンピュータが理解できる「IPアドレス(数字の羅列)」に変換する仕組みがDNS(ディーエヌエス)です。たとえば電話帳で「田中さん」を調べて電話番号を特定するように、DNSサーバがドメイン名をキーにして正しい番号(IPアドレス)を教えてくれます。もしDNSが機能しなくなると、私たちはIPアドレスを直接覚えなければならず、大混乱に陥るでしょう。

セキュリティの基礎知識:仕事でもプライベートでも必須!
インターネットを安全に使ううえで、セキュリティ対策は欠かせません。会社で使うパソコンも、プライベートのスマホも、正しい知識を持って対策する必要があります。

なぜセキュリティが重要?
個人情報の流出:顧客情報や自分のID・パスワードが盗まれると大きな問題になります。
企業情報の保護:提案書や契約書などの機密情報が漏れれば、取引先との信用関係を損なうかもしれません。
サービスの継続性:ウイルス感染やサーバ攻撃によってシステムがダウンすると、ビジネスが止まってしまいます。

よくある攻撃と対策
フィッシング詐欺:メールやSNSで「パスワードの再設定が必要」などと偽り、本物そっくりのページへ誘導して情報を盗む手口。対策は、URLやメールの差出人をよくチェックする、不審に思ったらアクセスしない。
マルウェア(ウイルスなど):怪しいサイトにアクセスしたり、不審な添付ファイルを開いてしまうと感染する。ウイルス対策ソフトをインストールし、常に最新の状態にしておく。
パスワードの使い回し:あちこち同じパスワードを使うのは非常に危険。1つ漏れると連鎖的にほかのサービスも乗っ取られかねない。できるだけ複雑で固有のパスワードを使い、二段階認証を活用するとなお安心。
 Web技術の最新トレンド:ビジネスはどう変わる?

  1. クラウドサービスの活用
    かつては「自社サーバ室を持って運用管理する」企業が多かったですが、最近はクラウド(例:AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudなど)の普及により、サーバ管理の手間を大幅に減らせるようになりました。これによりベンチャー企業や中小企業でも、スピーディに新しいWebサービスを立ち上げることが可能になっています。

  2. スマホファースト、レスポンシブWebデザイン
    スマートフォンでのアクセスが一般的になったことで、多くの企業サイトは「スマホで見やすい」レイアウトを優先するようになりました。画面の大きさに応じてデザインを柔軟に変える「レスポンシブWebデザイン」を取り入れる企業が増え、ユーザビリティ向上や離脱率低減に役立っています。

  3. アプリとWebの境界が薄れる
    以前は「Webサイトをブラウザで見る」か「専用アプリをインストールして使う」かがはっきり分かれていましたが、最近では「Webアプリ」という形で、ブラウザ上でもアプリのように動作するサービスが増えています。オフラインでも一部使えたり、通知機能を利用できたりするなど、ビジネスツールとしても非常に便利です。

  4. 分散型Web(Web3)
    少し先端的な話ですが、ブロックチェーン技術を使い、「大企業や中央サーバに依存しないWeb」を構築しようという動きもあります。まだ実用段階で課題も多いですが、将来的にはデータの所有権やサービスの運用形態が変わる可能性も取り沙汰されています。

  5. まとめとこれからの学びのヒント
    ここまで、インターネットやWeb技術の基本的な仕組みをざっくり解説してきました。会社のパソコンで業務をする方でも、「どうしてこの画面が表示されるのか」「どのように情報がやりとりされているのか」を少し知っておくだけで、トラブルに遭遇したときの対処や、担当者とのコミュニケーションが大きく変わるでしょう。

  • インターネットは道路、Webはその上を走る車のようなイメージ

  • WebブラウザやURLは“ページを取りに行く”ための重要な仕組み

  • HTML・CSS・JavaScriptの3つがWebページの土台を支えている

  • クライアント(利用者)とサーバ(情報提供)のやりとりはHTTP/HTTPSで行われる

  • セキュリティ対策をしっかりして、安全にインターネットを活用する

  • クラウドやモバイル、Webアプリなどの進化により、ビジネスシーンも変化している

さらに学習を深めるには
身近なWebツールを観察してみる
会社で使っている社内ポータルやSNS、クラウドツールなどを、やや“裏側”の視点で見てみる。「ボタンを押したらページが切り替わるのはJavaScriptかも」「このURLのドメインはどこのサービスかな?」などと考えるだけでも、理解が進みます。

専門用語や仕組みを少しずつ調べる
IT用語は英語が多く、最初はとっつきにくいですが、一度覚えると必ず役に立ちます。たとえば「DNSって何?」「SSL証明書って何?」と疑問がわいたら、検索してみましょう。企業公式サイトや初心者向けブログ、書籍などもあり、見つけやすいはずです。

触ってみる(小さなWebページを作ってみる)
「私はプログラミングなんてしないから」と思うかもしれませんが、実際にHTMLを数行書いてファイルを開くだけで、「おお、こんなふうに表示されるんだ」とちょっとした感動があります。仕事の合間や趣味の範囲でもいいので、一度体験してみると、雰囲気がつかめるでしょう。

社内外のIT担当者やエンジニアに質問してみる
疑問があれば社内SEや外部ベンダーに直接聞いてみるのも手です。彼らも専門用語を使わないと説明がしづらい場合がありますが、「初心者向けに噛み砕いて教えてほしい」と素直に依頼すれば、基本的なところから丁寧に話してくれることが多いです。

おわりに
Web技術は、もはやITエンジニアだけのものではなく、あらゆるビジネスパーソンが日常的に活用する基盤になっています。オフィスワークや在宅勤務、あるいはスマホで買い物をするといった個人の日常生活まで、インターネットとWebの恩恵を受けない日はありません。
ちょっとしたトラブルシューティングや新しいサービス導入の検討、IT担当者との打ち合わせなどで、この記事の内容が「そういうことだったのか!」と感じるきっかけになれば嬉しいです。

最初は専門用語の羅列に驚くかもしれませんが、今回ご紹介した内容は本当に「Web技術の入り口」にすぎません。Webの世界は日々進化し、新しい仕組みやサービスが次々と生まれています。ぜひ興味を持って調べたり、学習したりしながら、「使うだけ」ではなく「仕組みもわかる」ビジネスパーソンを目指してみてください。わずかな知識が、今後の仕事効率やキャリアの幅を広げる大きな武器になるかもしれません。

これからも安全かつ快適にWebサービスを活用して、充実したビジネスライフを送っていきましょう。

参考書籍(大学の授業で使用したもの)

最後に、私が大学で「コンピュータネットワーク」に関する授業を受けた際に使った書籍をご紹介します。


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