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【JOCV】派遣前訓練Day4【読書録】「水運史から世界の水へ」徳仁親王

本日は課業は無いため、以下読書録。訓練所では「授業」、「講義」ではなく「課業」を使っている。何故かはよく分からない。さて本日は読書録。

徳仁親王「水運史から世界の水へ」NHK出版(2019年4月)
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本書には、昭和六十二年(1987年)に私が生まれて初めて行った、テムズ川の水上交通の歴史に関する講演から、平成三〇年(2018年)三月にブラジリアで行った第八回世界水フォーラムにおける基調講演にいたるまでの、水上交通史や水害を含む水問題についての講演の記録を収載しています。

水運史の研究者でもある皇太子殿下が国内外各地で実施された講演を纏めたものである。大変失礼ながら、この本に遭遇するまで皇太子殿下が水運史の専門家であることは全く知らなかった。日本では瀬戸内海の海上交通について、オックスフォード留学中はテムズ川の水上交通について調査されている。本著では江戸時代の利根川東遷(江戸を洪水から守るため、利根川を荒川から引き離す大規模土木工事)や日本初の閘門式運河とされる見沼通船堀、イギリス産業革命と河川・運河網の変遷など、水運史に関してコンテンツ満載となっている。

人間が水を利用してきた歴史とともに水がもたらした災害についても、東日本大震災の津波被害、2015年の台風18号被害、2011年のチャオプラヤ川の大氾濫など、国内外様々な事例を取り上げている。また世界の衛生問題、安全な飲み水へのアクセスなど、水問題について幅広く取り上げ、世界の様々な問題が水と紐づいていることへの理解を促している。

水問題は、あたかも水がどこにでもながれていくように、世界の紛争、貧困、環境、ジェンダーなど様々な分野に縦横無尽に関わってきます。

SDGs17項目の目標の内、目標6として水問題解決が設定されている。水は人間の構成成分の70~80%を占め、代替できる物質は現時点では見つかっていない。水の調達と利用、管理はどの国においても死活問題なのだ。

私が派遣される予定の地域にはヨルダン川が流れている。死海に注ぐ唯一の河川であり、ヨルダン市民にとって貴重な水の調達源である。任国における水事情を考える切り口として、とても参考になる本であった。

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