十九、二十 1
イヤホンから何度も聞いた曲が聞こえてくる。
いつかはきっと報われる。
いつでもないいつかを待った。
もういつでもいいから見ててよ
そうだよなだから『いつか』か
誰かがきっと見てるから
誰でもない誰かが言った
もうあんたでいいから見ててよ
そうだよなだから『誰か』か
いつかは今じゃなかったし、誰かはあなたじゃなかったみたいだけど、明日もバイトはあるし、明後日までに水道と電気代を払わなきゃいけない。来週には家賃の振り込みがある。
世界は待ってくれないけど、進むしかない。
いや待ってくれないから、進むしかない。
時計の針は4時を指している。スマホを閉じたら黒い画面に写ったぐしゃぐしゃに泣いている自分の顔があまりに滑稽でちょっと笑えて来た。
寝るか
前に進め前に進め
不規則な生活リズムで
十九、二十 2