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旅先で、アイスを食べるということ
旅先ではなぜかよくアイスを食べる。
旅の空気に触れると、どうしてもいつもと違うことがしたくなるのが不思議。普段アイス屋なんぞ滅多にいかないのでアイスを食べることは、私にとって小さな冒険のひとつ。
宮古島の「RICCOジェラート」は素材そのものの味がしてとにかく感動!食べたのは、あかばなぁべりーヨーグルトとチョコチップちんすこう。あかばなぁべりーヨーグルトにはハイビスカスとトゥスピャ(野ベリー)といちごが入ってて甘酸っぱいのに華やかな香りもあって一気に南国感を味わえる。
トゥスピャってなんだろうと検索すると宮古島にはその辺によくあるベリーだそう。(そういえばサイクリング中に見かけたかも…)
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石垣島で食べた「ゲンキミルク」のアイスも、まさにその土地の空気を凝縮したような味。濃厚だけど爽やかで、八重山諸島の風が吹き抜けるぅ〜。あのミルクのコクは都会では味わえないかも、と今でも思う。(東京にも美味しいミルクアイスはあるので戯言だと思ってほしい)
石垣で食べるから尚更そう感じたのかも、きっと。
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那覇ではド定番の「ブルーシール」のアイスを。街の喧騒を背にしながら、期間限定のチョコナッツとストロベリーのフレーバーを口に運ぶと、南国の太陽が一層近く感じられた。気がする。(この日、曇ってたけどな)
ブルーシールは観光客向けと思われがちだけれど、その土地の素材を活かしたフレーバーには、地元への愛情が詰まっているので好き。ロゴも可愛い。
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京都ではやはり抹茶アイスを食べがち。苦さと甘さの融合が嵐山を歩き疲れた身体に染み渡った思い出。紅葉狩りでだいぶ歩き疲れてたから尚更よ。
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北海道の富良野のラベンダー畑では、ここならではのラベンダー味を。食べ終えてもしばらく身体の中からラベンダーの香りが放たれていた。気がする。(車の中でしばらく自分の口の中をフンフン嗅いだ)
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小樽ではベーシックなソフトクリームを。濃厚な味わいはさすが北海道。
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海外の旅行先でも同じくアイスを食べがち。
ソウルでは焼き肉を食べた後、通り道にあったショップでお口直しにジェラートを。街中にある小さな店で、韓国特有の柚子や黒ごまのフレーバーを楽しもうかと思ったけど安定のチョコチップにした。
上のアイスは可愛い店員さんがおまけでつけてくれた紅茶フレーバー。甘さ控えめでスッキリとどこか洗練された味わい。ソウルという都市のモダンさと伝統の融合を映し出しているかのようだった。
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台湾の台中にあるスイーツ屋「宮原眼科」で食べたアイスはインパクトが強くて今でも鮮明に記憶に残る。トッピングにパイナップルケーキやお菓子がどーんと盛られていてその重みを手に感じながら、ワクワクした気持ちでスプーンを入れたなぁ。
お茶のアイスはすっきりとした苦味が特徴で、口に含むたびにふわりとお茶の香りが広がり、暑さで火照った体に染み渡ってあっという間に生き返った。灼熱の下で食べた甘さと苦味のバランスが絶妙なそのひと口は、旅先ならではの特別な時間を彩る忘れられない味。
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イタリアのフィレンツェで食べたジェラートは、これまた格別だった。ウフィッツィ美術館からアルノ川を挟んだ場所にあるジェラート屋で選んだピスタチオとレモンの組み合わせは、本場ならではの濃厚さとフレッシュさが際立っていた。ジェラート片手にアルノ川を眺める時間は、フィレンツェの美しい景色とともに冷静と情熱の間に、忘れられない思い出になった。
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スペインのサンセバスチャンでもジェラートを。確かチョコ系とフルーツのソルベをいただいたのだけど、バスク地方でいただくジェラートの濃厚でクリーミーな舌触りは、この地が誇る美食文化そのもの!と唸った記憶がある。
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バルセロナでもチョコ味のジェラートを。
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スウェーデンのストックホルムでも現地に住む友人に連れられて食べた。
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こうして見るとアイス党でも無いのに本当によくアイスを食べている。
旅先でアイスを食べるのは、その土地でしか味わえない「特別な瞬間」を求めているからかな。普段の生活ではあまり足を運ばないアイス屋へ行くことで、非日常の感覚を味わいたいからかもしれないね。
そして、その一口が旅先での思い出をさらに鮮やかに彩ってくれるような。普段は見過ごしてしまうような小さな幸せも、旅先では特別なものになるから、それがアイスという形で現れてるのかもしれない、なーんて想いに耽るのでした。
悲しいニュースが流れてきた。あの「ビエネッタ」が3/31で販売終了に。
子供の頃、ビエネッタは特別なアイスで、母がナイフで切り分けるのをワクワクしながら眺めた甘い思い出がある。今はカップで手軽に食べられるのでいい時代だなぁと思っていたのに終売とは悲しい限り。
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たかがアイス、されどアイス。冷たい思い出の記憶はいろんな形で残るのだろうな。
旅の思い出はこちらにも綴っていますのでもしお時間があればぜひに。
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