【まさか単身でフランスに行くなんて】Mon histoire 3
わたしには兄が3人いると言ったが、そのうちの1人は、
大学時代アルバイトをしてしっかり貯金を蓄えてから、
卒業と共にカンボジアに就職し、もう長いことあっちに住んでいる。
当時またわたしは高校生だった為、兄が何を考えてカンボジアへ行ったのかまではよくわからなかった。
普通に就職し、日本で住む選択をしなかった兄に、凄いなぁ、まっすぐだなぁ。
勇気あるなぁ、行動力半端ないなぁ。
そんな風に兄のことを尊敬していた。
兄は年に数回日本に帰ってくる。
わたしが転職で悩んでいた時に兄は、
« 一番やってみたいことやってごらん。何がしてみたい? »
と言ってくれた。
私には、いつかフランスのアルザスに住みたいという夢があった。
だけど、それは夢の夢で、いつか落ち着いたら。おばあさんになったら。
フランス語を勉強する余裕ができて、喋れるようになって、貯金もしっかりあって、、と、
自ら夢を 夢 と思い、後回しにしていた。
それを兄に告げると、恐ろしいことに
« じゃあ、今行って来なよ »
と言う。
え?今は怖いからもうすこし大人になったらと、行かない言い訳をぐちぐち言っていると、それを聞いていた父も
« 今行ってきなよ! »
と言い出した。
父は昔、仕事の関係でフランスに住んでいたことがあって、フランスでの思い出を語ってくれた。
聞いているだけで胸がワクワクした。
カンボジアに比べたら暮らしやすいよ。なんとかなるって、親切な心を自分が忘れなければ、困った時きっと誰かが助けてくれるから。行く前から無理って決めつけちゃだめだ。
兄からそう言われて、なんだかできる気がしてきた。カンボジアに比べたら、たしかに。
うんうん。
そうだよね。
でも、すぐには決められなかった。
時間を少し置いて、私の友達や上司、彼や家族、周りの人に相談すると、
誰一人私のフランス行きを止めてくれなかった。
みんな口を揃えて、行きたいから相談してるんでしょう?
行ってきなよと言う。
大切な人達が、背中を押してくれている。
それがとても嬉しかった。
大切な人達からの言葉はこんなにも絶大なパワーに変わるのかと、知った。
未熟な私だけど、なんか、やれる気がしてきた。挑戦してみたい!
みんなのおかげでそう思えた。
同時に、
私も頑張っている誰かの背中を押せる人になりたいと思った。
こんなひょんなことから、
フランス語も話せない、
何のツテもない、
現地に知り合いもいない私は
単身で渡仏することを決めた。
最後まで読んでくれてありがとう!
次回に続きます😊