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ノベルゲームを作ろうと思ったら15年かかった話【第35話】フリゲ公開編②ティラノゲームフェス開幕!〜感想投下に震える指〜 

Nscripterで人生初のノベルゲーム作りを始めた落柿(らくし)。7年の休止期間を経てティラノビルダーで制作を再開。ノベルゲームの祭典・ティラノゲームフェス2021に参加することを目標に制作を続け、無事締め切りまでに「ホラー編」を公開。そのダウンロード数に一喜一憂しながらフェス開幕を待つ落柿であった。


「ついに……開幕する! ずっと目標にしてきたティラノゲームフェス2021が!」


初めて作ったノベルゲームで、初めてのフェス参加となる落柿。落柿は当初作品の受け付けが8月末締め切りだったため、フェスは9月1日から開催だと勘違いしていた。その後10月に開催だと聞いて今度は10月1日から始まるものとまた勘違い。

実際のティラノゲームフェス開催日は、その年毎にとって異なる。当時は知らなかったが、フェス開催前にはノベルゲームコレクションがメンテナンスに入り、メンテ明けの週末にスタートするのが恒例だ。


この年は10月15日スタートだった。


公式から開催が宣言され、フェスを楽しむためのチュートリアル用のゲームが公開される。いよいよフェスが始まったのだ。

「無事開催、おめでとうございますー!」


諸手をあげて祝福する落柿。だがすぐにこう思った。


「……で、何したらいいんや?」



何しろ初参加である。他のゲーム制作者と横の繋がりがあるわけでもなければもちろん自作ゲームのファンなんてものは存在しない。全くのゼロからのスタートである。

ティラノゲームフェスにはバーチャルフェスという仮想空間のブースを歩いて交流できる催しがあるらしいが、どうやらそのオープンはもう少し後になるらしい。

フェス開幕にテンションがあがったものの、実際に何をしたらいいものか検討がつかない落柿であった。


「とりあえず作品のコメントを投下するか……」



自作ゲームを公開後、締め切りのプレッシャーから解放された落柿は(まだ完全版は完成していないのに)フェス作のゲームプレイを楽しんでいたことは前回も書いた。


「作品の感想はフェス開幕後に投稿した方がいい。なぜならダイア玉がもらえるから」


という情報をふんわりと仕入れていた落柿はその「ダイア玉」が何なのかよくわからないながら、言われるがままに投稿を控えていたのである。

「何々、ダイア玉キャンペーンとは……作品にコメントをすると作者様からダイア玉のお返しがもらえることがある。そのダイア玉を集めると……様々な景品がもらえるかもしれない……だと?」


この画像は今年のフェスのもの。


QUOカード……高級お菓子ギフト……ゲーム機……だと?」
落柿の目が輝いた。


「ゲームを遊んで感想を書くだけで景品がもらえるなんて最高かよ! するする、します、感想書きます、書かせてください!」




あれ? たしか前回は、

「きっとゲームの作者は自分のように感想を欲しいと思っている人も多いはず。ならば自分も感想を送る側になればいいのだ」

などと高尚なこと言ってませんでした? 結局物欲なんですか?



…………。
…………。
…………。


「そうだよ!」


認めたーーーーーー!!


「いやもちろんさあ、前回書いたように作者様の励みになりたいって純粋な気持ちもあるよ? だけど知ってるか? ゲームの感想書くのって無茶苦茶難しいんやで?」


難しい? 何が? 遊んだゲームの素直な感想を送るだけですよね? そんな長い文章を書くわけでもないし……。



「……お前は何を言っているんだ?」


そう。落柿は気づいていた。フェス参加作のゲームの感想を書くこと。それは下手したら自分のゲームシナリオを書くよりも難しい。


コンシューマゲームと違い、参加ゲームのほとんどの制作者は個人少人数のサークルだろう。となれば、プレイヤーの感想はよりダイレクトに伝わる訳だ。しかも自分のアカウントも紐付けられるわけだから、投稿主の正体も知られる訳である。

「『コイツ全然わかってねぇな』とか『何様だよ』とか思われたたくないぃぃーーー!」

「でも面白いと思ったものにはちゃんと感想を書きたいぃーーー!! 

「だけどクソ長お気持ちコメント送って ドン引かれるのは嫌ぁーーーー!!」




…………。
…………。
…………。


「人間の心とは弱いもの。そうやってあれこれ考えてしまい、せっかく書いたコメントもお蔵入りにしたくなるのさ。そして……」



「その背中を一押ししてくれるのが物欲ってわけさ!」


いや決め台詞風に言ってみても全然かっこよくないですからね? 結局はタダのチキンの上に欲深いだけでしょう?



…………。
…………。
…………。


「そうだよ!」



また認めたーーーーーー!!


こうして物欲にまみれた落柿はこのティラノゲームフェスというお祭りに乗り遅れないためにフェスのコメント欄から次々とゲームのレビューを投稿していくのだった。

ちなみにノベルゲームコレクションではプロフィールページからその作者がどの作品にコメントしているのか見られるようになっている。落柿のページは以下。正直どのレビューも「もっと書けたやろ」と自分にダメ出ししたくなるものが多い。伝えるって難しい。


…………。
…………。
…………。


あ。よかったら自作にも感想ください。特にsteamは10件レビューがつくと露出が上がるみたいなんで、何卒。


……いやこんなこと書いてる作者には送りづらいやろ。




「アカイロマンション完全版」の完成まで──あと3年

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落柿(Rakushi)
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