オンライン対話に苦手意識のある人を応援📣話すときの注意点〜【顔】【音】そして【手】の使い方
33歳の営業職のサラリーマンさんに相談を受けました。オンラインでのお客様との対話が苦手だとおっしゃいます。
商品の説明をするときに、頷いて聞いてくださるお客様ばかりじゃない。無表情で聞いている方、聞いているのかいないのかよくわからない方もいます。無表情のリアクションを見ると、自分の話し方もこわばってしまいやすいです。ペースがうまく作れずに、オンライン商談は本当、苦手なんです。色々考えてしまって、不自然さ満載な気がします…💦
オンラインの時は、対面の時とちがって、うまく自分のペースが作れないという方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、対面ならできることが、オンラインでやりにくい部分があるとしたら、それは競合他社も同じ条件。
基本的には、対面のコミュニケーションと大きく変えなくてはならないことはないと思います。
少し、ゆったりと、画面共有する資料の文字はいつもより大きめに。1ぺーじにあれこれ書き込みすぎないこと、といったぐらいでしょうか。
ただ、対面では気にならない【話し方のくせ】が、強調されて、聴き手にストレスを与えてしまうときがあったり、効果的な手の使い方が、対面時とは少々異なる、といったことがあります。
冒頭の相談者さんには、話す内容のずーっと手前のこととして、すぐにできる、オンラインならではの、【顔】【音】【手の使い方】に絞って、いくつかアドバイスをさせていただきました。
オンラインになると【気になる話し手のクセ】
普段、無意識に使っているものなので、改めて気づく機会がないのですが、実は、人間の目や耳はとても優秀です。
目は、自然とクロースアップ(みたいところに瞬時に注目することができる)できるし、同時にすぐに全体を見ることもできる、とても優秀なレンズを持っています。
耳も、聞きたい音を選択的に聞くことができる優秀さを持っています。
これがオンラインになると、その【稀有な優秀さ】がそのままイキなくなることがあるのです。
【顔】
視覚については、あくまでもカメラのレンズが捕らえているものが全てになります。相手に見えるものは、それ以上でも以下でもない。カメラが捕らえたものだけです。
まず、自分の顔の位置は整えましょう。
カメラの真ん中に映るように、自分で場所をコントロールするのです。
ちゃんと写っている「つもり」になっていませんか?
意外と顔が画角からはみ出してしまっていたり、カメラに近すぎたり遠すぎたりしている人が多いです。
自分がどう写っているのか、常に画面で確認しながら調整することが必要です。
また、明るさには気をつけましょう。
顔が明るく写っているかどうか。部屋の奥が明るい場合は、逆光になって顔面が暗くつぶれてしまって映ることがあります。
暗い場合は、ライトをつけるのも効果的です。
メイクをする人は、少し明るめの色を使ったほうが、画面に映ったとき、活発に見えます。暗いと顔色が悪く、元気がなさそうに見えてしまうので、注意したいところです。
相手に見える視覚情報は、泣いても笑っても画面に写っているものが全て。そこに写っているものがみやすいかどうか、心理的なストレスを与えないように顔が写っているかが大事です。
【音】
音声についても、マイクが拾う音が相手に伝わることになります。対面なら、人間の優秀な耳が勝手に「ノイズキャンセラ」を働かせてくれて、さほど気にならない雑音が、マイクを通すと、あなたの声と同じ大きさで相手の耳に直接届きます。
まずはマイクの位置です。
マイク付きイヤホンを使っている人は、知らず知らずのうちに、マイクの位置が口元から遠くなってしまうことがあります。
iPhone用のイヤホンでは、マイクは、結構、耳から離れたところについていますので、顔の小さな方などは、口元から遠くなりがちです。
また、マイクが右がわについているときに左を向いて話すと、音声がオフ気味(しっかりマイクが音を拾えない状態)になって、聞く人に聞こえづらい不快感を与えます。
また、ノイズ。
服の襟とマイク部分が擦れて、嫌なノイズを立てることがあります。
相手には聞こえていますが、この音、実際、自分のイヤホンからは聞こえません。ゆえに、気づかずにガサガサ、ザーザーっと大きな音を立て続けてしまうことがあります。
身だしなみを整えたり、ネクタイや襟元を直すときに起きやすいので、
動くときに、マイクを触らないように少し気をつけてみてください。
さらに、ブレスノイズと言われる呼吸の音です。
思った以上に大きなノイズになって相手に届いてしまっていることがあります。息継ぎの途中に「シーーーーっ」と歯の隙間から息を吸うクセのある人、ため息がくせになっている人、ひとりごとが多い人など、要注意です。
普段の対面なら、相手の耳まで届きませんが、マイクを通すと、かなり不快なノイズが相手の耳元に直接、届くことになります。
これは避けたいですね💦
最後に声の大きさについて。
できる範囲で構わないので、一定の音量で話すように気をつけましょう。
極端に、大きな声になったり、急に小さな声になったり不安定だと、
聴き手がストレスを感じます。
演出的に、声の大きさを変えることは構いませんが、小さくても相手に聞き取りやすいように、また大きな声を出す時は、相手の耳がびっくりしない程度に手加減をしてくださいね。
【手の使い方】
これは、スピーチライターのひきたよしあきさんがおっしゃっていることです。まさにその通りだなあと学ばせていただいたことを、アウトプットさせていただきます。
<手は使ってOK!>
オンラインで顔を真ん中にしようと意識するあまり、カラダ全体が固まって、手まで固まった状態で話す方がいますが、これは聴き手に堅苦しさを与えてしまいます。
手は使ってOKです。ただ、ちょっとしたコツがあります。
位置は顔を近くに
出来るだけ、顔のそばに手を持ってきて表現のアクセントにするのがおすすめです。ひきた先生いわく、とても参考になる手の振り方をされているのは、上皇様。
アフロより
一般参賀などのときのお姿をニュース等で目にされた方も多いのではないでしょうか。
お顔のそばで、手を緩やかに動かされています。
わたしたちが「バイバイ」と手を振るときの動作ではなく、いつもお顔のそばに手があって、ゆったりと語りかけるように動かしていらっしゃいますね。見る側に、温かさや安心感を伝える動きです。
また、カメラの画角から飛び出してしまうような大きな手の動きは、オンラインの対話にはあまり効果的ではありません。見ている側は、ちょっとびっくりしますね。
<手のひらと手の甲>印象のちがい
【手のひら】は、親しみやすさ。
【手の甲】は、力強さ、主張。
と、ひきた先生はおっしゃっています。
話しながら手を使う場合、話し手が【手のひら】を見せると、聴き手は安心感や親しみやすさを感じやすいそうです。
アメリカ合衆国・ケネディ大統領(JFK)はテレビでの演説が上手いと話題になった人ですが、スピーチの間、聴衆に【手のひら】を見せていることが多かったそうです。
反対に手の甲を見せる話し方をしたのは、ヒトラー。
演説力が高いと評価されているヒトラーですが、あまり手のひらは見せていない。強い主張、有無を言わせず引き込んでいくパワーある語り口とともに見せていたのは、握った拳の手の甲がわです。
手の甲を見せながら力強く動かすと、聴衆を扇動するパワーを伝える効果があるようです。
オンラインで商談するときは、よく聞いていただきたいところでは、ぜひ、手を使ってみましょう。
手を顔の近くに出して、リズムを作ったり、「ここまで、よろしいでしょうか?」と手のひらを見せて「止め」を作ったり。
聴き手の注意を話し手に向ける効果があります。
ただし、【手のひら】でお願いしますね。
<強調ポイントでは”チョップ”>
ひきた先生曰く、「ケネディ・チョップ」と言われる手の使い方があるようです。『空手チョップ』はみなさん、分かりますか?
手刀(しゅとう)ともいいますが、手の小指側を相手に向けて縦に動かす使い方です。↓こんな感じ
話している中で、「ここが重要なところなのですが」というようなときや、
「ここが我が社の特徴です!」というとき、
顔の横で【空手チョップ】を合わせると、聴き手に印象づける効果があるようです。
この手の使い方は、先ほども登場したJFKが多用していたことから、スピーチ界では「ケネディ・チョップ」と言われているそうです。
皆さんも、「ここだけは!」というときに、試してみてはどうでしょうか。
なかなかの男性社会で30年働いてきたテレビマンが、コーチングやカウンセリングで「自分らしく生きる」を支援中。限定少数しか出来ませんが小学生からシニアまで。