【短歌】室伏
室伏が何も投げない夏だから空の青さを数えていよう
旧道とバイパスが会う交差点心の準備がいつも足りない
キラキラの高い意識が天の川踏み台にするエイリアンたち
心臓をわずかに揺らす呼び声はボーカロイドと背後霊だけ
リクエストされてもさくらソングを歌わない君に千円いつか必ず
通販で鰻を買ったごんぎつね匠の技でラッピングする
一つだけパーツが足りないゴミ屋敷主人は今日も世界の味方
茹ですぎたパスタを植えて待っている天使の牙が生えてくるから
子どもから連絡のない親たちが抱きしめている優しいラップ
ログインが忘れ去られた魔法石集めて回せ火星の風車
退屈が限界越えた雪男おしゃれカフェの本を買った
青空に書いておいてよ「今日からはマフラーしてもいい日です」って
絶望の世紀も孤独じゃなかったよベリーサンキューロボット先生
ヒマワリが朽ち果てていく観察は町内単位で発禁処分
がんと太い橋ができつつある場所で光る私の小さな時計
室伏の歌は、歌会で「思わず採りそうになった」との声をいくつかいただきました。私の歌はトラップのようです。採っていいのよ。
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