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建築の楽園・クリムトが描いたソーニアの家

実は一昨年と昨年に2度ウィーンに行く機会に恵まれました。あまりに素敵な街で、たくさんの楽園を見つけてしまったので、どこから書いていいのか迷っているうちに時間が過ぎてしまいました。いい加減もったいないので、そろそろと思って書き始めましたが、やはり迷います。えいやってことで、かなりニッチな場所から始めることにしました。

ソーニア・クニップスの家。

誰それ?ですよね。この記事を見ればイメージできますか?

ベルヴェデーレ宮殿の美術館にあるクリムトの名作に描かれた貴婦人。それが、ソーニアです。クリムトのパトロンの一人で、実業家の奥様。結婚前にはクリムトと付き合っていたという、艶っぽいエピソードもあります。
上記グーグルの絵画の記事の中でも触れられている、ソーニアの別邸がウィーンの郊外に今も残っています。

1901 年、ソーニアはウィーンの住居を、
ヨーゼフ ホフマンの設計によるモダンな様式に改装しています。
ホフマンは 1926 年にも、ウィーンのデープリングにクニップス家の別邸を新築しました。この家のパーラールームには、クリムトによる数点の肖像画が人目に付くように飾られていました。

古典的なのにモダン。ヨーゼフ・ホフマンの美意識の高さが凝縮されています、
理想の家というか。とにかく隙がないデザインだと思いませんか。
窓枠の装飾や壁面のデザインなども素敵。
ドアもシンプルだが、かっこいい。
どこから見ても素敵です。

本当に素敵な家だと思いませんか?ちなみにホフマンという人は↓。

 こんな家で一泊とは言いませんが、一時間だけでも過ごしてみたいですね。高級民泊になったら、2泊くらいしてウィーンを観光したいですね。
誰が所有し、人が住んでいるのか否かもわかりませんが、残念ながら今日現在は中に入ることはできません。いつか公開されて、中を見学できる日を楽しみに待ちたいと思います。
 ちなみにホフマンが設計したサナトリウムの内装はこんな雰囲気。

ホフマンがデザインしたウィーン郊外のサナトリウムの内装
同じくホフマンがデザインしたベルギー・ブリュッセル郊外のストックレー邸内装
ストックレー邸の壁を彩ったクリムトの壁画。現在はウィーンのMAK応用美術博物館にある。

そして古い写真で何枚か内装と庭園側の写真も見つけました。

庭の方から見た建物
思った以上に柱のデザインが凝っています。
壁紙も椅子やテーブルもウィーン工房らしいものですね。クリムト作品も壁に。

 見れば見るほど、本当にいつの日か建物の中を見学したくなります。ストックレー邸が世界遺産ですから、本当は世界遺産級の建物なのだと思いますが、観光コースからは完全に外れています。ハイリゲンシュタット観光で、マイヤーあたりでホイリゲ体験して、ベートーヴェン博物館を見学した後に、聖ミカエル教会の前の坂を登り、ホフマンたちがダルムシュタットのマチルダの丘(下註☆)に刺激を受けて計画した芸術家村(ここもまたそのうち紹介します)にあるHohe Warteのトラム駅から37番線で2駅のBarawitzkagasseで下車して、Nusswaldgasseという小道を西へ歩いて数分。
 20世紀建築の楽園がひっそりとたたずんでいます。

ダイニング。ソーニアの肖像を飾ってみました。

註☆


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