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#137 風邪を引いて気づくこと

ついに風邪をこじらせてしまった。
夏が終わって以降、どうも体調が不安定ではあった。
元気になったと思えば鼻水が止まらなくなったり、治ったと思ったら倦怠感に襲われたり。

昨日の朝、起きるのも辛い状態だった。
喉も痛い、鼻水は出る、頭痛はする、そして倦怠感。
だがどうしてもその日は重要な仕事があったので休めない。
マスクをして、周りに移さないように最大限の用心をしてなんとか仕事に臨んだ。

なんとか仕事を終え、帰宅したら熱が……。
幸い37.5度の微熱ではあったけれど、ブルーライトを浴びると気持ち悪くなるくらいに体調が落ちてしまった。

そこから、泥のように眠った。
もう昨晩のことは覚えていない。
なんとかnoteのつぶやきをしたことくらいしか記憶にないくらいだ。

これもまた幸いに、今日は元々仕事は休み。
本当は同僚と東京へ遊びに行く予定だったがそれも断り、1日療養することにしたのだった。

朝起きると、熱は下がっていたがまだ倦怠感が残っている。
ふわりふわりとした心地の中で、窓を開けると大雨が降っていた。
ずんと心が沈み、次第に体もまたベッドへと沈んでいった。
そうして、午前中はほとんど眠りながら過ごしたのだった——。

風邪を引いている真っただ中というのは本当に辛い。
ましてや今日は前々からしていた同僚との約束もあったから、それを破ってしまったことに申し訳なさを感じていた。

元気であれば、今頃楽しい時間を過ごせていたのに。
元気であれば、昨晩はnoteで記事を書けていたというのに。
鼻づまりがなければ、ここまで苛つくこともないのに。
喉が痛くなければ、ここまで食事が辛くないのに。

風邪を引いているときは、ついつい「たられば」ばかりを頭の中に並べてしまう。
それは言い換えれば、元気な自分への憧れともいえる気がする。

そう、風邪を引いて気づくのである。
普段の自分が、いかに多くのことをこなしていたかということに。
元気な自分が、いかに日々を頑張って過ごしているかということに。

仕事、食事、運動、睡眠はもちろんそうだし、
noteや創作といった執筆に、さまざまな趣味、そして人間関係。
自分が思っている以上に多くのことを、そつなくこなしていた。

それが日常だ。
けれど、日常を日常として過ごすことがいかに凄いことか――!
風邪をひくたびに、僕は気づかされる。思い出されるのである。

午後になり、体調も少しずつ回復してきたからか。
心の方も徐々に上へ向いていた。
そして、その上へ向く心が、普段の自分がいかに多くのことをこなしているかということに気づいたとき。
無性に、自分で自分に優しくしたいと思った。

いつも頑張っているな。
頑張りすぎて、きっと疲れちゃったんだな。
だから今日くらいはゆっくり休もうな。

そんなとき、窓の外を見ると雨が止んでいることに気が付いた。
少し外の空気を吸いたいと思い、僕は暖かい服装をして外に出た。

たっぷり雨を降らせて、あれだけ雲を分厚くしていた空だったのに。

少しだけ太陽が、顔を覗かせてくれたのだった。
わずかながらに見えた日の光を見て、僕は確信した。
きっと明日には、空も僕も元気を取り戻すだろうと。


熱が出たりすると 気づくんだ 僕には体があるって事
鼻が詰まったりすると 解るんだ 今まで呼吸をしていた事

supernova/BUMP OF CHICKENより一部引用




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立竹落花
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