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#164 生き延びるって難しい

昨日冬至を迎えて、いよいよ冬本番になってきた日本列島。
僕の住む埼玉も例外ではなく、仕事へ向かう朝はとてもとても寒い。

図書館司書のトレードマーク(だと勝手に思っている)の黒ズボンと白シャツを着て、その上にカーディガン、さらにその上に分厚いコート
足元もまた分厚い靴下、そしてカイロ
ネックウォーマーを装備して、いざ出発。

僕は自転車通勤だ。
なので容赦なく、冷たい風が襲ってくる。
だが、これだけの装備をしているわけだし、安心安心——

そんなわけもなかった。
日々「寒い! 寒い! さむーーーい!」という叫びを必死に抑えながら自転車を漕いでいるのである。

とはいえ、毎日無事に図書館へ到着し、仕事ができている。
毎日とても寒いけれど、なんとか風邪もこじらせず元気に生きられている。

そんなとき、ふと思うのである。
生身の人間は、そんなに強い存在ではないよな、と。

長く生きられる=多くのものに支えられている

どんなに装備しても、確かに寒さは感じている。
けれど、この装備がなかった昔の人々は、もっと寒さを感じていたのだろうとときどき考えるのである。
もっとスケールを大きくすると、今より生き延びることがとても難しかったのだろうなと思うのだ。

それは、平均寿命からも表れている。
2024年に発表された日本人の平均寿命。
男性は81.09歳、女性は87.14歳なのだそうだ(厚生労働省, 2024)。

一方で、過去の人たちの平均寿命はどうだろうか。
AIに聞いてみたところ、このような回答が得られた。

縄文時代:15歳前後
弥生時代:18~28歳
古墳時代:25歳未満
飛鳥・奈良時代:20歳未満
平安時代:30~40歳
鎌倉時代:24歳
室町時代:15歳前後
安土桃山時代:30代
江戸時代:31.7歳

Googleにて「古代の人々 寿命」で検索した結果生成されたAIの回答を引用

時代によって多少の差こそあれ、少なくとも2024年の我々の寿命の半分も生きることができなかったのだ。
理由はもちろん明白で、「医学や科学が発展していなかったから」。

カーディガンも、厚手のコートも、厚手の靴下も、ネックウォーマーも。
全て技術が発展したからこそ手に入れることができている装備品だ。
人間は寒さに弱いから、対策をしなければ病気になる。
けれど、すぐに病院へ行って薬をいただければ、生き延びることができる。

だから、医学や科学の発展のおかげで僕らは生き延びられている。
これを言い換えると、僕らは未だかつてないほどに多くのものに支えられているおかげで生き延びられていると言えるのだろう。

明日があるのは当たり前じゃない

昨日の記事でも、明日があるのは当たり前じゃないと書いた。
過去の人々の平均寿命を知ると、その確信がより深くなってくる。

繰り返しになるが、生身の人間はとてつもなく弱い。
衣服も薬も暖房も加湿器も、自分じゃない誰かが作ってくれたものだ。
それらがなければ、僕らはあっという間に死んでしまう。
その支えがなければ、生き延びることって極めて難しいことなのである。

「全ての人に感謝する」
そんな言葉を目にする機会が多くなり、メンタルが落ちているときはとても陳腐に感じてしまうこともある。

けれど、昔の人たちの環境を考えると、寒い冬でもぬくぬくと過ごせる今ってやっぱりとても幸せなことだと感じる。
そう考えると、やはり全ての人に感謝することは真っ当だなと思うのだ。

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立竹落花
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