#138 リスペクトが世代の壁を壊す
先日、母がアルバイトの面接を受けてきた。
来春の確定申告に伴うスタッフの募集が、税務署からかけられていたのだという。
母は今年で67。
3年前にフリーランスのインテリアコーディネーターを退職。
それからコロナのワクチン接種会場で働いたり、毎日カーブスへ筋トレに行ったりと年齢を感じさせないほど精力的に生活をしている。
母は、とにかく1日家に居たくない、働きたいと常々言っていた。
しかしこの日本では、人材募集に年齢制限がかけられていることが多い。
この高齢化社会の中で、母のように元気な年配の人も活躍できるような社会になってほしい。
母の吐露を聞くたびに、僕はそう思うのであった。
さまざまな経験をし、能力を培ってきた人を採用すれば、もしかしたら元気はあるけれど経験の浅い若者たちとの相乗効果が生まれるかもしれない。
映画「マイ・インターン」では、そんな相乗効果が平和的に描かれている。
マイ・インターンはこんな話(ベンside)
ベンは、御年70歳。
子も元気だし、孫もいる。とても幸せな人生を過ごせている。
しかし、どうしても物足りない。
電話帳印刷会社を40年勤め上げて定年退職。
3年前に最愛の妻モリーと死別してから、心にぽっかりと穴が空いていた。
ある日街を歩いていると、とある求人が彼の目に飛び込んできた。
それはアパレルのベンチャー企業によるシニア・インターンの募集だった。
履歴書はもう古い。
自己アピールは動画で撮影し、YouTubeにアップすること。
難儀な募集要項、しかしベンは新しい道に躍動感を覚えていた。
面接も見事合格。
ベンは晴れてシニア・インターンとして、社長であるジュールズの下が働くことになるのだが、どこか彼女と距離を感じる。
それでもベンは一切めげずに、自分から動いていく。
持ち前の経験を活かして、同僚たちからの支持を獲得していく。
そして、ジュールズとの絆も、少しずつ芽生えていくのだった——。
能動的に動き、楽しむ姿勢が大事
アパレルのベンチャー企業ということもあり、ベンが入った世界というのは若者が中心になって動いている。
ラップトップやタブレット、スマートフォン――
印刷会社に長年勤めていたベンにとっては、全てが真新しいものに写ったことだろう。
しかし、ベンの凄いところは3つある。
1つ目は新しい世界に対して、一切臆せず、楽しもうとしているところ。
どうしても人というのは変化を怖がってしまうことがある。
ゆえに、新しいものを目にすると臆してしまうことも往々にしてある。
ベンにはそれがない。かといって古いものを捨てようともしていない。
古き良きは残し、新しくていい物は取り入れる。
人間における理想的な進化の仕方を、ベンは教えてくれる。
2つ目は自分にできることを能動的に見つけて、行動しているところ。
最初、ジュールズはベンのことをあまりよく思っておらず、かつ自分の仕事に手いっぱいで、ベンに一切仕事を振ることはなかった。
しかし、ベンは全く心を折らない。
「行動あるのみ」と意気込み、自分にできることを積極的に行っていく。
そして、同僚たちからの支持を獲得していくのだった。
逆境だろうが何だろうが、いかに行動が大切かというのをベンの姿勢から学ぶことができる。
そして3つ目。
相手が若者であろうと、しっかりとリスペクトしているところである。
リスペクトが世代の壁を取っ払う
図書館で働いていると高齢者の方と接する機会が多い。
その中には、僕らが若者だからという理由で見下した態度を取ったり、無理難題を押し付けたりする人も少なくない。
そうして酷い扱いを受けた若者は、そういった高齢者のことを「老害」という言葉で叩く。
そうやって、世代間の壁が生まれていくのだと思う。
だが、ベンと周りの若者たちを見ていると、そこに壁はない。
その理由は、年齢なんて全く関係なく、互いが互いにリスペクトし合っているからだと思う。
70歳のベンは、若くして会社を大きくしたジュールズを尊敬し、
30代のジュールズは、正しい行いをするベンを尊敬している。
他の若者たちもベンの豊富な経験を尊敬し、それに頼り、一丸となって仕事に打ち込んでいる。
世代の壁を取っ払って、リスペクトし合うその姿は本当に輝かしい。
いや、リスペクトすることこそ、世代の壁を取っ払うのだと僕は思う。
図書館で働いていたり、SNSを見て居たりすると、僕は今の日本にそれがちょっと足りないのではないかと思えてならない。
だから僕は積極的に、上の世代の方々をリスペクトしていきたい。
そして、ベンのようにいいと思ったところを取り入れていきたい。
noteも世代なんて関係ない
本当にありがたいことに、800人を超える方から僕はフォローをして頂いている。
そのフォロワーの方々も、世代はバラバラだ。
小学生の方から、70代の方まで幅広い。
noteの好きなところはたくさんあるけれど、そこもその一つ。
幅広い世代の人たちが、自由に記事を紡いでいるところ。
そして、そんな人たちの間でスキやコメントが生まれているところだ。
それは「マイ・インターン」で感じた、世代間のリスペクトと一緒。
noteにも年齢も世代も関係ない。
そこが、僕が感じるnoteの美しさの一つなのだと思う。
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次の記事も、「マイ・インターン」を題材に書く予定です。
今度はもう一人の主人公・ジュールズからこの映画を観たときの感想と考えたことを綴ります。
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