「お産が終わったら俺たち産婦人科医の役目は終わりじゃないですか」
今日は久しぶりに「若い!若いなー!ちみは!」ってじじいみたいな気持ちになりました。
赤ちゃんが生まれた僕たち夫婦の生活は目まぐるしく過ぎて、1週間が1ヶ月の様にあっという間に過ぎました。
義理の母が来てくれて、何とか僕たちはご飯にありつけています。本当に感謝です。
夜中だろうが、3時間おきに目が覚めて、ミルクをあげて、おむつを変えてを繰り返しているうちに朝が来て、僕は仕事に行き、妻は3時間の間に仮眠を取る日々。
それでも可愛くて、愛しい我が子を抱っこすると仕事でどんなに疲れていても癒される。赤ちゃんの力はすごい。
午前の外来が終わって、昼休みに後輩とご飯を食べていると「奥さんも義母さんが帰る時に一緒に里帰りすればいいじゃないですか。」
「そしたら愛する我が子の成長を見れなくなるよ」
「お産が終わったら俺たち産婦人科医の役目は終わりじゃないですか。」
若い。とてつもなく若い。
物事には終わりがないんだ。結婚も妊娠も出産もゴールじゃないんだよ。
ひと繋ぎの長い長い道のりの節目でしかないんだ。
お産もそうだ、赤ちゃんが生まれて終わりじゃないんだ。赤ちゃんが生まれてからが大変だし、面白いんだ。
この子は毎日できることが増えてくるし、僕も毎日子育てを覚える日々だ。
君にとっては仕事がとても大切なのはわかる。ただ、ワシには一日一日がとても大切なんだ。頼むからそのかけがえない日常を奪わないでくれ。じじいも仕事はちゃんとするから。
心の中で「君もいずれわかる」と言いかけてやめた。
若い人には若い日の花があるのと同時に、老いたる人には老人の日の花があるのだ〜大佛次郎〜
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