銭湯は心のシェルターだ。
根っからの銭湯好きです。家の近くに銭湯があるんで、休みになると銭湯に行くことがほぼ日課となっています。
そして、今日も今日とて、銭湯に行ってきたわけなんですが、お風呂に入りながら、ふとこんなことを考えていました。
「銭湯って心のシェルターだ」
と、いうのも、そこは女性しかいない閉ざされた空間な訳です。そして、持ち物と言えば自前のシャンプーリンスくらい。何も持ち合わせていません。流行りの服も、新作の口紅も、全部そこには持って入れません。なんなら、髪の毛だってぺたんこです。
「女としての武装品」を置いた女たちがそこに集まるわけです。
皆ぼーっと温かいお湯に浸かっています。そして、皆なにか考え事に耽るような顔をしています。そこからはなんとなく、悲しみの匂いがしてきます。
普段日常を生きていると、「美しさ」や「豊かさ」を勝手に見積り一喜一憂するのが女です。持ち物や外見から判断する「幸福感」や「悲壮感」を比較し、足りないものを数え自分に抵抗してみます。
けど、銭湯ではそれが出来ないんですよね。
みんな裸だし、すっぴんで、ぼけっとしてます。
そんなところで、ぽかぽか温まってくると
「ああなんだ。みんな結局裸になってしまえば同じだ。人に言えない悩みや苦しみがあるもんだ。」
と、妙に納得してしまうのです。
スマホから離れられる、ってのもいいんでしょうね。SNSには、煌びやかな生活が切り取られ、微々たる給料では買いきれない欲しいものが溢れています。そして、返事の来ない相手のことを思ったり、「いいね」の数を数えたり、なんだか湿っぽいことをしてしまうもんです。
「あーなんだか、疲れちゃったな」
そう思うとき。一通り考えを巡らしたら、悩み事は全部家において、一旦銭湯に集合しませんか。私も居ますから。
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