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小さな希望の穴は、いつも必ずどこかにあいている。
私、昔から図書館が好きで、引っ越す際に、最寄りのコンビニ探す前に「最寄り図書館の有無」を必ず確認しています(生活能力の欠如)。今住んでいるところの近くにも図書館があって、よくそこをうろついています。
最近借りた本で、忘れられないセリフに出会ってしまいました。
窪美澄「アカガミ」という小説です。
「死んでしまおうと思い詰める人は、どこにも抜け道はない、と思い込んでいるだけなのかもね」
「でもね、小さな穴はいつもどこかに必ずあるのよ。あなたが求めさえすれば」(「アカガミ」p38,39 窪美澄 河出書房新社2016)
この小説は2030年が舞台となっていますが、2020年末を皮切りに、若者の自殺者数が急増した。という設定になっています。
2016年発行の本ですが、なんだか、当時から現在を予知していたのか…?!
?!(笑) と思わせるような、そんな不思議な本です。
そんな2030年の、「今どきの若者」に対し向けられたセリフが、前述したものです。
八方ふさがりで逃げ道がない。
こういった切羽詰まった精神状態だと、本当に何もかもが、自分の敵に思えて、息もつけない。まるで、崖っぷちに立って、一歩下は断崖絶壁!みたいなね。
けど、どうだろう。
見方を変えてみて。前ばかり(この場合は下か?)みてないで、後ろを振り返ってみると。
まだ、歩けるスペースが広がっていることに気が付く。
そこは、自分が思い描いていた、想像していた場所とは全然違うところかもしれない。見覚えのあるところかもしれない。嫌いだったところかもしれない。
けど、今にも落ちてしまいそうな、断崖絶壁から目を離すと、周りには案外いろんな道がある。生きていくための道がある。
どうせなら、明るく楽しく穏やかにやっていきたい。それって、多くの人がそうだろうと思うんです。だから、そんなに切羽詰まった考えは、一先ず脇に置いて。
「こうであるべき」「こうしたい」「こうありたい」
という、自分で作り上げた道から、一旦、道すらできてないような方向に歩いてみる。
すると、そこに、予想外の居心地の良さが、あるかもしれません。
私も、一歩踏みだそーっと。