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【ギフテッドの本質】様々な完璧主義

熊です。
何故か本熊の記事は雨の日に視聴者数が多いらしい🐻

↓今回は下記の記事の続きを書こうと思います。

完璧主義はギフテッドに関するキーワードとしてよく注目されている言葉である。

しかし具体的な説明が少なく、様々な偏見や誤解が混じっているため、本記事をもって説明したいと思う。

まず「ギフテッドは完璧主義である」と聞いたら、ほとんどの人々はすぐ「なるほど」と思う。

ネット上の完璧主義に対する説明も完璧主義だけで終わってしまう場合が多い。
🐺チワワ「説明になってないよね」

そもそも一般的に完璧主義に対するイメージはどんなものでしょうか?

他人から見える完璧を目指すような行動」と「本人が完璧を意識する行動」は同じものでしょうか?

また、複数の原因に起因する完璧主義に見える行動は同時に存在し得るため、一つの完璧主義で全ての行動を解釈しないほうが良い。

今後は会話同士のお互いの認識ズレを確認しつつ、結果ではなく原因にフォーカスしていくことをお勧めする。


こだわり

多くの人は完璧主義を「こだわりの強さ」と解釈する。
専門家を含めてね。

しかし、こだわりは単なる好みの場合があれば、後述の病理的なものに起因する場合もある。

そのため、人間の行動(結果)だけではそれは完璧主義と言えるのか、かつそれがどんなものに起因しているかが判断しかねる。

強迫行動

完璧主義を強迫行動として理解する人も居る。

まず大きな違いは、
ギフテッドの完璧主義にはちゃんとした理由や目的がある。

強迫性障害の場合はあくまで衝動に近い感情であり、本人がそういう行動を取りたくない場合がほとんどである。
その原因も未だに解明されていない。

また、ギフテッドの完璧主義は軌道修正(PDCA)ができるが、強迫行動やこだわりの場合は常に決まった結果である。

境界性の薄さ

自己肯定感の低さや自他境界線の薄さから完璧主義に見える行動が生じる場合もある。

もちろんこれらはギフテッドを含めて生育環境や生まれ持った性格次第で誰でもなる可能性がある。

このパターンの完璧主義の特徴は
「他人からの期待を満たす」
「他人から批判されるリスクを最小限にする」
のが行動の目的であり、完璧さの基準は接する対象によって変動する可能性がある。

また、他人の期待が分からなければ、
行動の方向性が分からず、強い不安を感じる場合が多い。

脳の省エネモード

詳しいグループは明かしませんが、一部のマイノリティからも完璧主義のような行動が伺える。

例えば、処理速度や短期記憶が得意ではない場合、臨機応変のような負荷が大きくより資源を必要な状況に対応できないため、無意識にルールを作ることで脳の負荷を減らすようにする。

人間がうつ状態になると行動力が落ち、取捨選択が簡略化もしくはできなくなるのと同じである。
※もちろん神経伝達物質による影響もある

この場合、完璧主義(正しくは行動選択の簡易化かな)は悪い選択肢ではないため、必ずしも矯正しないといけないわけではない。

忘れることができない

ここからの完璧主義は多くのギフテッドの人生で避けられない課題である。
本熊も長年をかけて少しずつ解決法を模索している。

一般的に完璧を目指すことは合理的ではないと言われているが、これはあくまで個人の利益を起点とする観点であるため、「完璧を目指す個体は種全体に利益をもたらす」ことを意識している人間に上記の理屈は通用ない。

「完璧を目指す個体は種にとって有益か」と聞かれたら、答えはYes一択になるだろう。

もちろんギフテッドの家族にとって本人の幸せは何より大切だと思うし、世界の話なんてクソ食らえだが🐻

一般的に外部環境に違和感を感じても、それが生存や個人の欲望に関係のないものであれば、脳はそれを意識できないように少しずつフィルターをかけてくる。いわゆる潜在抑制機能である。

人間は何を「覚える」かに主導権はある。
何を「思い出す」かに主導権はほぼない。
何を「忘れる」かに主導権は全くない。

だからPTSDのような苦しみは世の中に存在する。

愛する人を亡くしたような自分にとって大事な人に対する感情でも時間とともに薄れていく。

これは脳による救済でもある。
亡くした瞬間の感情を何十年間に毎分毎秒体験はしたくないでしょう。

しかし、
関連する他の記憶の多さ、
付随した感情処理の深さ、
記憶力の良さによって記憶の解像度は大きく上がる。

潜在抑制機能が作動しづらいギフテッドの場合、物事の全体と細部から感じた違和感はなかなか消えず、仮に一時的に消えたとしても何らかのきっかけで再度クリアに蘇ってくる。

諦めることが許されない

完璧主義の対象となるものは抽象的なもの(目標や理想など)や具体的な物(配列の仕方や色の統一感、質感)に表れる。

一般的に世間が設定した目標よりも先の目標、もしくは複数の関連や相乗効果のある目標を意識してしまうギフテッドはそれらの目標の達成プランの構築および他人に説明することに苦戦することはよくある。

例えば単なる予定変更でも、その変更と伴う影響を本来のルートの様々な要素(5W2Hレベル)と比較したりする。

新旧の予定が似てるようなものであれば大して難しくないかもしれないし、一般の方も同じような対処をするが、全く異なるタイプの新旧予定に対してギフテッドは困惑する。

本来、人間は新しい選択肢だけを考えて選ぶ。
仮に本来の予定が気になってもそのうち忘れてしまう。
※前述の通り、脳は忘れることを手助けてくれる。

しかし本来のルートを忘れることができず、
処理が終わらないギフテッドは複数の世界で生きていくような感覚になり、今行っていることに集中できない。

少し抽象的な例ですが、

子供の頃は戦隊ごっこで正義感を発揮する子供も、人形遊びで共感力と利他精神を発揮する子供も、大人になったら他の生き物や他の人間に対して鈍感になったり、自分の利益や権力者の意思以外に無関心になったりする。

彼らの多くはそうじゃなかったはず。
しかし彼らは二度と当時の心境を思い出せない。

記憶(映像)があっても、
当時の感情は薄く遠く霞んでいるように感じる。

その主導権は脳にあるから、
仕方ないと言われたら仕方ない。

ギフテッドは人生の各段階の出来事と当時の心境をはっきり覚えている。

かつて失敗した選択肢と未実施の選択肢も覚えており、それらの選択肢でしか切り開けない未来のことも覚えている。

諦めていいかが分からないし、
諦めないほうが良い理由もあるし、
それが自分を苦しみ続ける。

ギフテッドの脳でも耐えられずに投げ出したくなり、実際に投げ出して肉の塊のように動かなくなると理想ばかり言う夢想家と批判されることもあるでしょう。

ーーー🐻脱線列車の乗車口🐻ーーー

教育とリスペクト

人間関係の接し方は
①傾聴
②対話
③助言
難易度は①〜③で上がっていくが、
メンタルヘルスへの影響はむしろ①が一番重要である。

そして「教育」は③よりも難しい。
そもそも①〜③を飛ばしていきなりギフテッドを教育するべきではない。

ギフテッドのリスペクトを得ようとしないと結果は出ない。

「年齢が上だからという理由で自分は教育する側や尊敬されるべきと勘違いする人間」は日本社会に蔓延している。
儒教の悪影響ですね。

もちろん彼らは自分の心理に気づいていないし、指摘されても脊髄反射で否定する。

どんな肩書だろうがリスペクトしてくれない大人に対してギフテッドは絶対見抜くことができないカメレオン並みの過剰適応を発動する。

たまに限界が来たら極限まで圧縮されたネガティブ元気玉(?)を発射することも。

健全な人間関係を目指そう

こうやって、ギフテッドは大人が聞きたくない、もしくは理解が難しい話をしたがるため、ギフテッド教育研修や専門家の話を鵜呑みにしないように気をつけましょう。

専門家だってギフテッドではないし、いくら勉強したとしてもギフテッドにはなれない。

そもそも、ギフテッドと対話するにはギフテッドに関する膨大な知識は必要がない。

例えば、ギフテッドは素直な人と接するのが好きです。

IQなんて気にしません。

自己愛性の高い人や保身的な人、モラルが低い人はIQが高くても嫌いです。
そういった人のIQが高ければより嫌いです。

IQと犯罪の関係性は、
「低ければ犯罪を犯す」のではなく、
「低ければバレやすい」だけである。

保護者や支援者がIQばかりにフォーカスすると危険な人物に気づかなくなる。

では、また次回でお会いしましょう🐻

補足ですが、積極的分離によって生まれた主流社会にない価値観や行動選択による一見完璧を目指しているような行動も完璧主義に該当するかもしれないが、既にかつての記事でたくさん紹介しているため、今回は特筆しません。

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熱帯雨林の熊
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