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社会の力学②ー有益なものと必要なもの

↓前回はこちら

どうも、熊です。

社会の力学の続きです。

今回の気持ちの天気予報(仮)「木曜午前10時」です。

🐺チワワ「微妙すぎて伝わらないよ」

では、本編行きます。


有益なものと必要なもの

前回の記事に下記のような記載がありました。

【ギフテッド支援団体の問題点】
・ギフテッドのニーズを理解していない
 →支援者は自身や保護者の無邪気な願望を前提に考えているため、
  ギフテッドにとって有益なものと必要なものを区別できない。

この話の真意をこれから解説していきます。

🐺チワワ「単なる日本語がおかしいかと思ってた」
🐻熊「怒」

日本のギフテッド界隈や子供の発達特性界隈をよく観察すると、
ある危険なことに気づいてしまう。

それは「有益なもの」と「必要なもの」の区別です。

本熊のこの二つの言葉に対する定義はこうだ。
・有益なもの
 →永久、もしくは特定の期間において目的の達成に資するもの
・必要なもの
 →永久、もしくは特定の期間において目的の達成に欠かせないもの

数学の「必要条件」と「十分条件」と少し似ているが、厳密には違う。
チワワちゃんのためにもう一度学校の勉強を復習しよう。

例:「日本人」ならば、「地球人」である。
・「地球人」に対して「日本人」は十分条件。
 →日本人である時点、地球人という条件も成立するため。
・「日本人」に対して「地球人」は必要条件。
 →日本人は地球人でもある
  or
  日本人は地球人に包括されているため。

チワワ「分からん」

「必要なもの」は数学の「必要条件」に該当するが、
「有益なもの」は数学に存在しない概念のため、
どちらかというと化学の「媒体」に近い概念である。

発狂マトリクス

熊がいつも共通認識の重要性を強調しているのは、
人間同士の会話で目的はよく混同されているからである。

特に暗黙的な理解が多い日本文化では暗黙的な誤解も多い。

そして誤解に気づかないまま会話が進み、
問題が潜在化していく。

例えば下記の例をご覧ください。

バスに乗り
チワワが転けて
鼻折った

チワワ川柳

そして顔が平べったくなったチワワに熊はリンゴをあげて
「リンゴは体に良いよ」と伝えた。

リンゴは体に良いが、
鼻血を垂らしているチワワ🤕にとって、
今必要なものではない。

「なんだ。そんなレベルの違いを誰が間違えるのかよ」
と思うかもしれないが、
少し難しい例に変えてみよう。

【問題】
「ギフテッドの子供」にとって、
「ギフテッドの人生」に対して、
「有益なもの」と「必要なもの」は何だ?

考え中の皆さんに失礼します。
有益なものと必要なものは流動的であるため、
さらにこの話に時間軸を足してみよう。

つまり、
「ギフテッドの子供」にとって、
「ギフテッドの人生」に対して、
①今も今後も有益なもの
②今は有益で今後は有益ではないもの
③今は有益ではないが今後が有益なもの
④今も今後も必要なもの
⑤今は必要で今後は必要でないもの
⑥今は必要ではないが今後必要なもの
は何だ?

全てをあらかじめ完璧に埋める必要はないが、
リソース配分の観点からすると優先順位を付ける必要がある。

例えば
・今も今後も通用するものを優先するとか
・今有益なものより今後必要なものを優先するとか

でも有益と必要の違いは何だろう?

ギフテッド教育

古今東西のどの分野も情報が錯綜していることはよくある。
それは発信者の体質や経験、動機などによる違いである。

困難な状況に陥る人にとって、
情報選別の能力が生きるか死ぬかの分水嶺でもある。

日本の様々なギフテッド教育・支援内容を確認すると、
ほとんどが独立した環境での教育支援であることが分かる。

環境や学習内容を独立させた理由は、
・一般の子供との知能が違う
・一般の子供との趣味が違う
・一般の子供とのコミュニケーションが困難
・賢いからすぐ飽きる
・好奇心が豊か
・たくさんの刺激を追求する
・人材投資という意味で早めに勉強させよう
などがある。

もちろん自己理解や感情受容の仕方などを教える場所もある。

これらの一部は「今有益なもの」、
もしくは「今後も有益なもの」かもしれないが、
「今後必要なものではない」と本熊は考えている。

環境差分を意識する

ギフテッドの子供は賢いが、
いくら賢くても子供であることを忘れないでほしい。

これは決してギフテッドの子供を蔑ろにする意味ではなく、
「大人になった彼ら自身と比較したら?」という意味である。

40歳になると総合力的に子供の自分に負けるはずがないでしょう?
人間の賢さは時間を超越することができない。

子供、特にギフテッドの子供は好奇心が強いため、
何かギフテッドの能力に合うことに没頭させれば、
親も子もひとまず幸せな気分を味わうことができる。

また、多くのギフテッドの子供には
「過剰適応」という共通的な弱点を持っている。

人間は多かれ少なかれ帰属意識を持っており、
特に子供の頃は接する人間の母体数が少ないため、
必然に周りの関係者を自分の全てと感じてしまう。

繊細で脆く感じるギフテッドは能力だけではなく、
ストレス耐性も非常に高いため、
関係者が無意識に期待している人物像をキャッチしたり、
関係者の悩みを解決できる人物像を想像したりして、
それらの人物像になりきることができる。

ギフテッド子供の防衛心理が作動した場合、
彼らは自分の過剰適応に気づかなくなるため、
自分の心をモニタリングすることができず、
数年間演じきってから大爆死することもあり得る。

もちろん知育おもちゃギフテッド教育が効いたり、
長期間承認温室されたりすると、
辛さを感じなくなるアイデンティティの喪失場合もある。

そうなると彼らは「今」が永遠に続くと信じてしまう。

いくら賢い子供とは言え、
その先の世界は分からない。

その先の世界が分かっても、
その世界に居る自分の状態が分からないし、
分かる必要もない。

それは自分の可能性を絞ることに等しい。

50歳のあなたが見ている世界は、
5歳のあなたに当然見えていない部分が多い。

再度補足するが、
これはあくまで「未来や過去の自分」と比較することであり、
決して「人間同士」の年齢を比較することではない。

支援者と保護者は「今」子供が笑ってくれればそれで満足。

今子供が笑っていれば、
彼らが携わっていることは有益なものと認識する。

ここで少し話を変えます。

「何故多くの人が社会人になったら、
 顔から笑顔が消えていくのか?
 もしくは顔は笑ってるが心は笑っていない」

 という問題を考えたことがあるのか?

単なる知能が低いのか?
それとも能力が足りないのか?
もしくは楽しい学生時代がなかったから?
または収入が少ないから?

自分の子供が、
社会に出ても笑っていけると望んでいれば、
もしくは人生の最後に笑えると望んでいれば、
これらの問題を考え抜く必要がある。

そもそも、
ギフテッドが望んでいる「笑顔」は、
一般社会が望んでいる「笑顔」と本質的に同じなのか?

漠然としたイメージなら、
リンゴは有益なものかもしれない。

長期的かつ目的別で考えると、
リンゴだけだと足りない場合もあれば、
リンゴ自体が不要な場合もある。

今回の記事はここまで。
次回はさらに深掘をしていきます。

ではでは🐻

↓続き


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