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言葉にできないもの

熊です。

お盆なので、
もう1つの故郷である地球に帰省中です。

せっかくなので、
レアモンスターで構成される家族の話をしたいと思います。


父熊

中学〜高校時代の父熊は
・学校サボる回数1位(不登校ではない)
・喧嘩回数1位(無傷無敗無敵)
・学校での成績1位(全国偏差値2位の学校)
という異例な三冠王でした。

父熊はいつも愚かな人間のために死ぬのが一番愚かであると愚かに聞こえそうで時々熊も愚かに感じることを言っている。

父熊がちゃんと勉強した理由は

学校の先生はあくまで「仕事が欲しい」だけの場合が多く、
社会問題や危険人物の解決に興味はない。

私の成績が良ければ共同の利益を作ることができる。
そしたら私が喧嘩をしても見て見ぬふりをしてくれるし、
私の主張も聞いてくれる。

ゴッド・ファザー父熊Ver


父熊の人間関係は、
相手の本質を見極め、
それぞれのパターンに合わせて対応する。

極普通に聞こえるが、
「眼力」と「徹底ぶり」は尋常ではない。

例えば、
動物的な本能に支配されている人間であれば全力で避けるが、
攻められたら確実に撃退するか、自分の支配下に入れる。

基本こういうタイプの人間は、
自分は本能のままで動いていることでさえ気づけていないため、
隠すのも下手だし、行動も予測されやすい、だそうだ。

人間として生きる意味を理解できない人に「愛」を与えても意味がない。
彼らが理解できるのは「自己愛」だけであるため、
彼らを動かせるのは「利益」と「ペナルティー」のみ。

ゴッド・ファザー父熊Ver


別のパターン。
両面性のあるような仮面人間には、
同じ仮面を付け、背景に同化する。
当然、向こうの悪事には加担しない。

彼らと同じ「歪んだ心」を持っていることをアピールすれば、
向こうから攻めてこない。

何かを要求された場合、自分は臆病者と演じればいい。
臆病者に重要なタスクは任せない。

重要ではないタスクは、
両面性のある人間に憧れ忠誠心を誓いたい人々にやって貰えば良い。
そういう人間は必ず居る。

実績を出すのは良いことだが、
両面性のある人間に評価されるための行動は破滅につながる。

彼らの気まぐれさは危険。
彼らに虐げられた人々からの復讐も危険。

ゴッド・ファザー父熊Ver


別のパターン。
親戚や家族の場合、父熊は自身の損得を一切考慮しない。
献身的で自分の持っているリソースを全て与える。

親戚に金を騙し取られても、
遺産を狙う他の兄弟に攻撃されても、
父熊の愛情は変わらない。

父熊にとって何か悪いことが起きても、
それは「家族としての普通」と考えているらしい。

中々興味深い。
よく分からないけど。

これ以外にも様々なパターンはあるが、
一旦割愛します。

賢く、狡賢く、愛情深く、複雑に生きる父熊です。

母熊

母熊が父熊と結婚した主な理由は、
「他の人よりマシ」だそうだ。

まあ、ギフテッドはお目が高いからね。
高すぎて大気圏を突破して宇宙に旅立ちそう。

子熊の頃、何回か母熊の職場に行ったことがあり、
母熊の凄まじい能力を目撃してしまう。

母熊は財務を扱う職に携わっていた。

たまに電話で他の部署の人と会話しながら、
パソコンで自分の仕事をする。

そして電話が終わったら、
隣の同僚に仕事のアドバイスや誤りの指摘をする。

母熊は電話対応と自分の仕事をしながら、
同僚の画面を見ていた、考えていた。

意識的に三つのタスクを同時進行する人間を、
人生で初めて見た。

一方、
プライベートではとんでもない慈善家散財屋です。
親戚の子供たちの学費まで払うほど。
その金くださいよ。

こうやって、
スーパーマンの父熊と、
ワンダーウーマンの母熊に育てられた子熊は、
劣等感しかなかった!

善悪逆転

ここからは少し暗い話になる。

熊の母国は、かつては独裁国家でした。

「愛国心の醸成」と
「体制側への服従」が盛んな思想改革の時期がありました。

その時期に数万人の国民が殺害され、もしくは失踪した。

母熊は小学生から公務員である祖父の仕事を手伝っており、
あるとき報告書の作成時に体制側が好まない言葉を使ってしまった。

祖父は警察に呼ばれ、
帰ったのは三日後でした。

傷一つなかったが
その後数十年の人生はPTSDと共に生きていくことになった。

母熊も、
自分のミスで祖父が消えてしまう恐怖に陥ったそうだ。

あの時期、
体制側の統制と粛清は徹底されてた。
国民は体制側と全く同じことを言うだけではなく、
全く同じ「言葉遣い」になるまで強要されてた。

当然無理なことなので、
下手に語彙力が高ければ、
反対勢力の一員と見做され、
逮捕から収監、連行から消失される。

家族の元には警察が訪れ、
「最近変わったことがないかな?」
「特に下手なことをしなければ戻れるかも」
と仄めかしてくる。

運が悪い人は帰らぬ人になる。
何の運か知らないが。

運が良い人は帰ってきたが、
連行された期間のことを絶対に口にしない。
祖父は「帰られるだけでマシ」と言い、
あの三日間の思い出を独り占めでお墓まで持っていった。

当時の時代では、
体制側の言いなりにすればペナルティーを免れる。
ペナルティーがないことを幸せと勘違いする人も多いそうだ。

欲の強い人はそれだけでは満足はしない。
体制側に更なる協力を彼らは自主的に行い、
体制側に協力しない人間を通報して賞金をもらった。

しかし欲に底はないため、
彼らは一般人との会話の中でも、
体制側に不適切と思われそうな言葉を引き出し、
一般人を反体制側として「仕立てる」こともあった。

人々は疑心暗鬼となり、人間不信となった。
やがって、人々は一切言葉を発さなくなった。

良識のある人々の行動によって、
様々な無実な人が巻き込まれ、
無駄で無惨に死んだ。

良識のあった人々は、
こういった少しでも、少しでも、
社会をより良くしようとする人々を、
体制側への生贄として捧げた。

どこかの会社トップ層の不祥事や、
複数政治家絡みの収賄事件どころではない。

「国全体」が長い間に渡って、
全ての「善」が「悪」に塗り替えられていた。

善悪の逆転がこんなにも簡単に起きると、
現代の日本人には中々想像できないと思うが、
今でもそういった国は世界中に点在している。

そもそも、
本当に今の日本には起きていないでしょうか。

抗う者

当時、
15歳以上の国民は体制側への忠誠を求められ、
書類への署名を要求された。

母熊が高校三年生のときに、
生徒全員に署名の書類を渡された。

ほとんどの生徒は即署名をしたが、
様子見をする生徒もごく僅かではあるが存在した。

しかし、
様々な外部からの恫喝および家族からの圧力により、
僅か数日で未署名の生徒は母熊だけとなった。

学校の先生は母熊に署名を極力勧めてきた。
善意なのか、
悪意なのか、
偽善なのか、
その全てなのかは確かめられない。

母熊は断固拒否。
過去に祖父の件があったにも関わらず、
それとも祖父の件があったからか。

やがって、体制側もこの事態に気付いた。
まだ子供だと思って珍しく寛容的な態度を示してくれた。

まずは学校側に毎日昼と放課後に、
母熊を学校の前に一時間立たせろとの指示でした。

夏場の見せしめが始まってから、
母熊の友人も心配し始めた。

その心配はすぐさま「自分へ」となってしまった。

トラブルメーカーから、
非常識な問題人物から、
調和を壊す異端児から人々は離れてしまった。

見せしめが一ヶ月続き、
翌月で大学受験を迎える頃になった。

母熊は学校で1位の成績を持つ優等生だった。
後に国家公務員1位まで取れたぐらい優秀だった。

母熊は学校の看板のため、
学校側は体制側に斡旋をした。

何を話したかは把握できないが、
それがきっかけに事件は終息した。

成績が悪かったら、どうなってたんだろう。
父熊の言ったことがこれか。

幼稚な言葉

あれからだいぶ時間が経って、
あるとき家族であの事件の話をした。

父熊「君の母は馬鹿だね。
   下手すると自分も家族も消されるところだったよ」

熊「父さんは署名をしたの?」

母熊「こいつ即署名したらしい」

父熊「そうそう。一人じゃ何もできないしね。
   私は体制側の味方のふりをして背後に潜り、
   決定機を待つのだ!」

母熊「その決定機を作ったのは私のような人間だ。
   結局何もできずに終わったお前はただの腰抜け」

父熊「そこまで言わなくても・・・(泣)」

熊「母さん、その言葉はきついよ。
  せめて裏切り者とか」

父熊「ちょ・・・ちょっとスーパー行ってくる💨」

熊「母さん、もし過去に戻り、
  自分は何もしなくても良い時代は訪れると知ったら、
  また同じことをするの?」

母熊「する」
(🐻:即答かよ!)

熊「何でするの?」

母熊「・・・・・・・・・・。」
(🐻:あ、ここで考えるんだ)

すると、穏やかに微笑みながら
母熊「腹立つから」


この幼稚な言葉の後ろに、
どれぐらいの思いが詰まっているかを、
世の中の人々に伝えたい。

お気持ちだけで十分です。 お金は自分より立場の弱い人に使ってくださいね🐻