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関西ひとり旅②京都・太秦広隆寺であの国宝を拝観

前の記事のつづきです

同じ路線の、広隆寺前駅で下車。

有名寺社のまえだけど、通学時間帯で旗持ち当番さんがいらっしゃる光景が、エモい。
普通の平日朝だから学校も仕事もある。こんな時に朝から一人旅ですよ、最高すぎて動悸が。
(勿論みんなが休みの時に、ちゃんと働いてますけども。)
紫の車体と駅の佇まいも、あたたかくて、いいなぁ。
一礼して、巨大な山門をくぐります。
8:30まえだけど、Nobody。
日本中どこも円安インバウンドで溢れてるから、行楽ベストシーズンの京都はさぞ…と覚悟してたけど、おや?
あわただしい通勤時間の俗世とは別世界が広がります。
人払いの結界でもあるのではないかと思うような静寂。
ひとり、お清めをして講堂へお参りします。
広隆寺は西暦603年(推古天皇11年)に建立された山城の国最古の寺院で、聖徳太子建立の日本七大寺。

大陸から大勢で渡来し、先進文化を日本に伝え、産業発達に貢献してきた秦氏の氏寺。

養蚕機織、酒造、農耕、土木技術などに長け、和をもって貴しとなす、聖徳太子の理想の実現に尽力した秦氏。京都のこの辺り一帯は「太秦」という地名通りの土地。シルクロードの東の果てにたどり着いた秦氏は、失われたレビの一族とも言われていますね。

こちらの講堂は重要文化財で、1165年に再建された京洛最古の木造建築。

京都というと平安時代からの古都だけど、こちらのお寺は更に古い飛鳥・奈良時代の空気を感じます。

当時の日本は国際色豊かで、いろんな国の信仰・文化・民族・産業技術を受け入れて調和してきたんだなぁ…と感じながら、参拝受付に向かいます。

参拝受付窓口は8:30~ではなく9:00~開始で、20分ほど待つことに。窓口前の弁天社には蓮池があって、現世にありながら束の間の浄土。
同じ場所から上宮王院太子殿が見えます。手入れが行き届いて清浄な空気。広隆寺は真言宗単立のお寺だそう。

車折神社から下鴨神社への移動経路上にあり、時間が少しあったから成り行きでたどり着いたけど、やっぱり真言密教には縁があるなぁ。

当時の大陸で何があったのか、日本海を渡るリスクをおかしても、東へ向かう理由があったんだろうなぁ。818年に火災にあったけど、秦氏出身で弘法大師の弟子の僧都によって再興されたとか。

白い蓮華がうつくしい。
待ち時間も、先人達が結んでくれた豊かな仏縁時間だと思うと尊い。そして、足元のアリがめっちゃデカい。

9:00、一番乗りで参拝受付を済ませ、新霊宝殿へ。
私のほかには、日本人の修学旅行生と大人の旅行者が数人いるだけ。仏教美術鑑賞には、静かで最高のコンディション。

受付印のあるパンフを職員さんに見せて、スーツケースを入口隅に置かせていただきます。
警備の方がいらっしゃる以外、だれもない静寂のなか拝観スタート。

国宝は20点、重要文化財は48点。文化財保護のため照明は暗めですが、素晴らしい国の宝が、コの字型の順路にずらりと並んでいます。

毎度のことながら、仏の世界にHSP/エンパスが同調すると、時空の感覚が歪みますね。うわ…時間に気を付けて、自分。

義務教育の教科書やCMで、あまりにも有名なこの方が中央に。

国宝第一号の弥勒菩薩像は、あまりの美しさに無意識でとびついた人が昔いて、小指が折れたことがあるそうです。(厳しめの警備体制も納得)
ほっそりして気品のある体躯とほほえみは、まさに現世の天上界。

靴を脱いで畳に上がり、座ってじっくり拝観しました。
いろんな角度から見てみるけど、本当にどの角度からも美しいです。

他の国宝級の仏像も、やはりシルクロードと秦氏の歴史が重なるものが多く、大変文化的に貴重かつ情報量が多い空間でした。山城が京都になる前からの、仏教。
平安遷都には公共土木技術に強く、政治的に影響力がある秦氏の力は欠かせませんよね。(昔も現代も)
敏感な方なら、歴史と信仰の重みに圧倒されてしまうかもしれません。

観光のお寺ではなく、主要な観光地からもすこし距離があるので、本当に静かでした。国宝・重文・仏教美術が好きで、なおかつ秦氏にルーツがある方は、然るべきときに導かれていくお寺だな、という印象を受けました。

この記事を読まれて、ピンときた方はぜひお参りしてみて下さい。

あと、私は現在40代ですが
コロナ禍で旅行ができなかった間に、老眼が進んでる(OMG!)
霊宝殿の中は暗いので、明るい外から入るとピントが合いにくい。

暗くても鮮明に見えた昔にくらべ、視力の低下を実感。
まだ老眼鏡を作るほどではないけど、「近くも遠くも見えなくなってきた」と嘆いていた50代の上司の言葉を思い出した。
こうやって、いつの間にやらあちこち歳を取って、旅行に行くのも体力的にしんどくなっていくんでしょうね。

いつか見たい国宝は、視力があるうちに、お早めに!

もっと時間をかけて見たいところですが、このあとすぐ移動して10~11時の間に社頭の儀の受付をしなくては。

サラッと拝観を終え、トイレをお借りしてから広隆寺をあとにします。

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つづく



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