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関西ひとり旅③京都・下鴨神社で葵祭【社頭の儀】に参列

前回記事のつづきです

葵祭は日本最古のまつりであり、勅祭。民ではなく、官のおまつり。紫式部の描いた源氏物語でも、葵祭の車争いの場面が。現在も沿道は人だかりで、交通規制の影響も予想されるため、地下鉄を使って向かいます。

私は下鴨神社の崇敬会特別会員になっているので、社頭の儀の招待状が届きます。

年度初めは都合をつけるのが難しいのですが、数年越しの念願がようやく実現!
雨が降らなくて、本当に良かった。

南口鳥居まえの受付で招待状をお見せし、封筒とリボンを受け取って、社頭の儀が行われる楼門内へ。

入ってて良かった、崇敬会(神様ファンクラブ)。

到着したのが10:45頃だったため、椅子の席は埋まっていました。でも、普段入ることのできない橋殿に設けられた席には、まだ空席が。スペースを探して正座着席、行列の到着を待ちます。

待ち時間の間に下鴨神社の神職の方が、お祭りの歴史や、行列の先頭が今どのあたりに差し掛かっているかなど、マイクで解説してくださいます。

検非違使さんが到着(現在の警察・司法職)
雅楽を奏でる方々。録音されたものは聴けても、生で触れる機会はなかなかないです。歩きながら吹くのも難易度高そう。笙の音色は天から降り注ぐ光のようで、大好き。
葵祭のヒロイン・斎王代が童女とともに入られます。いわゆる十二単を着用し、神事の前には小忌衣を召され、装束の重量は13kgになるとか。目の覚めるような美しさです。
垂髪に紗の衵(あこめ)をまとった、少女たち。
みんなこの日のために、指定の長さまで髪を伸ばしたんだろうな。カラフルな衣は曇天でもこの発色。
なんて高度な染色技術。
女官さんたち。葵祭の祭員は全員、髪や装束に葵桂(きっけい)の挿頭(かざし)をつけています。
世が世なら勅祭の重要祭儀に私のような田舎者の庶民が近寄ることも、ましてスマホで写真を撮るなんてことも、不可能だったことと思います。
心葉や日蔭糸で髪を飾った采女さん。長い黒髪に白い糸が映え、青海波紋の衣の白×ブルーに打袴の鮮やかな朱の掛け合わせが、また素晴らしい(Oh,my 語彙力)
現代のスーツはダークな色合いで全員大体一緒だけど、カラフルでみんな違う平安の公家装束のステキなこと。和色の掛け合わせと、新緑とのコントラストがFabulous!!
女人列は華やかで、心がときめきます。
斎王代がご着席になるところ。
介添えの方のお着物と所作がまた、ものすごく上品で美しい。
普段から着物に親しみ、かつ小さいころから躾を受けないと出来ない身のこなし。
有職美容師さんみたいなお仕事なのかな。
プロの職人の仕事をバッチリ拝見できました。さすが京都。
高級女官のみなさまも、つぎつぎご着席。
ほんまもんの、ひな壇。
着席ポジション、全員完璧すぎる。
事前に場当たり&リハされてるのかな。
厳重にお祓いを受けられ、古儀のままに、儀式に臨んだ勅使(天皇陛下の名代)の方。
この装束をまとい、威儀を正し、重要祭儀に臨むのは、凄い精神力が必要だと感じました。
御祭文を舞殿で微音奏上。儀式の重要な部分では、「ご起立、ご低頭ください。」と禰宜からアナウンスがあり、参列者はそれに従います。
モーニングや紋付袴の正礼装で儀式に臨む方々。
崇敬会の案内状には「不敬にならない平服で」とのことでしたが、一応私もスーツ着用で参列しました。他の参列者の方も、ワンピースにジャケット着用だったり、お着物をお召しの方が多く見られました。
お馬さんが入ってきました。
なんという美貌の白馬でしょう。
ちゃんとぺこりと頭を下げていますよ。
牽馬の儀。東游の序歌を陪従さんたちが歌う中、馬部さんたちが馬2頭を牽き、舞殿を3周します。
平安時代から続く古儀だそう。見事な名馬です。
茶色のお馬さん。人馴れして賢そうです。
馬部さんのピンクの装束が、これまた綺麗な発色。
何で染めたらこんなに素敵なピンクになるの?
手前の陪従さん(音楽を奏でる武官)の装束も、渋い葡萄色に凝った蛮絵が入っていてみやび。
2~3回ヒヒーン!といなないて後ろ足で立ち上がり、参列者がどよめくシーンもありましたが、令和の馬部さんもお馬さんの扱いが大変お上手で、すぐ静かになっていました。
6人の舞人が舞殿に昇り
東游(あずまあそび)を舞います。

勅使の方、凛としてまったく姿勢が崩れません。
衣紋道を継承されている方が着付けてるんだろな。

平安時代と同じ中臣祓(旧大祓詞)で祓い
中臣氏の子孫である藤原氏が勅使をつとめる。
命のバトンが繋がって、伝統も受け継がれる、尊さ。
ゆったりと優雅な舞です。
ガチャガチャしたダンス&音楽が氾濫する現代
このシンプルさがいい。
神道の舞やってみたいな。(その歳で?)

令和の舞人・陪従さんたち
本業は何をされているのかしら。
舞人さんは神道系大学の学生さんっぽいな。

カウントのとれない音楽を奏で歌うのも・舞うのも
合わせて練習するのも大変だと思います。

現代人の脳が1日に処理する情報量は
平安時代の一生分だと言いますよね。
舞人さんの緋色の装束は
どの方向から見ても鮮やかできれい。
社頭の儀が終わり、参列者も席を立ちます。
崇敬会員は御供物をいただきに、御手洗川の向こうにあるテントへ。
井上社(大好きな瀬織津姫がお祀りされています)でお参りする方々。この場所は本当にいいですよね、と嬉しくて涙が出そうです。
天皇陛下からの御幣物が入っていた、唐櫃。
京都の伝統産業に支えられた、祭具・装束ひとつひとつが、素晴らしい職人技の結晶です。

これから本殿へ。
楼門内にはまだ一般の人は入れません。

儀式が終わり、ちょうどご本殿の扉が閉じられるタイミング、警蹕を聞きながら国宝本殿を参拝することができました。

2020年の2月、コロナが国内に広がる直前に参拝して以来4年ぶり、大好きでたまらないこの場所。嗚呼、嬉しいよう。

さっきまで私が座っていた、橋殿。
楼門の向こうに目を向けると、大鳥居で止められていた一般の参拝者の移動が許され、こちらへ向かって一気にインバウンドが押し寄せてくるのが見えます。
さあ、人ごみを避けて帰ろう。
これだけの古儀を受け継ぎ、伝統と祈りを繋いでいくのにどれだけのエネルギーが必要か。

準備と片付けをされる方々にも、感謝しかありません。
一生に一度でも、参列出来て良かった。


過去、天災や戦乱・疫病などで「路頭の儀」行列は中断した時期もあり、コロナ禍では3年中断したと聞きます。

でも、勅使奉幣の神事は間断なく続いているそうです。
五穀豊穣と国の平和と安寧を祈る、葵祭。
天皇家ご親斎の、賀茂御祖神社。自分の御靈がただ喜んでいます。

大鳥居を出て、一礼したところで、若い女性神職に声を掛けられます。
うっかり、黄色いリボンをお返しするのを忘れてました!
すみません、ありがとうございます。というと、いいえ、ようお参りでした°˖✧とめっちゃ素敵な笑顔で回収して下さいました。なんて爽やか~。8時間かけて来てよかった。

平安遷都より、はるか古(いにしえ)
縄文時代から続く聖地、糺の森。

こんなに市街地が近いのに
ひんやりとしたご神氣が満ちています。
私の過去生に深いご縁のある、奇跡のお社です。

山城国一宮、旧社格は官幣大社、現在は神社本庁の別表神社。神域全体が世界遺産。

ご祭神は賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と、玉依媛命(たまよりひめのみこと)。

上賀茂神社のご祭神の御祖父さんとお母さんにあたります。神武東征を導いた「ヤタガラス」はご祭神の化身といわれていますね。

ひとごみを避け表参道ではないルートで。
下鴨神社の摂社・河合神社が見えてきました。

こちらの御祭神は神武天皇のお母さん・玉依姫命。
女性守護と美麗の神さま。

ちょうど馬場で走馬の儀が終わり、封鎖のロープが解かれるタイミングで参拝できました。
社頭の儀で見られなかったけど、走馬の儀の蹄のあと。爽快な眺め。

GWの5/3には、葵祭の前儀の流鏑馬神事が行われたそう。
インスタのリールが見れます↓ とにかく凛々しくてかっこいいです!

京都ぶらり。 on Instagram: "1300年続く伝統行事 「流鏑馬神事」 下鴨神社で5月3日に行われた 「流鏑馬(やぶさめ)神事」 京都三大祭りの一つ、 5月15日に行われる葵祭の安全を祈願する伝統行事で 1300年以上の歴史があるといわれている。 糺の森(ただすのもり)に設けられた馬場で 平安時代の公家と武家の装束を身にまとった射手が 馬に乗り矢を放つ。 ※撮影日/2024年5月3日 #下鴨神社 #賀茂御祖神社 #賀茂祭 #葵祭 #流鏑馬神事 #世界遺産 #神社 #京都 #京都旅行 #旅行 #京都旅 #京都観光 #京都スポット #京都散策 #京都好きな人と繋がりたい #kyoto #japan #travel #trip #kyototrip #kyototravel #京都旅遊 #日本旅遊 #교토 #여행 #京都 #旅遊   #discoverkyoto #worldheritage #Jinja #shrine" 3,021 likes, 14 comments - burarint8 on May 6, 2024: "1300年続く www.instagram.com

人馬一体となり、命中したときの掛け声は
いんよー!(陰陽☯)

古代出雲ー縄文時代につながる賀茂氏。その「御祖」神社。

日本人のDNAに刻まれている賀茂氏の歴史を一気にさかのぼったような、濃縮された時間でした。

自分で計画しておきながら、頭がパンクするくらいの凄い情報量。時空の感じ方がおかしくなる。

時刻はもう14時。睡眠不足で朝5時から活動して空腹の中年ボディ。HPを回復しなくては。

最寄りの出町柳駅から大阪へ、食事はとらずチョコで血糖値を上げ、オフピーク移動します。

つづく

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