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色濃く残る記憶

岸先生が沖縄で調査されてる繋がりで自分の中の沖縄も書き残しておこう。

◉沖縄に住む

1990年前後私が小学生の頃、数年沖縄に住んでいたことがある。
家族で休みのたびに久米島や石垣島など離島に旅行に行ったこと、水牛に乗ったな、星の砂って本当にあるんだな、大通りでやる大綱?のお祭り、家の前の大きなガジュマルの木、ブルーシールアイス美味しかったなとか、市場で初めて見た豚の顔の皮丸ごとに泣いたなとか、台風で警報が出ると学校休みだったなとか、通学路の国道58号線をまたぐ長い歩道橋はジャンプするとたわんで揺れたなとか、その歩道橋の階段降りたところにアクターズスクールあったなとか、家庭訪問で先生を次の子のお家まで送るシステムだったり、ジャガイモの澱粉を作る実験で夜に近くの友だちの玄関先にお邪魔したなとか、友だちのおばあちゃんの方言が癖ありすぎでほとんど何話してるかわからなかったなとか、休み時間廊下のあの場所で和紙折り紙交換をしていたなとか、図書館に戦争の掲示がされる期間があって写真もかなり当時は怖かったなとか、小学校の裏はアメリカ人住宅だったなとか、
きっと歴史や文化や色んなものが散らばっていたのだろうけど、10歳の私にはその中に溶け込んで生きていくことで精一杯だった。

どの記憶も色つきで鮮明に覚えているのは沖縄の唯一無二の文化と吸収力が半端なかった若さのおかげだと思う。
港に落ちる夕日のオレンジ、白い壁面の建物とオレンジのシーサー。離島の真っ青な空と海。白い砂浜。珊瑚礁の色。
当時スイミング🏊‍♀️に週三で通い腹筋がバキバキに割れていた私は永遠に海の中にいられたし、海の中と外の間のコポコポという空気の音も感覚的に覚えていることはとても幸せなことだと思っている。

余談だが
▪️スイミング教室で選手育成コースに誘われたがテレビが見られなくなるのが嫌で断り続けた。
▪️沖縄のテレビ番組がスイミング教室に取材に来た。
「プールと海どちらが好き?」と訊かれて
「海です🏖️!!」と元気いっぱいに答えた姿が放映された…プールの取材できてるのにオンエアのっけてくれてありがとうございました。(不義理すぎる)

水牛🐃のった思い出を描いたんだろうなぁ
全く覚えてない
推定9歳くらいの時かな


◉夢の中のレストラン

その中でも忘れられないのは、
週末の夕食に度々訪れた書店併設レストランのこと。そこのメニューは絵本や児童書のタイトルが織り込まれていたと記憶している。例えば「星の王子さまのハンバーグ」とか「ぐりとぐらのホットケーキ」とか。
そしてその料理は絵本の絵をそのまま具現化したようなものだった。2Dから3Dへ。10歳の私はそれだけでワクワクだった。
注文して料理が来るまでの間、併設の書店へ行くのが常だった。
そこで「子どもべやのおばけ」に出会った。

古い城あとの家に引っ越してきた三人姉弟は、悲しそうな様子のおばけフローリアンと出会い、友だちになった。
フローリアンは五百年以上も昔にのろいをかけられ、助けてくれる子どもを待っていたという。
自分たちが助けてあげようと決心した姉弟だったが、のろいをとくのは思った以上に大変で…? 
子どもたちの人気を集めたドイツの物語。

絵本ナビより
大好きな児童書


ストーリーは、簡単に言えば、おばけのフローリアンを解放するために、3きょうだいが7日間ケンカをせず真っ黒にさびついたリンゴを金色のピカピカなリンゴに磨くことができるか、という話。
家の中で巻き起こる冒険にドキドキしていました。
そして、長女の気持ちがわかり過ぎて泣ける…
理不尽に怒られること、自分の気持ちを抑えて我慢しなければならないこと、自分勝手なきょうだいに振り回されるなどなど。
この作者は四人のお子さんのママなので、子どもたちの描写がとても上手です。
当時の私は完全に主人公のユッタに自分を重ねていました。ここに自分の気持ちをわかってくれる人がいた!小学生の私がより本好きになったきっかけの本です。
(自分の読書記録より)


B6判226ページの児童書を私は
立ち読みで全て読み切った。
(勿論そのあと買ってもらった)
もしかしたら一度読みやめて食べに戻ってまた読みに戻った可能性はある。
そのレストランは私にとって今でも夢のような場所だけど、本当にあったかどうかも定かではない。
なぜなら検索しても出てこない。
お店は勿論もうないのだろうな。

ただ私の本棚にはしっかりと
「子どもべやのおばけ」がある。
夢ではない。かすかな記憶と共に本は実在してる。
でも二度と行けないであろう場所。

最後までお読みいただきありがとうございます❄️

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