読書日記『僕の好きな人が、よく眠れますように』
『僕の好きな人が、良く眠れますように。』
最近、睡眠導入BGMに頼る日が増えつつある私は、どんな物語なのだろうかと思いこの本を手にとった。
読んでみるとこの本は、難しい恋をしている男女2人のお話だった。
終始2人の世界の中で進んで行く物語。難しい恋はしているがお話の中の2人は恋に盲目。
この物語には、2人の気持ち以外の問題は一切関係がないのである。
なぜなら、この物語は2人の物語なのだから。
“いい意味で山も谷もない”そんなふうに感じた。
私はこれが心地よかった。
現実ベースのお話は現実的なお話がいいなと思うし、自分勝手な登場人物が苦手だから。
客観的に2人を見ればいろいろ思うことはあるが、この本を読んでいる私にも2人の間の問題以外は関係がない。
毎日、スキあって、幸せな日々を過ごしている。
そんな2人を見ているとやっぱり幸せな気持ちになる。
(客観的に2人を見ると「そういう感情なのか。」と私の知らない感情を知ることができた気がする。)
読んでいて1つ思ったことがある。
この2人はお互いを“好きな人”だと認識している。この2人がお互いに“愛する人”になったとき、この2人の関係はどうなってしまうのだろうかということだ。
恋や愛に関して私の経験は豊富ではない。だけど、この“好きな人”と“愛する人”は明確に違うものだと思っている。
好きな人同士だから今の関係が成り立っていると思うし、甘く楽しい日々をおくれていると思う。
もし、愛する人になったとき、彼は彼女の何を願うのだろうか。
最後に、作中触れられている“動物実験の基礎理念である3R”をこの読書日記でも記しておきたいと思う。
・Replacement(代替)「できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること」
・Reduction(削減):「できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること」
・Refinement(改善):「できる限り動物に苦痛を与えないこと」
引用:中部大学 実験動物教育センター
多くの犠牲の中で今があることを心に留めて。
あらすじ(引用:角川文庫)
僕が通う理科系大学のゼミに、北海道から院生の女の子が入ってきた。徐々に距離の近づく僕らには、しかし決して恋が許されない理由があった……
『僕の好きな人が、よく眠れますように』
著者:中村航
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